情報処理
人間とロボットが共存する作業環境の安全を守る新たな危険感知・回避システム
兵庫県
株式会社シンクチューブ
2020年3月20日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 高度通信サービス技術とリアルタイム映像解析技術を用いた産業用ロボット向け機能安全システム機構の開発 |
---|---|
基盤技術分野 | 情報処理 |
対象となる産業分野 | ロボット |
事業実施年度 | 平成19年度~平成21年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
産業用ロボットの安全は、従来人間の動作領域と機械的に分けることで保証されていたが、今後は共存環境での安全システムが求められる。1進入・存在検知能力高度化を目的としたリアルタイム映像センシング技術の開発、2進入・存在検知能力高度化を目的としたロボット間高度通信サービス昨日の開発を行い、高度化されたロボット生産システムニーズに対応した技術を獲得する
開発した技術のポイント
リアルタイム映像センシングとロボット間高度通信を活用し、安全システムを構築
・ロボットアームと作業員が約0.5m以内の近接状態になる状況を認識・検知し、ロボットの稼働を停止させる
・伝送遅延35ミリ秒以内の高速無線通信カメラモジュール
・解析処理時間40ミリ秒以内、複数作業者を検知3次元映像解析システム
・ロボット間通信を行い、作業者検知情報を共有するするマルチキャスト通信
(新技術)
人とロボットの協調作業実現
【特徴】
1.リアルタイム映像解析処理による3次元検知(作業者とロボットアームの接触リスク判定)
・ 従来は1次元、2次元進入検知
2.新たな高度安全機能を実現
・ 動作情報に基づく危険予知機能
・ 複数作業者の識別
3.製造空間全体の安全性向上に貢献
・ 複数ロボットにおける安全情報共有
具体的な成果
・超高速無線伝送機能を有する小型カメラモジュールを開発
-超高速無線伝送を可能とする、UWB無線を活用した小型カメラモジュールを設計・試作
-このカメラモジュールから送信されるデータを受信する機器・ソフトウェアを開発(受信機と複数のカメラモジュールによる1対nのUWB無線伝送を実証)
・映像解析(追跡)、安全認識のためのプログラムを開発
-大容量のリアルタイム映像データを受信し、ロボット周辺における作業者の存在検知を行う映像解析プログラムを開発
-ロボットアームの移動予測情報と映像データから得た作業者位置情報を活用した衝突リスク予測機能(iVSF機能)を開発し、映像追跡アルゴリズムを改良
-産業用ロボットを使用した実験で、本方式の有効性を実証
・衝突回避支援機能を複数ロボット間で共有するための通信機能の開発
-ロボット間で各種情報を共有するための高信頼性マルチキャスト通信機構ミドルウェアを開発
-サーバー等の障害時に、サーバーを使用しないm2m通信に一時的にモード移行する機能のプロトタイプを開発
知財出願や広報活動等の状況
特許出願:「産業用ロボットの安全制御装置」(特願2008-297767)
研究開発成果の利用シーン
人間とロボットが共存する作業環境に対し、カメラ等複数台のセンサにより人間とロボットの動作を解析し、危険を検知するシステムを導入することにより、作業効率を確保しながら十分な安全性を保持する
実用化・事業化の状況
今後の実用化・事業化の見通し
ロボット市場、FAシステム市場における 事業化に向け、補完研究を展開中
・現在、補完研究を展開中(ロボットの危険認識 領域の最小化技術の開発、1対n通信の多数化 と信頼性向上技術の開発、作業員の高精度認 識技術の開発等)
・平成23年度頃の事業化に向け、ロボットメー カー、FAシステムインテグレータ等へデモビデ オ等を活用し訴求していく
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社シンクチューブ |
---|---|
事業管理機関 | 公益財団法人新産業創造研究機構 |
研究等実施機関 | 公益財団法人新産業創造研究機構 株式会社日本ジー・アイ・ティー 国立大学法人神戸大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社シンクチューブ |
---|---|
本社所在地 | 兵庫県神戸市東灘区向洋町中6-9 |
研究開発された技術を探す