I-8.中心市街地における集客機能等の特性調査
どこが集客の核か、何が集客の理由なのかを理解していますか?
~地域の集客機能を充分に把握し、更なる強化を考えましょう~
中心市街地の集客機能について知る
●核店舗とは何か、集客機能とは何か?
中心市街地商業集積の域内にあって、その集客力で地域に貢献している店舗を、中心市街地の核店舗とします。地区全体の商圏は、核となっている店舗や施設の内容に大きく左右されます。また、大型店が核になる場合が多いため(大型核店舗)、地区内の大型店の状況は常に把握しておく必要があります。そして、核店舗は個店と競合するだけでなく、まちに人を集める集客装置の役割を果しているため、共存共栄を目指します。ただし、商業以外の機能が集客機能となることもあります。
一方、大型核店舗の集客力にのみ頼るだけではなく、個店が自ら集客できる力を持たなければ、本来の相乗効果を発揮することはできません。したがって、個店及びその集積が自立した集客力を備えることこそが重要です。
●核店舗と中心市街地のかかわりを知る
- あなたのまちには核店舗がありますか?
- それはどんな業種業態のお店ですか?
- そのお店は好調でしょうか、不振でしょうか?
- 好調/不振の理由は何ですか?
- 核店舗と個店が一緒に元気になれる方法がありますか?
- 核店舗を元気にする方法は何でしょう?
- 個店がともに元気になる方法は何でしょう?
- 大型核店舗が閉店・撤退した場合でも自立した商業集積として集客できますか?

● 調査の目的
- 核店舗が中心市街地に対してどんな影響をもっているか検討する
- 大型店などの明確な核がない場合は、何が核になりうるのかを検討する
- 核店舗と商業集積の連携方法等、共存共栄のあり方を検討する
●大型核店舗の特性
- 大型核店舗の業態や性質によって、まち全体のイメージが高まったり、魅力が上がったり、商業集積全体の集客や売上が増加するなど、多大な相乗効果を生む場合がある。
- 業態ごとに、店の健全経営に必要な商圏規模・予測売上額などの成立条件を持っている。
- 成立条件や商圏の生活者特性・ニーズ等に合わない業態の店舗は、大型店といっても十分に核機能を果たすことは 困難です。それどころか、大型核店舗が業績不振に陥って閉店・撤退したりすると、まち全体に大きなダメージを与えてしまいます。
- 大型核店舗の力で商圏を拡大しようと考えたり、集客を頼ったりしていませんか?(大型店だけに依存しない)
- 現在大型核店舗がある場合、その店は地域の生活特性やニーズに合っていますか?
- 中心市街地商業集積は、大型核店舗の客層や特性と合っていますか?
【代表的な大型店と、その成立条件】
※数値はあくまでも標準的な目安であり、企業により異なります
業 態 | 成立立地 | 成立商圏規模 |
標準的規模 (売場面積) |
百貨店/ファッションビル/駅ビル |
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商圏人口30万人以上
(大規模店は100万人以上) |
10,000~30,000m 2 |
GMS(総合量販店) |
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商圏人口10万人以上 | 10,000~15,000m 2 |
スーパーマーケット |
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商圏人口3万人以上 | 900~1,700m 2 |
- 現在の核店舗は郊外のSCやGMSに対する競争力を持っていますか?
- 業態や扱い商品、価格帯などが類似している同質間競争になっていませんか?
- マーケット(客層)の棲み分け(役割分担)が行われていますか?
- 中心市街地の商業集積の特性が、大型核店舗の客層やニーズと連動していますか?

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自らの力・魅力を知る
大型店に頼らない、現在の個店集積の集客力と販売力を常にチェックする。 -
集客力のあり方を探る
中心市街地の大型店も郊外SC等との厳しい競争のなかにある。このようななかで、中心市街地が総合的に集客力を向上させていくためには、幅広く集客機能をとらえる必要がある。