バイオ
アレルギー誘発物質を排除した味噌で食の安全・安心を推進
広島県
株式会社ますやみそ
2020年3月20日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 食の安全・安心を実現化する味噌用酵母培養技術の開発 |
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基盤技術分野 | バイオ |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、食品 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(信頼性・安全性向上) |
キーワード | 味噌、酵母、アレルギー |
事業実施年度 | 平成19年度~平成20年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
味噌用酵母の培養において、食の安全・安心に対する消費者の強い志向や、それを反映できる商品の訴求と販売展開を推進する小売業者の要請に対応できる実用化技術を開発する。すなわち、培養基材として「食物アレルギーを誘発する特定原材料」や「GMO穀物の混入が懸念される材料」を一切使用することなく高活性酵母を収率良く培養する。又、培養中に発生する泡は消泡剤に代えて、物理的手段で消泡する
開発した技術のポイント
特定原材料を排除した味噌用酵母培養技術は基本部分が確立され、安全・安心の実現化に向かって、次の成果が得られた。
・味噌醸造用酵母3株を選定し、培養液を工場規模で仕込み試験を行った結果、いずれも優れた醸造性能を有することが検証できた。
・超音波による物理的消泡技術と撒気菅を介した通気を組み合わせ、実用上、支障のないレベルに泡の発生を抑制した。
・試験培養において、特定原材料を一切含まない純正米味噌抽出液及び米麹消化液を主基材としても酵母の増殖に支障を与えないことを確認した。
・培養した酵母は目標を上回る菌体密度で、98%以上の生存率を確認した。
(新技術)
<開発目標>
・特定原材料(小麦)代替の培養基材の開発(純正味噌)
・新たな副培養基材の開発(米麹消化液に置き換え)
・物理的消泡技術(超音波)の開発
・必要溶存酸素量の適正制御(ミクロバブル技術を採用)
・独自に優良酵母を検索・選定(競争力のある高品質製品開発)
具体的な成果
・味噌用酵母の培養に関して、発症例が特に多いアレルギー原因物質である小麦を一切含まない系で、これまで以上の高菌体密度・高活性の培養液を実用規模で得る技術を開発した。
・その際、消泡は薬剤によらない物理的方法を採用するとともに、粉末ブドウ糖を米麹消化物に置き換えた。
・本技術は味噌の発酵・熟成を効率化するとともに食の安全・安心を訴求する消費者の要望に対応する。
実用化・事業化の状況
提携可能な製品・サービス内容
製品製造
今後の実用化・事業化の見通し
・広島型味噌(高麹歩合でやや塩分控えめ)の醸造に適合する酵母の検索・育種及び実用化技術を確立し、地域特性を支持する消費者に高級化製品を提供する。
・その際、酵母の培養においては、培養基材から特定原材料やGMO*穀物の混入懸念材料及び食品添加物を一切排除したことを明確にし、アレルギー体質の消費者には安全・安心を販売業者にはこだわりのある高級品であることを担保する。
・販売戦略として、拡大し続ける機能性(健康)食品市場も視野に入れた積極的な展開を行う。
*注)GMO:遺伝子組み替え農産物、Genetically Modified Organismの略
実用化・事業化にあたっての課題
・味噌用酵母の培養に関して、物理的消泡(減泡)技術に検討を加える。
・実規模での添加仕込みを継続し、味噌醸造の効率化を図る。
・味噌の差別化が達成できる酵母を検索・育種する。
・これらは広島国際学院大学及び広島県立総合技術研究所食品工業技術センターの助言と協力を得て推進する。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ますやみそ |
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事業管理機関 | 公益財団法人ひろしま産業振興機構 |
研究等実施機関 | 株式会社濱田製作所 学校法人広島国際学院大学 広島県立総合技術研究所 |
アドバイザー | 株式会社スーパーふじおか |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ますやみそ(法人番号:9240001026557) |
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事業内容 | みそ、調理みそ、調味食品、甘酒、こうじなどの製造・販売 |
生産拠点 | 東広島工場、焼山工場 |
本社所在地 | 〒737-0811 広島県呉市西中央3丁目7番40号 |
ホームページ | http://masuyamiso.net/ |
連絡先窓口 | 川野 一之 |
メールアドレス | yakeyama-k2@aria.ocn.ne.jp |
電話番号 | 0823-30-1000 |
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