I-3.地域特性調査
地域の特性を、思い込みや感覚で漠然ととらえていませんか?
~中心市街地の現状を知るために、基礎データの整理と定期的な更新が必要です~
地域について知る
● 中心市街地とは何か
「商店街」とは、1つの商店会会員を中心とした店舗の集まりのことです。その「商店街」がいくつか集まったものを「商業集積」、さらに密度の高い商業集積がある区域を「市街地」「商業地」と呼びます。 「中心市街地」とはその中で、小売業者及び都市機能が相当程度集積し、市町村の中心としての役割を果たしていると共に地域の発展にとって有効かつ適切な市街地をさし、街の活力や個性を代表する「顔」というべき場所をさします。
● 中心市街地とお客様についての現状を知ることが不可欠- 中心市街地にどのくらいの人が買い物に来ていますか?
- 中心市街地及び周辺に住んでいるのはどんな人たちですか?
- 中心市街地及び周辺で働いている人はどんな人達ですか?
- 中心市街地の魅力・資源と思うものは何ですか?
- 想定するお客さまからみた中心市街地の魅力、資源は何ですか?
- 中心市街地の魅力・資源は地域商業の活性化に貢献するでしょうか?
→過小評価も過大評価も禁物です。
外部の人や専門家に客観的に診断してもらう事も良い方法です。
● 調査の目的
- 地域全体の規模や近年の変化を知り、将来を予測する→将来マーケットの確認
- 誰に対して商業活動(商売)しているのかを確認する→ターゲット(お客さま)の確認
- 全国平均等の比較から、地域の経済レベルを把握し、現状の実力を探る→現状の実力(質・量)の確認
- 特徴的あるいは、個性的な要素の有無と、その活用性を探る→地域資源等の確認
●主な調査項目
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人口や世帯数の動向、構造、推移。※県や市のレベルから調べる。
(お客様となる住民や来街者はどれだけいるのか、成長している地域か、成熟した地域か、衰退・人口減少傾向にある地域か) - 地域商業の動向(商店数、売上などの現状と推移を基礎データで確認)
- 中心市街地の動向(中心性はどのぐらいあるのか。本当に商業の中心か、何の中心なのか)
- 地域経済の状況(産業動向、物価水準、所得水準、消費水準など)
- 地域住民の生活特性(年齢・職業・家族構成、家計収支、行動範囲・時間帯、移動手段、生活習慣・嗜好、伝統・文化、 生活意識・志向性など)
- 道路・交通状況(近隣道路、幹線道路、鉄道・バス・利用者数、自動車・歩行者通行量など)
- 地理・風土の状況(気候、地形、土地柄や気質、成り立ちや歴史など)
- その他(市や県・国の上位計画、関連計画などの概要整理)
- 定期的に新しい調査資料が公表されていることが多い県や市のデータを元にして、データベース(基礎台帳)をつくります。
- 県や市、全国平均との比較によって、いわば地域の偏差値を明らかにします。
- これにより、調査資料が客観的な材料となり、活用用途が広がります。
- 現在、県や近隣市町村の中で、それぞれのデータがどのぐらいの位置にありますか?
- 将来、地域の規模(人口・世帯数、商店数、事業所数)や経済力はどうなりますか?
- 人口や世帯数の増加・減少はなぜ起こったのですか?どんな影響を及ぼすでしょう?
- この中心市街地が他と違う特徴・特性がありますか? それは何ですか?
- それは中心市街地の商業の集客や売上増加に対してプラスの影響を与えますか?
- 中心市街地の規模や水準、経済力は、調査前の印象と比べてどのぐらい違っていましたか?
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周辺都市のデータも調べる
来街客の居住範囲は、行政区域と関係無いため、周辺の県や市のデータも一緒に調べる。 -
数字を見やすい様、図形化する
数字の羅列だけではなく、動向や変化がわかりやすいように、グラフなど図形化してみる。 -
地域データは全国的な指標等と見比べる
<人口・世帯数増減率、高齢化指数、所得水準、小売販売額、売場面積あたり販売額>などの項目は、個別の数字だけでは評価が難しい。必ず県や全国平均等の指標と比較して、違いを見るようにする。