精密加工
厚板鍛造の高度シミュレーション技術を活かした工程設計手法により、コスト削減と時間短縮が可能に
福島県
林精器製造株式会社
2020年3月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 材料科学的なアプローチによる厚板鍛造の高度シミュレーション技術の確立 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | エレクトロニクス |
事業化状況 | 実用化間近 |
事業実施年度 | 平成23年度~平成25年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
川下企業のニーズとして、高級腕時計・携帯の複雑3次元形状の難削材部品に対しては、低コスト・短納期での製造が求められている。板鍛造は、熟練工の暗黙知に依存しており、これらのニーズに応えられていない。本開発は、結晶構造解析など内部組織情報と、制御自由度の高いサーボプレスを組合せた高度シミュレーション技術を開発し、厚板鍛造の最適成形プロセスを確立し、開発期間1/3、生産効率3倍、コスト1/3を実現する
開発した技術のポイント
材料科学的アプローチで得られた金属組織情報をフィードバックすることが可能な高度シミュレーション技術により、熟練工の暗黙知を可視化、定量化することで、科学的根拠に基づいた工程設計手法を確立する
(新技術)
金属組織情報をフィードバックすることが可能な高度シミュレーション技術により、熟練工の暗黙知を可視化、定量化する
(新技術の特徴)
開発期間1/3、生産効率3倍、コスト1/3を実現することが可能になる
具体的な成果
・成形時の割れ、しわ発生の防止等成形限界に基づいた成形技術の確立
‐成形品の内部情報を可視化した等
・金型への焼付き・かじりを防止した複雑形状の成形技術の開発
‐複雑形状成形加工高度シミュレーション技術を確立した等
・熟練工に頼らない工程設計技術の開発
‐従来プレス工程8工程を開発工程では5工程と減らす事ができた等
研究開発成果の利用シーン
・金属組織情報をフィードバックすることが可能な高度シミュレーション技術を活用したサービス
・科学的根拠に基づいた工程設計手法を活用したサービス
・腕時計等厚板鍛造製品への今まで実現できなかったQCDの提案
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・科学的な根拠データに基づいた工程設計が確立できた
・金型設計の量産開始までのリードタイム短縮により、短納期対応が可能になった
・高度シミュレーション技術の一部に3次元デジタイザも組み込むべきとの知見が得られた
・CAEについて解析精度向上のため、補完的な研究が必要である
製品・サービスのPRポイント
・成形回数の削減が製品の低コスト化に寄与
‐製品形状による工程(成形回数)削減検証結果は、従来プレス工程10工程を開発工程では6工程に、焼鈍工程については6回が3回に、ステンレスの製品形状では従来プレス工程8工程を開発工程では5工程と減らす事ができた
‐工程の削減が製品の低コスト化を可能にする
・金型設計の量産開始までのリードタイム短縮により、短納期対応が可能になり、ニーズの対応が迅速に
‐金型設計の量産開始までのリードタイムを25日間短縮することに成功した
‐リードタイムの短縮により、ニーズへの迅速な対応が可能になる
・複雑形状成形加工技術確立により経営状況が改善
‐金属組織解析、CAE解析による成形限界の定量化からデータベース構築ができ、科学的で正確な工程設計が可能となり、QCD改善、経営に貢献する
今後の実用化・事業化の見通し
・今後更にデータ蓄積、CAE解析・組織解析のフィードバックの高度化を継続的に推進する事により、高度シミュレーションを確立する予定である
・今後は厚板鍛造に加え、切削加工も含めた工程全体の(コスト・開発期間の)最適化を推進する
・切削加工分野への参入を予定している
・厚板鍛造後の表面処理(窒素固溶、めっき、アルマイト)による、耐傷性、耐食性、審美性など、表面特性付与技術への発展を予定している
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 林精器製造株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人郡山地域テクノポリス推進機構 |
研究等実施機関 | 国立大学法人茨城大学 工学部 福島県ハイテクプラザ |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 林精器製造株式会社 |
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事業内容 | 腕時計側(ウオッチケース)製造・電子機器部品製造・装飾機能めっき・省力機械設計製造 |
本社所在地 | 〒962-0001 福島県須賀川市森宿字向日向45番地 |
ホームページ | http://www.hayashiseiki.co.jp/ |
連絡先窓口 | 経営統括部 商品開発G 大沼孝 |
メールアドレス | t.oonuma@hayashiseiki.co.jp |
電話番号 | 0248-75-3151 |
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