立体造形
鋳鋼業界全体の国際競争力の向上が実現!
東京都
コトブキ技研工業株式会社
2020年3月17日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 革新的鋳鋼製造技術の開発とその実証 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 産業機械 |
産業分野でのニーズ対応 | 高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加)、高効率化(ベルマウスなどの船舶装備機器の中・大型鋳鋼品の生産技術の抜本的改革~木型による鋳造法案からフルモールド法への抜本的技術転換(革新))、低コスト化 |
キーワード | フルモールド鋳造、消失模型、溶接性、作業環境改善、発泡プラスチック |
事業化状況 | 研究中止または停滞中 |
事業実施年度 | 平成18年度~平成20年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
造船業界における低コスト、複雑形状・一体成形、環境改善ニーズに対応し、加炭・C偏析の課題から未だ実用化できていない鋳鋼に対し、発泡ポリスチレンの分解挙動を解明して『新鋳造CAE』を構築する。また分解物を瞬時に排出する『バキュームアシスト・プロセス制御技術』を確立し、加炭量を大幅に減少できる国内初の革新的フルモールド法を開発・実用化する。本技術は、鋳造業界での環境、技能継承等に反映できる
開発した技術のポイント
従来、鋳鋼へのフルモールド鋳造法を適用することは非常に困難であると考えられたが、3年間の研究開発により、革新的技術として、減圧下での「バキュームアシスト・フルモールド(VAFM)鋳造法」を確立することができた。これにより、高度化目標である、加炭量0.05%以下を達成することができ、鋳鋼における加炭・炭素偏析が制御できるVAFmシステムを確立することができた。
(新技術)
<開発目標>
・工程の簡素化
・クリーンな環境、若手労働者の職場離れ防止
・熟練度を必要としない鋳造法の開発
・低コスト、短納期
具体的な成果
本開発技術により、当初、特長と想定していた以下の項目を達成することができた。
・CAD・CAM(コンピュータ支援設計・製作)によりPS(ポリスチレン)模型を製作し、模型・鋳型製作の簡略化
・作業工数の削減
・PS模型の燃焼ガスの冷却部での固定化による作業環境のクリーン化
・コスト削減・納期短縮
知財出願や広報活動等の状況
•「発明の名称:鋳型および鋳鋼の製造方法
•「登録番号 :特許第5858382号 (特願2011-270321 (出願日:平成23年12月9日))
•「出 願 人 :広島県、コトブキ技研工業㈱、近畿大学、日本銀砂㈱
•「発 明 者 :藤井敏男、河村 博、旗手 稔、長原 雄一、中河原 圭司 特許出願後成果発表会(広島県立総合技術研究所西部工業技術センター)などPR活動を行った。
研究開発成果の利用シーン
鋼製品の鋳造法は炭素量の制御が厳しいため、従来から木型による鋳型製作が行われている。本研究成果は三次元CAD・CAMによる発泡プラスチックの型制作に置き換えることによってデジタル化するとともにプラスチック模型の量産化を実現させるものである。抜本的な鋳鋼法として特許も取得済みである。
製品ごとに方案を再構築するという課題はあるものの、三次元CAD・CAMによる模型の量産が可能なので、中・大型鋳鋼製品の中量生産等に適している。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
2011年以降、技術開発と技術成果をもとに特許取得は完了したものの、実施対象の有望企業の経営不振により事業化がとん挫している。共同開発者である広島県立総合技術研究所西部工業技術センターとともに他の中・大型鋳鋼品製造企業等への技術移転を進めているが、実施許諾に至っていない。
提携可能な製品・サービス内容
製品製造
製品・サービスのPRポイント
・中・大型複雑構造の鋳鋼製品の量産化を可能とする、手作り木型制作に代わる三次元CAD・CAMによる発泡プラスチック型(消失模型)を用いる、真空アシストフルモールド(VAFM)法は、三次元テータ化された消失模型を再現良く量産できる。
・一品一品手作りで木型部品を作成し組み立てる工法に比べて圧倒的な生産性の向上が期待できる。
・鋳鉄製品には同様に消失模型を用いるフルモールド法が普及しているが、鋳鋼製品の場合素材中の炭素量が0.2%以下と制限されており、消失模型が溶湯の熱で焼失する際、溶湯内に炭素が混入する(加炭という)ため、フルモールド法は適用不可とされてきた。
・その課題を解決し、加炭量を大きく抑制できる鋳型および鋳造方案を確立した。
・木型職人枯渇という時代背景の中でぜひ活用をお願いしたい。
今後の実用化・事業化の見通し
・2011年特許出願後、技術移転を進めているが、国内大手冷凍機メーカーおよび環境機器メーカーなどオプション契約まで進んだものの実施許諾契約に 至っていない。
実用化・事業化にあたっての課題
今回開発した革新的フルモールド鋳造法は、国内でも数少ない鋳鋼製品メーカーを対象とするもので、主要部品としては薄肉製品となる機械やプラントのケーシングなどであり、本技術が対象とする船舶用のアンカーやベルマウスなどの中実製品は少ないため、薄肉製品を対象とする技術革新が課題となる。
事業化に向けた提携や連携の希望
現在まで進めている特許戦略(技術移転)を継続したい。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | コトブキ技研工業株式会社 綜合企画 FM開発プロジェクトリーダー 河村 博 |
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事業管理機関 | 公益財団法人くれ産業振興センター 研究管理者・山﨑 均、経理担当者・益原辰夫 |
研究等実施機関 | コトブキ技研工業株式会社 FM開発プロジェクト・河村 博、武井雅和、関 弘也、貞国隆司、大原一貴 広島県立総合技術研究所 西部工業技術センター 材料技術部 藤井敏男 学校法人近畿大学 工学部・教授 旗手 稔 株式会社神田造船所 設計部副部長・米本憲司 岩城造船株式会社 営業資材グループ・中村克彦 日本銀砂株式会社 専務取締役・中河原昌司 |
アドバイザー | 独立行政法人産業技術総合研究所、株式会社アイ・イー・ソリューション、株式会社ツチヨシアクティ |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | コトブキ技研工業株式会社(法人番号:0111-01-007035) |
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事業内容 | 製造業・建設機械の設計製造販売 |
社員数 | 110 名 |
生産拠点 | 広事業所(広島県呉市) |
本社所在地 | 〒160-0022 東京都新宿区新宿1丁目8番1号 大橋御苑駅ビル2階 |
ホームページ | http://www.kemco.co.jp |
連絡先窓口 | 産業機械事業部・開発部・長原雄一 |
メールアドレス | nagahara.y@kemco.co.jp |
電話番号 | 0823-73-1133 |
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