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表面処理

クロムめっきを凌駕!耐久性に優れる溶射コーティング技術の実用化が視野に!

岡山県

倉敷ボーリング機工株式会社

2020年4月7日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 溶射プロセスに適応した合金設計とレーザ重畳ハイブリッド化による環境適合型高耐久性コーティングの開発
基盤技術分野 表面処理
対象となる産業分野 航空・宇宙、建築物・構造物、印刷・情報記録
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 平成22年度~平成24年度

プロジェクトの詳細

事業概要

硬質クロムめっきを代替・凌駕する高耐久性を有し、環境・資源的負荷も少ない溶射コーティング技術を開発する。鉄基耐食合金に活性元素(C、B、SI等)を添加すると酸素と優先的に反応し蒸発する現象を利用して『大気中で清浄な耐食合金皮膜を形成する技術』と、レーザを重畳して基材上での溶射皮膜の冷却速度を変化させ『析出硬化相の制御で耐摩耗皮膜を形成する技術』により、高耐久性コーティングを開発する。

開発した技術のポイント

硬質クロムめっきを代替・凌駕する高耐久性を有し、低コスト、環境負荷も少ない溶射コーティング技術を開発する

(新技術)
・液相精錬反応技術によって耐食性皮膜を形成する
・析出制御により、耐摩耗性皮膜を形成する技術を開発する

(新技術の特徴)
・耐食性発現成分の維持により、耐食性が向上、炭化物・ホウ化物の微細化によって、硬度の上昇を可能にした
・鉄基の高加工性と低コスト化の両立を可能にした

具体的な成果

・溶射用高耐食性皮膜の開発
‐高耐食溶射材料の合金設計におけるCrの酸化抑制効果について熱力学的検討を実施し、Si,Bを添加した合金の場合、Crの酸化を抑制することを確認した
‐ステンレス鋼にSi,Bを添加した溶射材で耐食性向上を確認した
‐新規設計合金皮膜の耐食性は、目標値を達成し、皮膜組織の均一性や耐隙間腐食性に特徴があることを把握した
・レーザー重畳ハイブリッド化による耐摩耗溶射技術の開発
‐レーザー重畳技術により耐摩耗性の向上に成功した
‐皮膜の溶融を確認した(レーザー集光φ5mmの場合)
・実用化に向けたレーザー重畳溶射成膜装置の開発
‐開発した耐食性合金を実機製品へ溶射を施工し、優れた耐食性を持つ皮膜の開発に成功した

研究開発成果の利用シーン

軽元素(B、C)を添加することで、皮膜の耐食性・耐摩耗性を飛躍的に向上させる業界初の溶射専用材料(皮膜の耐食性は、湿式環境で従来の倍以上に改善、機械部品の長寿命化に寄与、また、硬質クロムめっきの代替と高価なNi基合金、WC皮膜の代替として、環境・資源に優しく低コストでの提供が可能)

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・現時点では実用化に至る前段階であり、実用化や事業化に向け課題を明確に認識している
・事業化はサポイン事業終了後から2,3年後を予定している

製品・サービスのPRポイント

・高耐食性皮膜の形成が必要な産業分野への適用範囲が広がり、製品群の拡大に寄与
‐ステンレス鋼溶射皮膜に対して倍以上の耐食性と硬さの向上を同時に実現した
‐硬度の改善により、表面に擦り傷が付きにくく、光沢を長く維持することを可能にした
‐ステンレス鋼溶射皮膜の一般的な耐湿食用途で、更なる耐久性の要求に応えることが可能であり、皮膜を形成する製品群を拡大させることを可能にした
・低コストでの高耐食・耐摩耗性皮膜の形成が可能
‐Ni基合金皮膜、WCサーメット皮膜以上の優れた耐食性を有する皮膜の提供を可能にした
‐鉄基合金であるため、加工性が遙かに向上し、また、Ni、W元素フリーのため、資源の節約、低コスト化を可能にした
<PRポイント>
・従来のステンレス鋼皮膜と比較し、耐食性と表面性(光沢)が200%以上改善を実現する(湿式環境の場合)
・従来の高価な皮膜より高加工性・低コスト化を実現する(耐摩耗・耐食性を要求する場合)

今後の実用化・事業化の見通し

・耐食性溶射技術の開発
‐平成25年度には皮膜の高耐食メカニズムの解明を行い、平成27年度に実機試作品での品質安定性(材料、皮膜)を確認する予定である
・耐摩耗溶射技術の開発
‐平成26年度には耐食性の改善を行い、平成27年度には実機試作品での性能評価を実施する予定である

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 倉敷ボーリング機工株式会社 中央研究所
事業管理機関 公益財団法人岡山県産業振興財団
研究等実施機関 国立研究開発法人物質・材料研究機構
国立大学法人九州工業大学
岡山県工業技術センター
林電化工業株式会社

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 倉敷ボーリング機工株式会社
事業内容 溶射、精密機械加工
本社所在地 〒712-8052 岡山県倉敷市松江2丁目4番20号
ホームページ http://www.kbknet.co.jp
連絡先窓口 田尻亮人
メールアドレス info@kbknet.co.jp
電話番号 086-456-3877