立体造形
フェライト系ステンレス鋼SUS430の新たなる鋳造技術を確立 鋳造組織を微細化し、靱性・延性、耐熱性、耐食性を向上
山形県
山形精密鋳造株式会社
2021年8月27日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | フェライト系ステンレス鋳鋼の高機能化に係る技術の開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 自動車 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(信頼性・安全性向上) |
キーワード | 耐熱鋼、高機能化、フェライト系ステンレス鋼 |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成21年度~平成21年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
自動車部材に対する川下産業の多様なニーズに応えるため、フェライト系ステンレス鋳鋼の鋳造組織を微細化する技術を開発すること等によって、高温特性、靱性や延性、耐食性等の向上を実現することを目的とする
開発した技術のポイント
SUS430鍛練材と同等かそれ以上の靱性・延性、耐熱性、耐食性の実現
・靱性・延性の向上(鋳造組織の微細化と熱処理により、マルテンサイトの生成を抑制)
→SUS430鍛練材と同等、伸び22%以上
・耐熱性の向上(鋳造組織の微細化により、Crの偏析を軽減し、耐酸化性を向上)
→SUS430鍛練材と同等
・耐食性の向上(固溶炭素を固定する炭化物生成元素の添加で鋭敏化現象を防止)
→SUS430鍛練材以上
(新技術)
開発材料・粒状晶でかる10mm以下
(特徴)
・鍛練材と同等の延性
→伸び22%以上
・鍛練材と同等の耐酸化性
・鍛練材以上の耐食性
具体的な成果
・SUS430ロストワックス鋳鋼における鋳造組織そのものの微細化を実現
‐フェライト系ステンレス鋳鋼の鋳造組織微細化に効果のある元素を選択し、溶解処理技術を用いて粒径10mm以下の粒状晶の生成を達成した
・鋳造組織微細化材の高温特性効果検証を行い、耐酸化性の高さを立証
‐鋳造組織微細化材においてSUS430鍛練材と同等の耐酸化性を実現
‐Cr含有量及びCr偏析と高温諸特性との関係を明らかにした
・最適熱処理条件を導き、靱性・延性を向上
‐微細化材(800℃焼戻し)の機械的特性で、引張強さ470MPa、伸び28%
・固溶炭素を低減させる元素を究明
‐鋭敏化抑制元素を究明し、耐食性を向上
研究開発成果の利用シーン
フェライト系ステンレス鋳鋼(SUS430材)の高度化材として自動車向け排気系部品(フランジ類、マニホルド、EGR関連部品類)に使用
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H24年度に実用化見込
・サンプルあり(無償)
提携可能な製品・サービス内容
製品製造、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
・耐腐食性向上:鋳造組織微細化元素添加により鋭敏化を抑制。900℃における高温酸化特性は、SUS430鍛錬材と同等
・強度向上:鍛錬材と同等の引張強さ450MPa、伸び28%の機械的強度
・低コスト化:低炭素材質(従来材質の約2倍の価格)と同等の特性を従来材で実現
今後の実用化・事業化の見通し
H24年内の実用化を目指し、検証と低コスト化に向けた展開を進めている
・添加元素の鋭敏化に及ぼす効果の更なる検証及びより低コスト化に向けての最適熱処理温度の究明に関する補完研究を継続中
・川下企業から新しい部品の発注があった時に、開発材の適用を提案している
・添加元素の最適量及び複合添加の効果について検証中。従来材と比較して低い熱処理温度で機械的性質が十分達成できることが分かったので、最適温度を究明する研究も継続中
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 山形精密鋳造株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人やまがた産業支援機構 |
研究等実施機関 | 株式会社三五 山形県工業技術センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 山形精密鋳造株式会社(法人番号:6390001011200) |
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事業内容 | 炭素鋼、低合金機械用構造用鋼及びステンレス鋼の特殊な材質まで、ロストワックス鋳造法により、構造設計、機能設計から量産に至る鋳鋼部品の一貫生産 |
社員数 | 154 名 |
生産拠点 | 山形県長井市本社工場 |
本社所在地 | 〒993-0075 山形県長井市成田768-2 |
ホームページ | http://web-ysc.jp/ |
連絡先窓口 | 品質保証部副部長 鈴木浩 |
メールアドレス | h-suzuki@ysc-ne.jp |
電話番号 | 0238-84-3500 |
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