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研究開発された技術紹介

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情報処理

トラクタなど農機の運転アシストや自動走行に必要な、高精度で安価な航法センサ(位置・姿勢・方位・センサ)

大阪府

長田電機株式会社

2020年4月12日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 小型・低消費電力・高精度で安価な農機用航法センサの研究開発
基盤技術分野 情報処理
対象となる産業分野 ロボット、農業、産業機械、情報通信
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、低コスト化
キーワード RTK、GNSSコンパス、GPSガイダンス、自動運転、航法センサー
事業化状況 事業化に成功
事業実施年度 平成25年度~平成27年度

プロジェクトの詳細

事業概要

農業人口の減少やTPP対応等のために、農業の効率化・省人化・ロボット化技術の開発が急がれており、トラクタなど農機の運転アシストや自動走行に必要な、高精度で安価な航法センサ(位置・姿勢・方位・センサ)の商品化が要望されているので、RTK-GPSとIMUの統合航法技術により、既存の航法センサと機能・性能は同等でありながら、コストを既存製品の1/10以下にした、高精度な農業用航法センサの研究開発を行う

開発した技術のポイント

トラクタなど農機の運転アシストや自動走行に必要な、高精度で安価な航法センサ(位置・姿勢・方位・センサ)
(新技術)
1周波受信方式(L1のみ)とIMUの統合航法によるRTK航法センサ
(新技術の特徴)
従来のRTK測位演算は、パソコンレベルのハード、ソフト処理が必要であったが、ハードウェア、ソフトウェアの簡略化を行い、ワンチップ・マイコンのプリント基板レベルでの商品化を実現 →大幅なコストダウン
従来のGNSSアンテナ、GNSS受信機、無線機の3ユニット構成のGNSS航法センサーが、アンテナと無線機を内蔵した、オールインワン構成のRTK航法センサーの商品化。
GNSSの2アンテナ方式、3アンテナ方式の方位・姿勢角センサー

具体的な成果

・GNSSのみによる測位更新周期では、演算速度を向上させることにより5Hz更新を実現し、さらにIMUとの統合航法、GPSコンパス対応の開発、測位精度及び初期化時間の改善を実現した
・高性能なCPUチップ新製品の採用などにより演算速度向上、CPU基板サイズの小型化、コストダウンを実現した
・ハードウェアはGNSS(GPS、QZSS、GLONASS)のL1信号に対応したことにより、IMU(加速度、角速度センサー)のキャリブレーションが可能となるとともに、IMUによる位置推定アルゴリズムの開発評価を行った
・GNSSコンパスの方位・姿勢角検出のソフトウェアを作成し、アルゴリズムを検証した結果、開発したアルゴリズムによる姿勢推定が妥当に行われていることが確認できた
・IMUとGNSSの統合航法については、評価装置を構築し、圃場などにおいて評価試験を行い、また、開発した航法センサ試作機を使ってトラクタの自動走行試験を実施した

・移動体向けRTK-GNSS航法センサの技術を応用した、地盤変位連続計測システムを商品化し、NEXCO殿高速道路のり面などに設置し、地盤変位の連続モニタリングを実施中。

知財出願や広報活動等の状況

関西地域の展示会(尼崎産業フェアなど)に出展

研究開発成果の利用シーン

・農機用航法センサ(トラクタ用GPSガイダンス、たまねぎ収穫機の運転アシスト)
・産業用移動体向け航法センサ・姿勢角センサ(ドローン用航法センサ)
・固定点(地盤など)の連続変位観測システム(NEXCO高速道路のり面変位観測)
・3次元の距離・方位センサ(簡易測量機)

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

事業化の第一段階として、RTK-GNSS航法センサの技術を応用した、地盤変位連続監視システムを事業化し、主に、NEXCO殿関連へ販売中。
第二段階として、産業用移動体(農業用トラクタ・フォークリフト、建機用ショベルカーなど)を大学研究機関や製鉄所などに評価用として販売を開始した。

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、製品製造、共同研究・共同開発、技術コンサルティング

製品・サービスのPRポイント

・1周波RTK-GNSS航法センサなので、従来商品より価格を1/10以下に大幅コストダウン
・RTK-GPS測位の初期化時間1分以内
・基準局補正データの無線伝送は、920MHz特定小電力無線で、見通し距離最大2kmまで伝送し、無線の免許、通信料は不要。
・位置精度2cm、高さ精度4cm、速度精度0.01m/sec
・地盤連続変位監視システムでは、平均化処理により、位置精度2mm、高さ精度4mm
・消費電力0.7W以下
・統合航法とGNSSコンパスの導入で、姿勢角精度1deg、データ更新レート50Hz以上

今後の実用化・事業化の見通し

・基準局からの補正情報の取得安定性、衛星電波のマルチパス処理などの対策及び改善が必要である
・本研究のアドバイザーであるヤンマーをはじめとする農機メーカーに対して、機器仕様の提案を行い商品化する
・各農機メーカーのトラクタ、田植え機、コンバイン、芝刈り機等に装備して販売することを目指す
・産業用移動体向け航法センサ、固定点の連続変位観測システム、3次元の距離・方位センサなどの開発を順次進めていく
・北海道地区ではRTK基準局の共同運用の要望があり、基準局情報の伝送距離拡大対策が必要である

実用化・事業化にあたっての課題

販売・営業体制の確立、および、設置工事や保守の全国展開のための、サービス体制の確立

事業化に向けた提携や連携の希望

課題(販売・営業体制の確立、および、設置工事や保守の全国展開のための、サービス体制の確立)解決策として、販売会社や工事サービス会社などとの提携を希望

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 長田電機株式会社
事業管理機関 公益財団法人新産業創造研究機構
研究等実施機関 国立大学法人神戸大学 深尾隆則准教授(現立命館大学教授)
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構畜産研究部門 村上則幸研究員(現芽室研究拠点領域長)
アドバイザー ・ヤンマー株式会社 中央研究所・兵庫県立農林水産技術総合センター

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 長田電機株式会社(法人番号:1209-01-024949)
事業内容 産業用電子機器製造販売
社員数 45 名
生産拠点 長田電機株式会社 本社(豊中市)
本社所在地 〒561-0827 大阪府豊中市大黒町1丁目3番22号
ホームページ http://www.nemco.co.jp
連絡先窓口 平松裕次
メールアドレス y-hiramatu@nemco.co.jp
電話番号 06-6332-7801