立体造形
製造コストは7円/個以下!高精度シャント抵抗器の成形・生産技術
福島県
株式会社シンテック
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | リチウムイオン電池用高精度シャント抵抗器の超薄肉アウトサート成形技術・生産技術の確立 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 自動車、情報通信、スマート家電 |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
電子機器業界では、リチウムイオン電池の充放電制御に必備な電流検出に用いるシャント抵抗器の高精度化、小型化、SMD化のニーズが高いが、現行の単品生産方式や多数個配置組立後分離生産方式では抵抗値高精度化や工程自動化が極めて困難である。本研究では熱硬化性樹脂の超薄肉アウトサート射出成形技術を開発し、高精度、国際競争価格で高精度シャント抵抗器の生産技術を開発する
開発した技術のポイント
熱硬化性樹脂の超薄肉アウトサート射出成形により、高精度、低コストのシャント抵抗器を生産
・金属抵抗の成形→凹部厚さ0.2mm±0.001mm、抵抗体幅2.9mm±0.005mm
・熱硬化性樹脂の薄肉成形→最小肉厚0.05mm
・信頼性評価→抵抗値±1%
・製造コストの低減→1個あたり20円程度⇒7円以下
(新技術)
連続多数個生産工法
(特徴)
・精密プレスと高精度アウトサート成形により、抵抗体形状と電極間距離を高精度に決定するため、調整無しで抵抗値精度±1%を実現
・調整無しの連続生産により、現在の製造方法よりも60%~80%以上のコスト低減を実現
具体的な成果
・金属抵抗体の形状、材料、加工法を開発
‐金属抵抗体の三次元形状、抵抗体材料を決定
‐金属抵抗体の固有抵抗値を安定化。溝加工の寸法精度±1µm
‐抵抗体のくびれ部は1ショット10個取りで、幅2.9±0.005mmの精度で加工法を確立
・平均値1.003mΩのシャント抵抗器を開発、JISC5201準拠項目を全て合格
‐熱硬化性樹脂の超薄肉アウトサート射出成形による絶縁被膜技術を開発した結果、80個取り金型による完全充填を達成
‐PWB実装のシャント抵抗器の抵抗値が、平均値1.003mΩ(50個)であることを確認
‐信頼性試験は、JIS C5201準拠項目を全て合格
・小型シャント抵抗器の製造技術を確立、低コスト化の見通しが立つ
‐3.2×1.6mm、2.0×1.2mmサイズの1mΩ、2mΩ、3mΩの抵抗体形状と材料を決定
‐80個/1ショット金型を試作、t0.05mmの超薄肉アウトサート成形により絶縁被膜ができることを確認
‐抵抗値1mΩ精度±1%達成、及びコスト試算は7円/個以下で製造できる見通しが立つ
知財出願や広報活動等の状況
・特許:「抵抗器および抵抗器の製造方法」(特許第5039867号)
・出展:ネプコンジャパン2012(H24.1.17~H24.1.18)
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H23年度に実用化に成功、事業化間近
・1mΩ±1%シャント抵抗器(SMDタイプ)のサンプルあり(無償)
製品・サービスのPRポイント
・低コスト化→高精度加工技術とフープ材の超薄肉アウトサート成形技術により、高精度シャント抵抗器の50%のコスト削減を実現
・精度向上→抵抗値の調整なしで1mΩ±1%の抵抗値精度を実現
今後の実用化・事業化の見通し
補完研究を進めるとともに、川下企業でのサンプル評価を検討
・抵抗値の安定性向上と量産性確認のため補完研究を継続中。抵抗値精度を3.5σで±1%を実現するため、金属抵抗体フープ材料の切削加工精度改善のための研究を実施
・事業化に向け、引き合いのある測定器メーカーにサンプル評価をお願いする予定
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社アベ化成 福島工場 |
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事業管理機関 | 公益財団法人福島県産業振興センター |
研究等実施機関 | 株式会社シンテック 福島双羽電機株式会社 北光金属株式会社 国立大学法人山形大学 福島県ハイテクプラザ |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社シンテック |
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事業内容 | 携帯電話機用2段式アンテナ製品の量産製造技術の確立、高性能電波腕時計向けアンテナの開発、付加価値の高い宝飾製品や医療機器部品の貴金属めっき処理 |
本社所在地 | 福島県いわき市植田町南町1-3-2 |
ホームページ | http://www.syntec-jp.co.jp |
連絡先窓口 | 代表取締役 赤津和三 |
メールアドレス | k-akatsu@syntec-jp.co.jp |
電話番号 | 0246-77-0110 |
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