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精密加工

スラグ(鍛造素材)形状の最適化による冷間鍛造工程の省力化

宮崎県

株式会社ニチワ

2020年3月20日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 材料の流動解析によるスラグ形状及び金型形状の研究開発
基盤技術分野 精密加工
事業実施年度 平成19年度~平成20年度

プロジェクトの詳細

事業概要

現在、自動車用冷間鍛造製品(ギアなどの複雑な形状)の成形工程では、多段加工が行われているが、本研究開発ではスラグ(製品素材)の形状及び金型形状等をシミュレートすることにより、工程数を大幅に削減し、短納期化、低コスト化を図るとともに環境に配慮した技術の開発を行う

開発した技術のポイント

革新的なデジタル設計支援技術の導入により、複合ギアにおいては4工程から1工程に、ダブルギアにおいては6工程から2工程に鍛造工程を削減できた。その結果、金型の設計・製作工程は大幅に短縮、省力化されること、また今後、金型の維持管理費は大幅に削減されることなどが期待されている
(新技術)
<開発目標>
・塑性変形解析により、鍛造工程での金型に発生する最大応力等を調べ、スラグの最適形状を求める。その結果、鍛造工数を減少させて、ニアネットシェイプを目指し、金型と切削加工量の削減を実現する
・金型の削減により、設計製作工程の短縮、維持管理費の削減などの大幅なコスト削減を目指す
・鍛造工程の削減により、品質の高度化を実現できる

具体的な成果

開発した最適化されたスラグ形状による複合ギア及びダブルギアの成形部品は、以下のような特徴を有する。
複合ギアにおいて
・鍛造用金型の種類の削減(4種類→1種類)
・材料の重量の削減(10%減)
・金型製作及び維持管理費の削減
・寸法精度の向上(0.3mm→0.03mm)
ダブルギアにおいて
・鍛造用金型の種類の削減(6種類→2種類)
・金型製作及び維持管理費の削減
・寸法精度の向上

知財出願や広報活動等の状況

論文数:3件

実用化・事業化の状況

今後の実用化・事業化の見通し

・今後は展示会などを通して川下企業へマーケティング活動とPRを行い、ニーズを把握して市場拡大を図る(株式会社ニチワ)
・剛塑性変形解析などの技術及び手法を習得できたので、今後の金型設計などに応用し、設計工程の省力化に活用する(株式会社ニチワ)
・今後、さらに各種鍛造部品におけるスラグの最適形状を検討し、標準化モデルについて研究開発を進めたい

実用化・事業化にあたっての課題

新たな市場拡大を図るため、今回開発した金型設計技術などを活用することで、品質を高度化しつつ、低コスト化を実現することに取り組む必要がある。しかしながら、景気低迷により、受注が取れず苦しい状況にある

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社ニチワ
事業管理機関 公益財団法人宮崎県産業振興機構
研究等実施機関 宮崎県工業技術センター
国立大学法人宮崎大学
アドバイザー アイシン株式会社

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社ニチワ
本社所在地 宮崎県日南市上方1765番地