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バイオ

発酵乳製品副産物ホエーで、生体機能全体を改善する人工唾液の作製に成功!

徳島県

株式会社アプロサイエンス

2021年2月19日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 発酵乳製品副産物ホエーの機能成分を活用した高齢者用人工唾液の開発
基盤技術分野 バイオ
対象となる産業分野 医療・健康・介護
キーワード 人工唾液
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 平成23年度~平成24年度

プロジェクトの詳細

事業概要

高齢になると唾液分泌が低下して口腔内機能の恒常化が保てなくなり、嚥下障害などが生じやすくなるが、現状の人工唾液は医薬品であり、処方箋がないと入手できない。我々は、発酵乳製品の副産物であるホエーが、唾液に必要な生理活性のある成分を含んでいることを既に解明しており、当該研究にて、この成分の活性を保持した人工唾液の製造技術を確立し、食品・飲料として補給できる新規人工唾液の商品化に向けた試作品を開発する

開発した技術のポイント

余剰物質除去法の確立、液状および粉末ホエーの殺菌方法の検討、ホエー粉末化の検討、新規人工唾液の機能性の評価、飲料としての試作品作製を行う
(新技術)
・余剰物質除去技術を用いる
・ホエーを炭酸ガス殺菌する
・低温の噴霧乾燥法でホエーを粉末化する
(新技術の特徴)
・ホエーの生理活性を維持したまま余剰成分を除去する
・熱処理と異なり、蛋白質を損なわず殺菌する
・溶解性に優れた粉末を大量生産可能である

具体的な成果

・余剰物質除去法の確立
-人工唾液として不要な成分を生理活性を保持したまま除去する方法
-蛋白質、脂質の除去については、工業スケールで処理工程を検討、条件を確立した
・ホエー粉末化方法の確立
-大量生産が可能な噴霧乾燥法を適用した
-溶解性、生理活性保持の指標をクリアした
-当初予定していた酵素以外の酵素活性の維持を実現した
・液状・粉末ホエー殺菌方法の確立
-製造直後40~50℃のホエーを炭酸ガス殺菌後冷蔵保管で無菌状態になることが判明した

研究開発成果の利用シーン

ホエーを用いた高齢者用人工唾液

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・単なる美味しく口を潤す食品ではなく、さらに付加価値の高い、実施例を伴った説得力のある健康補助食品に仕上げたいと考えているが、人員配置等の問題から、事業開拓が停滞している。

提携可能な製品・サービス内容

製品製造

製品・サービスのPRポイント

・溶解性に優れ、様々なからだの機能改善に貢献する高機能な粉末化人工唾液
-大量生産が可能な噴霧乾燥法でホエーを粉末化しており、含水率が5%以下で、溶解性に優れている
-当初生理活性保持の指標としていたペルオキシダーゼ活性(抗菌活性)以外の酵素活性等も目標を大きく上回り活性を維持可能である
-ラットによる実験から、本飲料の飲用により、組織萎縮阻止作用・抗菌作用・粘膜保護作用・免疫賦活作用が生体内で発現していることが判明し、「嚥下の補助」のみでなく「唾液腺等の生体機能の向上」にも貢献する
-保湿作用の高い成分を豊富に含んだ粉末飲料を作製することができており、継続飲用によるからだの機能改善にも有用である・飲みやすい味付けで手軽に摂取可能-梅味に味付けした試作品は概ね好評である
-当初想定していた「手軽にさっと溶かせて美味しい飲み物」にかなり近づき、実際に高齢者の方にも好評である

今後の実用化・事業化の見通し

・継続飲用による生体機能の改善が判明したが、今後どの物質が機能しているのか解明することで、さらに優れた製品(医薬品等)の開発が期待できる
・年間産出量の割に人工唾液製造に有効利用できるホエーが少ないため、今後商流や原料調達も含め検討の余地がある
・製品の販売ルートは、健康食品としてのウェブ販売、介護食品として老人介護施設への販売を検討中である

実用化・事業化にあたっての課題

人員

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社アプロサイエンス バイオ事業部
事業管理機関 一般財団法人四国産業・技術振興センター
研究等実施機関 池田薬草株式会社
国立大学法人徳島大学
国立大学法人香川大学
国立研究開発法人産業技術総合研究所
国立大学法人岐阜大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社アプロサイエンス(法人番号:3480001004908)
事業内容 受託分析サービス、研究用試薬開発・販売基礎化粧品の開発・販売
社員数 29 名
本社所在地 〒771-0360 徳島県鳴門市瀬戸町明神字板屋島124-4
ホームページ http://www.aprosci.com/
連絡先窓口 バイオ事業部
メールアドレス info@aprosci.com
電話番号 088-683-7211