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表面処理

電子機器・電子部品の腐食防止のため、高耐食性を実現するめっき技術を開発

三重県

旭鍍金株式会社

2020年3月23日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 高機能化に対応しためっき技術の開発
基盤技術分野 表面処理
対象となる産業分野 自動車、エレクトロニクス
産業分野でのニーズ対応 高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、低コスト化
キーワード 金めっき、耐食性、材料費削減
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 平成20年度~平成22年度

プロジェクトの詳細

事業概要

電子機器及び電子部品の小型化、高密度化により、そこに用いられる薄膜材料の微細化が進んでいる中で、腐食による接点の接触信頼性への影響が大きな問題となっている。本研究開発では、超薄めっきプロセスの革新を行うことで、あらゆる腐食性ガスに耐えうる高耐食性、低接圧での接触抵抗の安定化、熱履歴後のハンダ濡れ性の向上、耐熱性の向上などの高機能化を目指すとともに、省金化対応めっき技術を構築し、コストダウンを図る

開発した技術のポイント

微小接点部品が腐食するメカニズムを解明し、腐食性ガスに耐えうる超薄・高耐食性めっきのプロセスを開発
・接触部金めっき厚:0.05~0.1μm
・封孔処理なしでの耐食性確保(耐亜硫酸ガス性:96時間以上、耐硫化水素ガス性:96時間以上、耐塩水噴霧性:48時間以上)

(新技術の特徴)
・封孔処理なしで高耐熱性、高耐食性を付与
・バリアー効果によりニッケルの酸化が防止される。貴なニッケルめっき皮膜により、超薄・高耐食性を実現

具体的な成果

・防食メカニズムの解明
‐従来のニッケルめっきをイオウレスめっきに置き換え、リフローを想定した加熱処理により耐食性の向上が認められた
‐イオウレスニッケルを下地めっきとしたSn-Niめっきの加熱後の構造はほぼ純粋なNi3Sn2であり、ピンホール部分には腐食に対して強い酸化皮膜が形成され、優れた耐食性を示すと考えられる
・耐食性評価と信頼性評価
‐初期接触抵抗値、挿抜試験後の接触抵抗値、亜硫酸ガス試験後の接触抵抗値、硫化水素ガス試験後の接触抵抗値、塩水噴霧試験後の接触抵抗値ともに規格値の90mΩ以下という基準を満たした
・事業化の見通し
‐当初は携帯電話への適用を想定していたが、本技術は高い耐食性が要求される医療機器分野、環境分野などの他分野への適用も期待されており、本事業によってその適用可能性を見出せた
‐展示会への出品や学会等での技術講演を通じて技術を広めていく活動を実施。めっき資材サプライヤーとのロイヤリティ契約締結に至った

知財出願や広報活動等の状況

・出展:サーテック(H23.7)、メッセナゴヤ(H23.11)
・新聞:工業技術新聞(H23.9.30)
・発表:表面技術協会第124回講演大会(H23.9)

研究開発成果の利用シーン

電子機器部品におけるコネクタ等接点部品における金めっき。従来以上の耐食性を持たせ、さらにコストダウン30%を実現

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

サポイン補完研究期間に実用化は達成したが、事業化には至っていない。現状、引き合いもなく、事業化には厳しい状況である。

提携可能な製品・サービス内容

加工・組立・処理、技術ライセンス

製品・サービスのPRポイント

・低コスト化:従来の金めっき1.5μmと同等の耐食性が0.1μmで得られるためコストダウンが見込める
・耐食性向上:リフローを想定した熱履歴で耐食性が向上。腐食性ガスに対しても高い耐食性を持つ

今後の実用化・事業化の見通し

当初の開発からすでに10年以上経過し、当時と比較すると対象部品の金めっき厚も薄くなってきている状況である。
こういった状況において、わざわざ規格変更を実施して本研究技術に切り替えるメリットが低くなっており、ますます事業化には
厳しい状況である。

実用化・事業化にあたっての課題

現実的には金めっき厚の薄膜化が進んでいるため事業化は困難

事業化に向けた提携や連携の希望

金めっき厚が厚い規格の部品には採用の可能性があるが、川下企業様とのつながりが弱いため、新たに連携して取り組むことが難しい。
連携できる企業様が見つかれば希望がある。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 旭鍍金株式会社
事業管理機関 公益財団法人三重県産業支援センター
研究等実施機関 名古屋市工業研究所

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 旭鍍金株式会社(法人番号:7190001000049)
事業内容 電気めっきを中心とした表面処理加工業
社員数 85 名
生産拠点 三重県、群馬県、中国(広東省)
本社所在地 〒514-0303 三重県津市雲出長常町1201-8
ホームページ Http://www.asaHimekki.co.jp
連絡先窓口 製造技術部 技術開発課課長 明石隆文
メールアドレス akashi@asahimekki.co.jp
電話番号 059-234-9555