バイオ
長い潜伏期間を持つ難病の解明と予防へのアプローチ
北海道
有限会社A-HITBio
2020年3月21日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 生体内微量物質GGPLⅢの発酵生産法および高純度化法の開発 |
---|---|
基盤技術分野 | バイオ |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上) |
キーワード | GGPLⅢ、関節リュウマチ症、発酵 |
事業化状況 | 研究中止または停滞中 |
事業実施年度 | 平成18年度~平成20年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
発酵工業に関して、関節リュウマチ症に対する『ワクチン』および『診断薬』の原料となるGGPLⅢ(糖リン脂質)を微生物によって発酵生産し、さらに高純度品を生産する技術の確立を目指し、発酵生産されるGGPLⅢを川下企業である医薬企業および診断薬企業への販売を目的としている
開発した技術のポイント
研究の最終目標は、GGPLⅢの微生物酵素による生産だったが、最終段階までには至らなかった。しかし、GGPLⅠの酵素生産には成功し、特許を出願した。(特願2008-235783)使用目的から見ると、GGPLⅠでも目的の産業利用が可能である。即ち、マイコプラズマ感染症による疾病の予見のための診断薬やワクチン生産のための原料となりうるからである。抗GGPLⅠ抗体の存在が患者で調査されており可能性は高い。同等か、あるいは抗原としてどちらが有効かなどの比較は、数値化されてはいない。
(新技術)
・マイコプラズマ
・ゲノム解析
・異種ホストによる発現
・両親媒性物質の発酵生産
・糖リン脂質の高純度化技術
<開発目標>
・安価にできる
・量産化できる
・高純度化できる
具体的な成果
GGPLの合成に関与すると考えられた遺伝子のうち4種類をクローニングし、そのDNA断片を改変し大腸菌で発現させて酵素反応を行った結果、GGPLの生合成に関与する酵素を2つ発見した。GGPL類にはⅠからⅢまでの種類があるが、先述の酵素を働かせてGGPLⅠを世界で初めて酵素合成することに成功した。
A-Hitbioは、社長高齢のため活動を終了した。北海道ティー・エル・オー株式会社は北海道大学に吸収された。
エムバイオテックは、2012年に中小機構千葉大亥鼻インキュベーションプラザに移設し、マイコプラズマ症に関する研究を続けている。商品としては、マイコプラズマ脂質抗原検査に関する抗原とノウハウ提供で260万円の売り上げを得た(2018年度)。
知財出願や広報活動等の状況
特許出願数:1件、論文数:4件
研究開発成果の利用シーン
関節リュウマチ症に対する『ワクチン』および『診断薬』の原料
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
最終目標は、GGPLⅢの微生物酵素による生産だったが、最終段階までには至らなかった。しかし、GGPLⅠの酵素生産には成功し、特許を出願した。(特願2008-235783)
提携可能な製品・サービス内容
製品製造、試験・分析・評価
製品・サービスのPRポイント
マイコプラズマ症に関する検出技術および検査キットの開発
今後の実用化・事業化の見通し
・GGPLⅠの製造法についての特許を出願した。特許の権利化を進めるとともに事業化への課題の解決も進める。
・GGPLⅠの生合成には成功し、この化合物での応用の道の整備を行う
実用化・事業化にあたっての課題
酵素を用いてGGPLⅠの合成に成功したが、さらに反応性を向上させて、反応収率を上げることがコストダウンに繋がる。これには、新たな技術が生まれる可能性も見えている。
GGPLⅢの合成のために生合成系遺伝子の発見も必要である。
従来のホモログの検索ではない新規の考え方が必要であり、試行中である。一方、抗マイコプラズマ抗原と自己免疫との差別が不良となって発症する自己免疫性の疾患において、川下企業は、まず診断法としての保険点数化、そして、治験へとの希望であった。
川下ユーザーのニーズを明確にするためには、前述した病気とマイコプラズマ・ファーメンタンスの感染との因果関係の明確化の推進が必要である。そのためには、本課題で進めている脂質物質を用いた検査キットの開発が、近い目標となっており、物質生産を推進する。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 有限会社A-HITBio |
---|---|
事業管理機関 | 北海道ティー・エル・オー株式会社 |
研究等実施機関 | 国立大学法人北海道大学 大学院農学研究院 エムバイオテック株式会社 国立大学法人岩手大学 農学部獣医微生物学 公益財団法人北海道科学技術総合振興センターコラボほっかいどう |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 有限会社A-HITBio |
---|---|
本社所在地 | 〒060-0042 北海道札幌市中央区大通西5-8 |
連絡先窓口 | 代表:冨田房男 |
メールアドレス | yrl05042@nifty.com |
電話番号 | 090-8634-2496 |
研究開発された技術を探す