表面処理
複雑形状難めっき材料への六価クロムフリーメタライジング方の開発
愛知県
東洋理工株式会社
2020年4月14日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 複雑形状難めっき材料への六価クロムフリーメタライジング法の開発 |
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基盤技術分野 | 表面処理 |
対象となる産業分野 | 情報通信、スマート家電 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(小型化・軽量化)、環境配慮 |
キーワード | 難めっき材料、分子接合剤、六価クロムフリー、めっき、液晶樹脂 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成27年度~平成29年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
携帯電話やパーソナルコンピュータ、各種タブレット端末に代表される電子機器の軽薄短小化の為には、それら電子機器の電子基板等のコア部品について、性能を維持しつつ構造や仕様の最適化を行う必要がある。本事業ではトリアジンチオールによる分子接着接合等を技術シーズとした、六価クロムフリーの環境調和型めっき技術を確立し難めっき高機能材料の電子機器コア部品に応用する事で、電子機器の高性能化と軽薄短小化を両立する
開発した技術のポイント
以下の5点が目標である
(1)整面技術の開発、(2)樹脂基板上へのめっき種の導入、(3)無電解めっき技術の確立、(4)評価技術の確立、(5)量産技術の確立
(新技術)
TESによる分子接着接合を技術シーズとした、既存材料よりも電気特性が優れるLCPやPPをターゲットとした環境調和型機能めっき法
(新技術のポイント)
・金属皮膜の平滑性に優れる。
・有害な六価クロムを使用しない
・難めっき材料にめっき形成が可能
具体的な成果
整面技術の開発
・圧着密度、耐熱フロー試験、冷熱衝撃試験の結果は、すべて技術的目標値をクリアした。(達成率100%)
‐樹脂基板上へのめっき種の導入
複雑形状物へのめっき未着なし(達成率100%)
‐無電解めっき技術の確立
Pd濃度70ppm以下、UV照射箇所のみ選択的にめっきが析出した。(達成率100%)
‐評価技術の確立
各工程で使用する薬品の定量分析法を確立し、めっき皮膜形成に必要なTES導入量を数値化した。(達成率100%)
‐量産技術の開発
テストライン耐用性(100cycle以上)を試験中(達成率50%)
知財出願や広報活動等の状況
プロジェクト成果技術により作製したメタライジングされた複雑形状難めっき材料は、自動車向けあるいは他業種向け展示会で出展PRを実施している。それら展示会やインターネット上に掲載された本プロジェクトの報告書から成果技術に関する問い合わせが年数件あった。
研究開発成果の利用シーン
開発した金属皮膜付き高機能性プラスチックは液晶樹脂のように高い電気特性を有する材料に、電気的なノイズに対し高いバリア性をほこる機能性を付与する事が可能である。主な用途としては電界シールド付きコネクターやミリ波レーダー向けノイズシールド等が挙げられる。また、めっき処理が困難、あるいは不可能とされる高電気特性を有する材料に対してもめっき処理が可能となるため、第5世代移動通信システム(5G)で需要が高まっている低電気損失基板への活用も期待できる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
六価クロムを使用しない分子接合剤を利用しためっき前処理技術を確立し、現在は5G等の高周波基板や自動車用ミリ波レーダー向けの高電気特性を有する難めっき材料について事業化に向けた取組中となる。高電気特性を有する材料に対しめっき処理を行い新しい機能性を付与する事で前述の次世代電子基板に関わるニーズに対応していく。
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造、製品製造、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
・環境や人体に有害な六価クロムを使用しないめっき技術
‐製品製造プロセスに環境負荷物質を使用しない
‐TESによる選択的部分めっき法をもちれば、通常めっき加工が出来ない高性能樹脂基板上に平滑性に優れる電気回路や電磁波シールドを付与でき、性能の向上が見込める
今後の実用化・事業化の見通し
・テストライン耐用性のみが残された技術課題であり、実用化・事業化は1~2年先と期待できる
・高い電気特性を持つ難めっき材料にも対応可能なため、高周波基板向けの機能めっき製品への適応が期待できる
実用化・事業化にあたっての課題
従来にないプロセスおよび機構により樹脂基板とめっき金属皮膜とを接合する技術であることから
事業化に向けた提携や連携の希望
高周波基板に関係するメーカー等への売り込み・連携が必須となる
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 東洋理工株式会社 技術開発室 |
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事業管理機関 | 公益財団法人名古屋産業科学研究所 中部TLO |
研究等実施機関 | 株式会社いおう化学研究所 名古屋市工業研究所 材料技術部 金属表面技術研究室 国立大学法人岩手大学 工学部応用化学・生命工学科 |
アドバイザー | アルプス電気株式会社 技術本部 材料技術部第2G トヨタ自動車株式会社 先端材料技術部 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 東洋理工株式会社(法人番号:1180301013137) |
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事業内容 | プラスチック製品の製造販売(自動車部品(四輪外装品)、自動車部品(四輪内装品)、モーターサイクル部品、水廻り機器他) |
社員数 | 198 名 |
本社所在地 | 〒444-1193 愛知県安城市藤井町南山178番地 |
ホームページ | http:/www.toyoriko.co.jp/ |
連絡先窓口 | 技術開発室チームリーダー 原田旭大 |
メールアドレス | a_harada@toyoriko.co.jp |
電話番号 | 0566-99-1512 |
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