バイオ
セルロース系バイオエタノールの商業化に大きく貢献
岡山県
株式会社フジワラテクノアート
2020年3月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | セルロース系バイオマスの分散型超高効率エタノール生産システムの開発 |
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基盤技術分野 | バイオ |
事業実施年度 | 平成18年度~平成20年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
燃料用エタノールは循環型社会構築と温暖化対策として世界的に増産が予想されるが、現在主流の糖・デンプン系バイオマスは世界的な食糧不足予想から増産理解は得られ難く、木質系はコストの壁を壊せてない。従って今後の需要増はセルロース系で賄われると予想される。本研究開発はバイオ技術を用いた高度発酵技術により収集コスト不要のセルロース系小麦麸、米糠、籾殻による地域分散型超高効率エタノール生産システムを開発する
開発した技術のポイント
小麦フスマを効率的に分解することができる酵素(セルラーゼ)を生産する遺伝子組換え麹菌と固体培養の最適化により従来比12倍以上のセルラーゼ生産性を達成した。この酵素を用い、最適化した水熱処理条件で処理した小麦フスマを液化・糖化した。これに新たに開発した糖化酵素遺伝子を組込んだ組換え酵母によりアルコール発酵における併行複発酵を行い、5.5%アルコール発酵液を得た。また多段式回分蒸留と新たに考案したセラミック膜による蒸気透過分離と浸透気化分離システムにより5.5%アルコール発酵液から99.5%バイオマスエタノールを生産することができた。これにより目標の一連のプロセスを開発することができた。
(新技術)
<開発目標>
・バイオテクノロジーと固体培養技術で複合酵素を安価に供給
・高効率酵母の育種と併行複発酵の最適化で高効率発酵
・ナノテク膜と最適化で蒸留・脱水コストの大幅な低減
具体的な成果
開発したシステムは、新たに開発した下記の要素技術により構成されている。
・セルラーゼ高生産遺伝子組換え麹菌を開発
・セルラーゼ高生産遺伝子組換え麹菌と固体培養の最適化によりセルラーゼの生産性を従来比12倍以上に向上
・糖化酵素を生産する酵母を開発
・バイオマスのエタノール醗酵において併行複発酵を確立
・比較的小規模な地域分散型システムを可能とする、多段式回分蒸留と、セラミック膜による蒸気透過分離と浸透気化分離のシステムを開発
知財出願や広報活動等の状況
論文数:5件
実用化・事業化の状況
今後の実用化・事業化の見通し
セルロース系バイオマスの燃料用エタノール生産プラントの実用化は、世界情勢と国の施策に大きく依存する。単独企業の判断で事業化することは非常に難しい。わが国においても、諸外国においても国の施策に大きく依存している。したがって本プロジェクトメンバーは各担当テーマに関して国内外の企業・研究機関との共同研究開発プロジェクトに参加し、本プロジェクトで確立した要素技術を更に発展させることとした。テーマによっては2012年頃事業化プラントへの参加を視野に入れている。
実用化・事業化にあたっての課題
バイオエタノールは非常に単価が低く、セルロース系バイオマスによる商業化までには、更にコスト低減の技術開発が必要である。特に更に高効率な酵素生産技術が望まれる。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社フジワラテクノアート |
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事業管理機関 | 公益財団法人岡山県産業振興財団 |
研究等実施機関 | 株式会社サタケ 株式会社イングレディア・ソリューション 国立大学法人東北大学 国立大学法人山口大学 国立大学法人岡山大学 岡山県工業技術センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社フジワラテクノアート |
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本社所在地 | 〒701-1133 岡山県岡山市富吉2827-3 |
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