製造環境
スーパー低Noxを実現するボイラの研究開発
大阪府
株式会社ヒラカワ
2023年2月11日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 世界一の超低NOx・低CO2高運転効率を実現するAI運転制御機能付SDGs達成小型蒸気ボイラ(スーパー10JAFIボイラ)の研究開発 |
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基盤技術分野 | 製造環境 |
対象となる産業分野 | 産業機械 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(高運転効率)、環境配慮 |
キーワード | 超低NOx、高運転効率、小型蒸気ボイラ、SDGs |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 令和1年度~令和3年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
顧客からはNOx排出量が法規制値を大きく下回る高効率のボイラーが求められ、一部海外では国内以上に厳しいNOx排出量規制もある。そのため、世界一のNOx排出量10ppm以下を目指しながら、同時に低CO2化達成のため運転効率を98%と世界一のレベルまで高め、AIを用いた最適運転制御技術により達成する新小型蒸気ボイラーを開発する。これによりSDGs目標に合致させESG投資対象製品としての確立を目指す。
開発した技術のポイント
・水管なし大気開放試験機において、バーナの基本仕様、燃焼条件を確定するとともに、非燃焼場シミュレーションと流動可視化試験により、最適な水管配列を確定させた。
・水管付き大気開放試験機において、水管の最適な配列を確定させるとともに、燃焼場シミュレーションにより、詳細を確定させた。
・耐圧試験機(蒸発量2t/h相当)において、燃焼試験、耐久試験、性能試験を行なったところ、以下の目標を概ね達成できた。
‐燃焼後の排出NOx:目標値10ppmに対して14.1ppm(O2=0%換算)
‐最大最低燃焼量差:目標値10対1に対して、10対1の比率(ターンダウン比)
‐ボイラ運転効率:目標値98%に対して、102.9%(低位発熱量基準)
‐超低NOx、低CO2高運転効率という相反する運転を両立するための制御技術の確立
具体的な成果
・「超低NOx」技術の確立
‐製品化燃焼試験、性能試験、耐久性試験および非定常燃焼場シミュレーション結果により決定した設計基準に基づき、耐圧仕様の試験機を設計、製作し、耐圧試験機にて実施した燃焼試験により、NOx値14.1ppmを達成し、概ね目標値を達成することができた。
・「低CO2高運転効率」技術の確立
‐耐圧試験機により、目標性能の燃焼量可変幅確保10対1、ボイラ運転効率98%以上、CO2排出量8%以上減量を達成した。
‐耐久性試験に関して、新規開発ボイラにおける試験後のボイラ部材(水管試験片)の酸化劣化具合は、従来型ボイラと比較して組織の粗大化や、火炎接触部の高温の可能性はあるものの、高温腐食試験(Blank~350℃加熱)の組織と同等の結果を得た。
・「AI運転制御」技術の確立
‐吸気温度、吸気湿度、排ガス成分等をセンシングし、制御する技術を制御装置に組み込み、必要なセンサと共に試験機に装備し、環境試験装置ドライ空調システムにより、吸気温度と湿度を変動させての制御性能を検証し、ボイラ制御方法を確立した。
研究開発成果の利用シーン
派生技術として新たなボイラ開発に利用検討中
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
今後、地域熱供給会社やエネルギーサービス事業者、工場、病院、商業施設等のエンドユーザーに対し、事業化を展開していく。
提携可能な製品・サービス内容
製品製造
製品・サービスのPRポイント
世界一の超低NOx・低CO2高運転効率を実現するAI運転制御機能付の小型蒸気ボイラであり、社会全体の環境負荷低減、SDGs達成に貢献する。
今後の実用化・事業化の見通し
・地域熱供給会社
‐大・中規模の即納入ボイラからの入替を提案し、販売開始後の実績作りを目論む。
・エネルギーサービス事業者
・工場、病院、商業施設等のエンドユーザー
‐大規模施設の新築・回収を手がける大手設計事務所やスーパーゼネコンなどに対し、販売促進を進めていく。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ヒラカワ 滋賀事業所 |
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事業管理機関 | 公益財団法人滋賀県産業支援プラザ 連携推進部 プロジェクト管理室 |
研究等実施機関 | 学校法人関西大学 滋賀県東北部工業技術センター 滋賀県工業技術総合センター |
アドバイザー | 学校法人関西大学 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ヒラカワ(法人番号:6120001069538) |
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事業内容 | 各種蒸気ボイラ、温水ヒータ、および周辺機器の開発・製造・販売・メンテナンス |
社員数 | 295 名 |
生産拠点 | 滋賀事業所(滋賀県野洲市) 宮崎工場(宮崎県宮崎市) 海外(タイ)にも展開 |
本社所在地 | 〒531-0077 大阪府大阪市北区大淀北1丁目9番5号 |
ホームページ | http://www.hirakawag.co.jp/ |
連絡先窓口 | 株式会社ヒラカワ 技術統括 開発室長 島倉 聖 |
メールアドレス | k_simakura@hirakawag.co.jp |
電話番号 | 077-588-2455 |
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