立体造形
より近く、より多く、より均等に
山形県
有限会社渡辺鋳造所
2020年3月16日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 新規鋳造材料を用いた金型技術の高度化 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 自動車、産業機械、工作機械 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、低コスト化 |
キーワード | 高硬度 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成18年度~平成20年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
鋳造材料でありながら従来の金型材料に匹敵する素材性能を持ち、自由な温調配管が可能な新規金型材料を用いて、自動車及び情報家電業界から強く求められているデザイン性・機能・性能を併せ持つ大型のプラスチック部品製造に適用可能な金型を開発する。また、アルミニウムダイカスト金型に鋳ぐるみ冷却管を適用し、従来の金型材料・型設計に起因する不具合(溶損、ヒートチェック、応力腐食割れ)の解消とハイサイクル化を試みる
開発した技術のポイント
プラスチック成形品、特に大型成形品では、従来は金型温調の限界から製品各部の成形品位の差が大きく、製品設計を大きく制約している。この大型成形品について実際に鋳ぐるみ温調金型を作製した。モデル形状は3次元自由曲面で構成され、約500×300mmの大きさを目指した
(新技術)
・鋳ぐるみ配管は配置自由(特徴)
・配管の自由度が大幅UP!
・鋼(はがね)に迫る強度・ニアネットシェイプ(鋳物の利点)
具体的な成果
自由形状の温調配管を実現することで、金型表面近傍での直接温調が可能となった。この効果は(1)そり、収縮等の変形を抑制できること、(2)冷却時間を短縮できることである。温調配管の熱交換効率は、配管表面積に比例し金型表面からの距離に反比例することが広く知られており、「より近く、より多く、より均等に」配置することで複雑3次元形状を高精度に成形する技術を構築した。また、本研究開発の成果は、日経BP社が主催する2009年日経BP技術賞機械システム部門賞を受賞した
知財出願や広報活動等の状況
特許出願数:1件(2009年12月時点)、論文数:1件(2009年12月時点)
研究開発成果の利用シーン
マルテンサイト鋳造材
・各種金型部品(プラスチック成形用金型、ダイカスト用金型)
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
本事業で得られた知見(マルテンサイト鋳造材、配管鋳ぐるみ技術)を、より製造プロセスの点でメリットが多い「鋳鉄」に展開し、応用に向けた研究を継続実施中である。
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造
製品・サービスのPRポイント
・高い硬さ(35~55HRC)を有する鋳鋼部材の提供
・鏡面加工が可能
・金型の補修、肉盛り溶接に対応
今後の実用化・事業化の見通し
開発材料は金型としての使用に耐えうる性能を有するが、製造プロセスの点で課題もある。
そこで、製造プロセスの点でメリットの多い鋳鉄材料での実用化、事業化を推進するため、新たなサポイン事業に取り組んだ。
実用化・事業化にあたっての課題
鋳造歩留りや配管加工コスト等に代表される採算性への配慮が実用化へ向けての課題として残った。また、委託事業実施中に見いだされた新たな知見の可能性を見極め、その実用化と新たな用途開拓を目指すことも急務となっている。これらの課題を解決するために、技術開発(補完研究)を継続して行う予定である
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 有限会社渡辺鋳造所 株式会社ナガセ 株式会社フジミ |
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事業管理機関 | 公益財団法人やまがた産業支援機構 |
研究等実施機関 | 国立大学法人秋田大学 国立大学法人東北大学 国立大学法人岩手大学 国立大学法人山形大学 山形県工業技術センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 有限会社渡辺鋳造所(法人番号:4390002003116) |
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事業内容 | 銑鉄鋳物製造 |
社員数 | 31 名 |
本社所在地 | 〒990-2351 山形県山形市鋳物町21番地(山形西部工業団地内) |
ホームページ | http://www.watana-f.com/ |
連絡先窓口 | 渡辺利隆 |
メールアドレス | watana-f@jan.ne.jp |
電話番号 | 023-643-7010 |
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