バイオ
メッシュ培養技術を用いた3D培養デバイス[Meshtable🄬]の開発
兵庫県
株式会社水田製作所
2025年1月29日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 疑似生体組織の作製を可能とする、微細メッシュを足場にした三次元細胞培養デバイスの研究開発 |
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基盤技術分野 | バイオ |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(新しい培養方法(よりinvivoに近く)) |
キーワード | メッシュ培養,3D培養,動物実験代替,長期培養,Meshtable |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 令和2年度~令和4年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
3D培養分野の開発トレンドと市場動向を踏まえ、市場に潜在する
1.簡便な3D培養技術の導入意欲
2.従来技術である平面培養で進められている研究開発市場の新ニーズ掘り起こし
を目指す取り組みとしてコア技術シーズである「メッシュ培養法」を組み込んだ3D培養デバイス(Meshtable)の研究開発を行った。
開発した技術のポイント
・メッシュデバイス評価環境の構築
-自社内にプロトタイプを含むデバイス評価環境を構築。
-研究開発の加速化、顧客ニーズへの迅速な対応を実現。
・メッシュデバイス評価実験からの適用アプリケーションの絞り込み
-多種細胞種の培養による平面培養との優位性を確認。
-心筋細胞、肝細胞、間葉系幹細胞等の細胞シートが簡便に作製可。
-⻑期培養、共培養、評価系モデル構築など多様なニーズに適用。
・デバイスラインナップ拡充: 24well/96wellインサート用プロト開発
-透過性試験用カラム型デバイスの開発を達成。(24well用)
-ハイスループット評価系向けデバイスのプロトタイプ開発達成。(96well用)
具体的な成果
・試作品を用いた三次元細胞培養技術の確立と疑似生体組織作製の再現性確認
-甲南大との連携により水田製作所の細胞培養技術を習得し、再現性ある運用を実現。
-水田製作所の製品評価環境を構築し、実験再現性85%以上を達成。
・工学的な評価・検証環境の構築
-観察・分析機器の導入により、加速的な研究開発推進環境を実現。
・培養プロトコールの整備
-各細胞毎の培養プロトコールを整備し、全実験を記録した管理体系を構築。
-ユーザー目線でのメッシュデバイス取り扱い説明書を作成。
・各細胞培養実験の高度化目標値の達成
-初期播種数範囲の確定と平面培養比較実験の定型化を達成。
-アルブミン産生能が従来技術の2倍以上を達成。
-三次元組織のタイトジャンクション形成の高度化を実現。
-幹細胞の分化誘導を確認。
-心筋細胞シートの拍動と同期を達成。
-共培養と長期培養で従来技術との優位性を確認。
知財出願や広報活動等の状況
成果に関する知財出願を共同研究成果として令和1年に進めた。
「生体試料評価デバイスおよび生体試料評価方法」
特願: 2019-117480
「細胞シート製造装置、および細胞シート」(特願 2019-189611 の国内優先権主張出願)
特願: 2019-010229
特許第7304022号
研究開発成果の利用シーン
Meshtableは、細胞培養における新しい選択肢として、主に医療研究や薬剤開発の分野での利用を見込んでいる。特に、心筋細胞や血管内皮細胞の培養において、従来の培養器具と比較して高い精度と効率を提供し、研究者のニーズに応える製品として位置づけられる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
本事業開始以前より、複数のイベントでメッシュ培養技術や試作品を川下企業にPRする活動を行ってきた。企業発表(プレゼンテーション)を中心に、展示会や学会を通じて多数の企業やアカデミアからコンタクトがあり、Meshtableへの期待や共同研究の要請が寄せられるようになっている。
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造、製品製造、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
Meshtableは、細胞培養の効率性を飛躍的に向上させる製品として、従来の培養器具よりも優れた性能を誇る。特に、動物実験の代替モデルとしての可能性が高く、圧倒的な開口率を生かした長期培養性、タイトジャンクション形成の評価や、透過性試験の実施が容易であることがユーザーにとっての大きな魅力である。
今後の実用化・事業化の見通し
・事業化に向けて、Meshtableの知財化戦略がすべてのコアとなる。令和5年6月に国内特許を取得し、現在、国際特許出願中の段階である。
・共同研究や個別ニーズの取り込みを進めながら、Meshtableのブラッシュアップ、実験データの整備、商流の開発を行っていく。
現在、商流開発を進めており、大手商社で取り扱って頂けることが確定し準備中である。
さらなる拡販の為、動物実験代替法学会に入会し、2024/11には学会で企業展示を行う等、各展示会で積極的なPR活動を展開中である。
・国内だけでなく、海外市場へのPR戦略については、JETROなどの機関と連携し、2年以内に海外展示会、特にアジア圏を中心とした活動につなげる。
実用化・事業化にあたっての課題
Meshtableの更なるシェア拡大の為には論文やデバイスとしての毒性試験/さらには動物実験代替分野に向けた取り組み(主に皮膚)が重要であるが、いずれにしても費用と時間がかかることであり、じっくりと取り組む。更なる資金調達については来年度新たなる取り組みを模索中である。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社水田製作所 バイオメディカル事業本部 |
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事業管理機関 | 公益財団法人新産業創造研究機構 技術移転部門 健康・医療部 |
研究等実施機関 | 学校法人甲南学園甲南大学 フロンティアサイエンス学部 長濱宏治 |
アドバイザー | 東京医科歯科大学 株式会社江崎グリコ NPO 法人ジャパンオルガノイドレポジトリー |
参考情報
- 製品チラシ(マイクロメッシュ三次元細胞培養デバイスMeshtable®)
- https://www.chusho.meti.go.jp/sapoin/index.php/files/project/link/4753/11368
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社水田製作所(法人番号:8140001035528) |
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事業内容 | 電気・電子機器製造業、医療・バイオ機器製造 |
社員数 | 90 名 |
生産拠点 | 兵庫県明石市に6拠点,神戸ポートアイランドにバイオメディカルラボを構える |
本社所在地 | 〒673-0023 兵庫県明石市西新町3丁目14番1号 |
ホームページ | https://www.mizuta-inc.com/ |
連絡先窓口 | バイオメディカル事業本部 ⽯原甲平 |
メールアドレス | ishihara@mizuta-inc.com |
電話番号 | 078-920-8907 |
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