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研究開発された技術紹介

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表面処理

耐熱性・耐久性2倍以上の廃棄物発電ボイラー管用表面処理技術の開発

福岡県

株式会社フジコー

2020年3月24日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 廃棄物発電用ボイラー管の耐熱・耐食性を向上させる摩擦熱を利用した溶接技術に関する研究開発
基盤技術分野 表面処理
対象となる産業分野 環境・エネルギー、建築物・構造物
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、環境配慮
キーワード 摩擦肉盛、表面処理、ボイラー管、耐食性、長寿命化
事業化状況 研究実施中
事業実施年度 平成19年度~平成21年度

プロジェクトの詳細

事業概要

廃棄物発電用ボイラー管の耐熱・耐食性を向上させるために、一般的にNi基合金材の表面処理が行われている。表面処理は、Ni基合金丸棒を回転させ基材に接触させ、摩擦熱を発生する事により固相反応して圧着させる摩擦肉盛法で行う。この摩擦肉盛溶接法は、従来表面処理法に比較しNi基合金材との希釈が少なく、剥離も少なくなり、Ni基合金材の性質を十分に生かすことができる。

開発した技術のポイント

摩擦肉盛により、発電効率向上と補修頻度減少をもたらすボイラー管表面処理法を開発
・発電効率:従来型表面処理法対比で、発電効率を5%以上アップ
・耐久性(ボイラー管の補修頻度):従来型表面処理法対比で、2倍以上

具体的な成果

緻密な組織が得られる摩擦肉盛溶接法の開発
・東北大の材料科学的な知見と、産総研の耐食性評価の知見を活用し、ボイラー管への摩擦肉盛表面処理法を開発
・表面処理自体の材料を所定圧力下で回転させ、その摩擦熱を利用した表面処理方法
・表面処理対象材料自体を溶かさず(希釈しない)、かつ表面処理材と表面処理対象材料の拡散接合により密着性の優れた表面処理層を形成させることが可能
京都議定書における日本の課題をすべて解決できるという画期的な解決手法
・高温燃焼への耐食性を2倍以上向上。発電効率を向上するためには、ボイラー管内蒸気温度を上げる必要がある。蒸気温度を上げるため、燃焼温度を上げる必要があるが、それに伴い腐食環境が厳しくなる。発電効率を2倍以上アップするには、ボイラー管の耐食性を向上することが必要
・寿命を従来の2倍とすることが可能となり、ボイラーのランニングコスト低減に寄与するとともに、補修のための停機期間の短縮も可能に
・耐高温腐食性を2倍以上向上できれば京都議定書で日本の課題となった問題をすべて解決できるという画期的な解決手法となり、その水準までの目処が立ちつつある
・この摩擦肉盛法は世界中にフジコー一社しかノウハウを持っておらず、世界初日本発の環境対策工法として世に問える成果に

摩擦肉盛装置
ボイラー管への摩擦肉盛
知財出願や広報活動等の状況

・「複合金属管の摩擦肉盛方法及び摩擦肉盛により形成した複合金属管」(特願2009-93263、特許第5529434号)

研究開発成果の利用シーン

廃棄物発電ボイラー用鋼管の耐熱・耐食性向上を実現する表面処理技術の導入を通じて、発電効率の飛躍的向上と補修頻度低減によるランニングコスト削減の両立を図る

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

小径ボイラー管へNi基合金の摩擦肉盛を実施し、従来の溶接肉盛による表面処理よりも優れた耐食性が確認された。ただし、長尺である小径ボイラー管の全面への摩擦肉盛が課題であり、施工方法の確立に取り組んでいる。

提携可能な製品・サービス内容

素材・部品製造

製品・サービスのPRポイント

摩擦肉盛による表面処理では、従来の肉盛溶接での表面処理よりも緻密で微細なミクロ組織を有し、非常に優れた耐食性を示す。摩擦肉盛を廃棄物発電ボイラー用鋼管へ適用する事で、従来の2倍の耐久性が可能となる。

今後の実用化・事業化の見通し

・市場の9割以上を占める小径管への摩擦肉盛溶接・曲げ加工技術を開発中
・実用的な長尺小径管への全面摩擦肉盛の施工技術を開発中
・上記課題を解決し、早期の事業化を目指して生産・販売体制を整備し、販路開拓を狙う

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社フジコー
事業管理機関 公益財団法人北九州産業学術推進機構
研究等実施機関 国立大学法人東北大学
国立研究開発法人産業技術総合研究所

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社フジコー(法人番号:4290801003292)
事業内容 複合製品製造・販売、溶接材料の製造・販売、機械加工、プラントエンジニアリング、製鉄作業・メンテナンス
社員数 830 名
本社所在地 〒804-0011 福岡県北九州市戸畑区中原西2丁目18-12
ホームページ http://www.kfjc.co.jp
連絡先窓口 技術開発センター
メールアドレス a-sonoda.fujico@kfjc.co.jp
電話番号 093-701-4500