複合・新機能材料
全数全部位の不燃性能が保証され、薬剤の滲み出しがなく性能低下のない、安心かつ高品質な不燃木材の開発
福岡県
九州木材工業株式会社
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 低潮解性難燃剤とその難燃剤均質注入・非破壊分布測定技術及び内装・外装に適する塗装技術による“全数・全部位防火材料基準”を満たす不燃木材の開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 建築物・構造物 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(生産性増加)、環境配慮、低コスト化、デザイン性・意匠性の向上 |
キーワード | 不燃木材、潮解・白華抑制、防火材料 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成29年度~令和1年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
政府施策により国産材を利用した不燃木材の需要が高まっているが、現在市場に出ている不燃木材は注入した難燃剤が表面に滲み出ることにより性能低下や景観劣化が2年以内に発生し、耐久性も低い等の問題を抱えている。そこで「既存の不燃木材の問題を全て解決した不燃木材」及びその「木材の全部位を非破壊で全数確認可能な装置」を新たに開発し、高品質かつ高耐久性さらに低価格を実現した不燃木材を市場に供給する。
開発した技術のポイント
・新規難燃剤により、滲み出しを防止
・新たな難燃剤注入技術の開発により、難燃剤を均質に木材に注入
・非破壊の難燃剤分布測定法を開発し全数全部位非破壊検査
・新たな塗装技術により、内装材の耐久性を半永久的に向上
具体的な成果
・低潮解性難燃剤の開発
-乾湿繰り返し試験10回及び吸湿性試験難燃剤の滲み出しなし、発熱性試験で不燃材料基準を達成
・難燃剤を均質注入する多段階加圧注入技術の開発
-長さ4,000mmスギ板材に対して多段階加圧注入方法を確立し、発熱性試験で不燃材料基準を達成
・難燃剤分布可視化技術の開発
-非破壊データから難燃剤量との相関を導き検量線を確立、非破壊で難燃剤分布を可視化できる不燃木材検査技術を開発
・内装用不燃木材の開発
-従来よりも薄くし低コスト化した塗装で乾湿繰り返し試験及び吸湿性試験において滲み出しなし、発熱性試験で不燃材料基準を達成
・外装用不燃木材の開発
-耐候性を重視した塗装で乾湿繰り返し試験及び吸湿性試験において滲み出しなし、発熱性試験で準不燃材料基準までは達成
知財出願や広報活動等の状況
新規難燃剤及び非破壊検査装置は特許を出願中である。
・「木質材料処理剤組成物、木質材料の処理方法及びそれにより処理された木質材料」 特願2019-102900
・「木材検査装置」 特願2019-190802
研究開発成果の利用シーン
非住宅分野及び住宅分野で難燃剤の滲み出しのない性能を満たした不燃木材を使用しなければならないシーンでの利活用が可能である。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
不燃木材を販売するにあたり国交省大臣認定を取得する必要がある。3年間の研究結果を反映させた技術資料を作成し、建材試験センターに試験申請を進める。本事業の開発において内装用不燃木材(塗装なし、塗装あり)については目標値をすべて達成できたため、認定取得にあたり研究結果を反映させた技術資料を作成し、建材試験センターと打合せをしながら認定取得に向けて取り組んでいる。
提携可能な製品・サービス内容
製品製造、技術ライセンス
製品・サービスのPRポイント
製品は乾湿繰り返し試験、吸湿性試験でも滲み出しが起きないことを確認し、その上で定められた不燃性能を満足したことで、従来不燃木材を凌駕した性能となっている。さらに製品はひとつひとつ非破壊検査するため、全数全部位における不燃性能が確かめられた安心な製品を市場に供給できる。
今後の実用化・事業化の見通し
不燃木材を販売するにあたり国交省大臣認定を取得する必要がある。本事業の開発において内装用不燃木材(塗装なし、塗装あり)については目標値をすべて達成できたため、認定取得にあたり研究結果を反映させた技術資料を作成し、建材試験センターと打合せをしながら認定取得に向けて取り組んでいる。本事業のアドバイザー(川下企業)には、開発した不燃木材の販売が始まり次第、物件等に折り込むことを視野に入れて取り組んでいただいており、事業化に向けた販路の展開も進めている。
実用化・事業化にあたっての課題
外装用不燃木材の開発について、促進耐候性試験2,000時間後の発熱性試験では不燃材料基準未達成できなかった。事業後に補完研究を実施し現在準不燃材料基準まではクリアできている。引き続き不燃材料基準を達成できるように塗装方法の見直しや他塗料の選定等を行い開発を進めている。
事業化に向けた提携や連携の希望
オープンイノベーションによる日本全国へのフランチャイズ展開を希望
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 九州木材工業株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人福岡県産業・科学技術振興財団 |
研究等実施機関 | 福岡県工業技術センター インテリア研究所 国立大学法人九州大学 八光オートメーション株式会社 |
アドバイザー | 株式会社日建設計 住友林業フォレストサービス株式会社 福岡県 国立大学法人 九州大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 九州木材工業株式会社(法人番号:8290001047203) |
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事業内容 | 保存処理木材製造販売、電柱保守点検および伐採等委託業務 |
社員数 | 190 名 |
生産拠点 | 本社工場(福岡県) |
本社所在地 | 〒833-0041 福岡県筑後市大字和泉309-1 |
ホームページ | http://www.kyumoku.co.jp/ |
連絡先窓口 | 九州木材工業株式会社 製造グループリーダー兼新製品新技術研究開発チームリーダー 内倉清隆 |
メールアドレス | kmkk@kyumoku.co.jp |
電話番号 | 0942-53-2174 |
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