トップページ 平成15年度 実践行動マニュアル

 本書の基本フロー


0.基本的な視点

中心市街地活性化の
「出発点」を確認する
<忘れてはならない原理・原則>
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お客さまの立場に立っていますか?

活性化のカギは、より多くの人を集め、商業活動を活発にすることです。 そして、そのための原理・原則を常に確認し、その視点を関係者全員で共有することで、狙いのはっきりした、実現可能な計画を進めることが出来ます。

中心市街地を訪れる人々の立場に立って考えれば、「集客力や販売力強化」のポイントは何か、「今、そして未来に必要な計画は何か」が見えてくるはずです。

1. お客さまの立場で考える
2. 消費者ニーズへの素早い対応
3. 昔には戻れない
4. 競争社会に打ち勝つ
5. 強い店舗が集まってこそ、街が元気になる

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I.都市及び地域商業の現状分析

中心市街地の「いま」を知る
<直視すべき現状>
次へ ◆チェックポイント
お客さまの「いま」が見えていますか?

「いま」は「みらい」を育てる揺りかごです。新しい計画づくりはまず「現状を知る」ことから始まります。
中心市街地の「いま」を、商業活動の現状という側面から多角的に分析することで、「問題点は何か」「どんな計画が必要か」などをより明確に、具体的につかむことができます。活性化の可能性は、「いま」の中に宿っています。

まちの「いま」は、お客さまの動きに端的に表れています。お客さまの意識、集客状況の実際、集客と購買の関係など、さまざまな視点から、お客さまの「いま」を把握し、効果的なプランづくりへと発展させていきます。

1. 集客力の大きさはどのくらい?(街に来ている人と来ていない人との実態がわかります)
2. 消費者ニーズはどこにある?(街で消費している人と消費していない人の実状がわかります)
3. マーケット(市場)の可能性は?(お客さまとして対象となりうる人達がわかります)

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II.めざすべき方向性(戦略)の検討

計画の方向性を探る
<実現可能な戦略の構築>
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夢だけを見ていませんか?

どんな中心市街地を目指すのか、それを実現させるためには具体的な将来像が必要であり、そのためには、基本的な方向性=コンセプトが重要です。 顧客と個店、個店と個店など中心市街地を構成する様々な要素と魅力が結びついて、その効果が発揮され、賑わい等の活気をつくります。それを可能にする基本がコンセプトだと覚えましょう。

コンセプトづくりのポイントは、地域の現状を踏まえ、『実現可能な方向性』を探ることです。どんなに素晴らしい計画も、実現可能性のないものでは、絵に描いた餅です。「誰に」「何を」「どこで」提供するのか。ニーズに応え競争力の持てるコンセプトづくりが活性化への近道です。

1. 誰に:中心とすべきお客さまは?(年齢層、性別、所得、居住地等)
2. 何を:商品やサービスの特徴は?(店舗の構成、品揃え、サービス等)
3. どこで:コンセプトを実現できる場所は?(エリアの絞り込み等)

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III.実施計画の整理と具体策(戦術)の検討

目指す将来像の実現へ向けた戦術を練る
<実施・継続可能なプランの検証>
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的を射た計画になっていますか?

目指すべき中心市街地の将来像と計画のコンセプトづくりが出来たら、次は具体的なプランニングを行います。 中長期的な展望をベースに『魅力ある個店』の取捨選択と育成、『魅力ある個店のネットワーク化』が大きなカギを握ります。

ただ「人気ある店」を配置するだけでは、効果的な商業の活性化にはつながりません。個店それぞれの魅力や、エリアにおいての実情をふまえ、相乗効果が期待できる商業集積を目指します。理想を持ちながらも、『実現かつ継続可能な戦術』を選択することがポイントです。

1. やる気、元気、気くばりが個店を強くする
2. 消費者ニーズに応える店舗を効果的に集積させる
3. 関係者の合意形成・共通意識
4. 破綻をまねかない事業計画

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IV.事業の実施(マネージメント)及び継続的評価

計画を実現する体制づくり
<効果的な事業体制のデザイン>
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実践的な人と体制になっていますか?

中心市街地は様々な要素が複合して成り立っています。そのため活性化計画を円滑に実現するためには、多くの専門家や関係者の協力が欠かせません。 計画の実施から、実施後の運営までを的確に進めていける事業体制づくりが計画の成否を分けるポイントです。

素晴らしい設計図だけでは、素晴らしい家は建ちません。中心市街地活性化も同じです。 優れた人材と適材適所の配置、その力が有機的に発揮できるような事業体制のデザインかどうか、中心市街地の状況に合わせて判断します。

1. 実務者を主とした体制を組み立てる
2. 業務に応じた外部専門人材の導入
3. 協働して集客する
4. 自立した事業運営体制と責任の明確化

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街を育てていくしくみづくり
<絶え間ない見直しと修正>
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終わったと安心していませんか?

日々変化する顧客ニーズを反映しながら、中心市街地も変化していかなければなりません。日々の中で、継続的な賑わいを獲得するためには、常に「変化」を求められるのが必然です。計画実施後のメンテナンスとリニューアルは、活性化計画を育てていくための原点であることを知りましょう。

計画は、つくった時点からすぐに「古く」なってしまいます。計画の終わりは事業の始まりでもあります。賑わいは顧客と中心市街地等のまちの動きにそいながら、常に変化します。街もそれに合わせ、また、その先をいくように育っていけるような環境づくりが必要です。

1. 内外の変化を見逃さない
2. 変化に応じた新陳代謝が活性化を促進する
3. 新たな業種分野やサービスに挑戦する
4. 競争社会であることを忘れない

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