トップページ 平成15年度 実践行動マニュアル

II-2.コンセプトの「再」構築


コンセプトとキャッチフレーズを混同していませんか?

~有効な事業推進を行うには、具体的で明確なコンセプトの構築が重要です~


 将来の可能性を知る

●整理分析した問題点から、活性化の方向性を探る

  • 外部環境・内部環境それぞれのプラス要素・マイナス要素は把握できましたか?
  1. 外部環境とは人口動態や世間の景気など、自分たちの努力では改善が困難な要素。
  2. 内部環境とは商店の魅力や集客装置づくりなど、自分たちの努力で改善が可能な要素。
  • 現状を踏まえて、それに必要とされる方策ができましたか?
  1. 大型店・有名店の誘致等安易な設定を行っていないか?
  2. 他市の成功事例に習えばうまくいくと先例主義に陥っていないか?
  • 既存商圏の中での来街率・買い物依存率を高めるにはどうしますか?
  1. 商圏の規模自体を拡大できる要素はあるか?
  2. 既存の街資源や集客要素を生かしているか?
  3. 観光に資する全国レベルの物産や歴史的遺産、行事、祭りがあるか?
  4. 上記で上げたものは商業活動に貢献するか。
  • 計画を具現化できる人は誰ですか?
次へ

● 調査の目的

  • 各調査及び分析結果を一覧表等にまとめ、改めて整理する。
  • この時点で方向性を決めるために、方針の柱となる要点の再認識を行う
  • 上記の内容に基づき、中心市街地活性化のコンセプトの策定を行う

●中心市街地の強みと弱み分析による方向性の模索
 次の表はそれぞれの英文の頭文字をとってSWOT分析と呼ばれ、専門家によく知られている基本的な分析法です。

  1. 現状をまとめる際に作成した強みと弱みの表に、要素を落とし込みます
  2. 各々の場面で考えられる具体的対策を、思いつくだけ全部記入します
外部環境
機会(Opportunity) プラス要因
・商圏規模が大きい、商業環境がよい
脅威(Threat) マイナス要因
・商圏規模が小さい、商圏環境が悪化
内部環境 強み(Strength)
プラス要因

・商業の販売力が強い
・業種業態機能が充実
・まちの集客要素がある
・競合に対する競争力が強い
【現状】
・商圏が広く増加傾向
・集客力・競争力が高い
・商業の販売力が強い
・まちの魅力度が高い
【現状】
・商圏が狭い、または減少傾向
・競争が激化し競争力が低下
・既存商業の販売力が強い
・まちの魅力度が高い
【強化策】
・魅力ある業種の集積強化、充実
・地域商圏を深耕(ニーズに応える)
・ファッション性向上、情報発信  など
【強化策】
・住宅整備による人口増で市場を拡大
・大型店導入による競争力強化
・個性的な業種集積を強化  など
オフェンス戦略 (積極的戦略)
弱み(Weakness)
マイナス要因
・商業の販売力が弱い
・業種構成が単調
・まちの集客要素が少ない/ない
・競合に対する競争力が弱い
【現状】
・商圏が広く増加傾向
・集客力、競争力が高い
・商業の販売力が弱い
・まちの魅力度が低い
【現状】
・商圏が狭い、または減少傾向
・競争力、集客力が低い
・商業の販売力が弱い
・まちの魅力度が低い
【強化策】
・不足業種を充実、誘致導入
・個店の販売力強化
・新たな都市機能を導入
(エンターテイメント、文化、コミュニティ等)
・まちの魅力を生かした集客を強化 など
【強化策】
・住宅整備による人口増で市場を拡大
・商業での競争をやめて役割分担と棲み
分けを図る
・既存商圏の生活利便性、快適性、文化
性、福祉などを充実  など
ディフェンス戦略 (防衛的戦略)

次へ

『誰に』
〈例〉「概ね3~5kmに居住する地域住民」を中心とする、a.品質やサービスにこだわる主婦層、b.コミュニティニーズの高い中高年層、c.地域発信、仲間意識の強いヤング層
→商圏図やターゲットイメージを作成します
『何処で』
〈例〉集客核があり、店舗の集客度の高い、「○○○○通りと○○○○通りを中心軸としたエリア」で
→エリアマップを作成します
『何を』
〈例〉「デイリーライフ(日常生活)をサポートする、食料品、生活雑貨、カジュアル衣料等をセレクトして、又、地域の文化活動等コミュニティの場や、安心、こだわりの飲食店」を中心に
→業種業態構成イメージを作成します
次へ 次へ 次へ
『基本コンセプト』   〈例〉「地域に密着してデイリーライフをサポートする生活文化街」

調査結果を読む


注意点
  • 導き出されたコンセプトは、今後全ての事業の指針となる
  1. 商業にとらわれず、幅広い視点から見ることも大切である。
  2. 商業とコミュニティ機能等、複合的な検討も必要である。
前のページ次のページ