3.3 BCPを策定する
③ 事業継続に関連する情報の整理と文書化をする
ここでは、緊急事態発生時の事業継続において必要となる情報を事前に整理し、付属の帳票フォーマットに記入することにより、BCPの文書化を実施します。ここで策定するBCPは、大きく分けて次の2つの要素からなります。
- 1.
- BCP(事業継続計画)の発動フロー
- 2.
- 事業継続に必要な各種情報の帳票類
1. 「BCP(事業継続計画)の発動フロー」について
本書には、初動対応から事業復旧にいたるまでの基本的な対応手順のひな形となる「事業継続計画の発動フロー」が添付されていますので、BCP策定の第一段階としては、これが利用できます。
2.「事業継続に必要な各種情報の帳票類」について
このステップでは、1.の「BCP(事業継続計画)の発動フロー」に示される手順ごとに、必要となる情報を整理し、文書化を行います。
本書には、情報を整理する帳票のひな形となる様式集(下記参照)が添付されていますので、BCP策定の第一段階としては、この様式を利用して情報を整理してもよいでしょう。これにより、基本的なBCPが策定できます。
※以下の一覧における「Word形式」の様式を選択すると、新しいウィンドウで表示されます。
表 BCP様式類一覧
要求度 |
PDF形式 |
WORD形式 |
様式名 |
手順書上の関連プロセス・ステップ |
備考 |
必須 |
BCP表紙・目次 |
冊子に束ねる際の表紙と目次。 |
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必須 |
BCPの基本方針 |
当プロセスで整理する。 |
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必須 |
BCPの策定・運用体制 |
当プロセスで整理する。 |
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必須 |
従業員携帯カード |
当プロセスで整理する。 |
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任意 |
複数企業連携によるBCPの策定・運用体制 |
本指針の上級コースで使用 |
同業者組合等、複数の企業が連携してBCPに取り組む際の体制等を整理する。 |
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必須 |
中核事業に係る情報 |
3.1 (2) ①「事業影響度を評価する」により整理される。 |
中核事業が複数ある場合は個別に帳票を作成する。 |
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任意 |
中核事業影響度評価フォーム |
3.1 (2) ②「中核事業が受ける被害を評価する」において利用する。 |
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必須 |
事業継続に係る各種資源の代替の情報 |
3.2 (2) ①「事業継続のための代替策の特定と選択をする」において整理する。 |
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必須 |
事前対策のための投資計画 |
3.2 (2) ②「事前対策を検討・実施する」において整理する。 |
ある程度の資金が必要であることから、中長期的な整備計画を立案する。 |
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必須 |
避難計画シート |
当プロセスで整理する。 |
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必須 |
主要組織の連絡先 |
同上。ボトルネックの被害軽減や代替や修理に関する組織を整理する。 |
組織数分の帳票を作成する。 |
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任意 |
従業員連絡先リスト |
当プロセスで整理する。 |
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任意 |
従業員連絡先リスト |
〔様式12-1〕と併せて、当プロセスで整理する。 |
従業員数分の帳票を作成する。 |
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必須 |
従業員連絡先リスト |
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任意 |
情報通信手段の情報 |
② 1.「事業継続のための代替策の特定と選択をする」において検討した通信手段について、具体化しておくことが望ましい。 |
情報通信手段ごとに帳票を作成する。 |
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必須 |
電話/FAX番号シート |
当プロセスで整理する。 |
すべての電話番号を把握する必要はなく、中核事業に関連する、または、中核事業継続のために利用できると想定される番号を整理すればよい。 |
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必須 |
主要顧客情報 |
① 1.「事業影響度を評価する」における中核事業特定の結果にもとづき整理する。 |
主要顧客数分の帳票を作成する。 |
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必須 |
中核事業に係るボトルネック資源 |
① 1.「事業影響度を評価する」において把握したボトルネック資源を具体化して整理する。 |
ボトルネック資源ごとに帳票を作成する。 |
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任意 |
中核事業に係るボトルネック資源 |
同上 |
中核事業がコンピュータ機器に大きく依存しない場合は、任意で利用する。 |
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任意 |
中核事業に係るボトルネック資源 |
① 1.「事業影響度を評価する」において把握したボトルネック資源を具体化して整理する。 |
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必須 |
中核事業に必要な供給品目情報 |
① 1.「事業影響度を評価する」において把握したボトルネック資源の結果にもとづいて、当プロセスで整理する。 |
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必須 |
主要供給者/業者情報 |
当プロセスで整理する。 |
供給品目数分の帳票を作成する。 |
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任意 |
保険情報リスト |
② 1.「事業継続のための代替策の特定と選択をする」、及び、② 2.「事前対策を検討・実施する」において、併せて検討することが望ましい。 |
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必須 |
災害対応用具チェックリスト |
② 2.「事前対策を検討・実施する」において、併せて検討することが望ましい。 |
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任意 |
地域貢献活動 |
3.4(2)③「BCP文化を醸成する」において、平常時及び緊急時に行うことを整理する。 |