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精密加工

ステンレスメッシュをベースにダイヤモンドパターンニングを施し一般砥石をノコギリ化し、切断砥石の高機能化を実現する。

新潟県

株式会社ナノテム

2026年1月30日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 高安全性・省エネルギー・低環境負荷・低コストのSDGsに対応する次世代砥石に関する研究
基盤技術分野 精密加工
対象となる産業分野 環境・エネルギー、航空・宇宙、自動車、産業機械、半導体、工作機械
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加)、環境配慮、低コスト化
キーワード パワー半導体、原子力廃炉、自動化
事業実施年度 令和4年度~令和6年度

プロジェクトの詳細

事業概要

軽量でヤング率の高い砥石の開発を目指し、ステンレスメッシュを基材としてアンカー結合されたニッケルボンドダイヤモンドチップの固着技術を焼結法と電着法を用いて確立する研究開発を実施した。本研究では、ダイヤモンドチップは1,000度以下の焼成とし、ダイヤモンドの劣化割合10%以下を目標とした。環境負荷及び騒音の低減技術として、ダイヤ層厚み管理技術を開発し、厚みは1mmを目標とし、最薄で0.5mmとして一般切断砥石と同等、メタルソーと比較して30%以下の厚みを実現する。加工エネルギー効率の改善技術として、パターニング成形技術とコア成形技術を開発し、切断速度の向上と騒音の低減を図る技術開発を行った。

開発した技術のポイント

・ステンレスメッシュ基材技術
-軽量でヤング率の高い基材として採用し、180GPaのヤング率を達成

・アンカー結合技術
-ニッケルロウを用いた化学的結合により、ステンレスメッシュとダイヤモンドチップの強固な結合を実現

・ハイブリッド焼結技術
-900度、5MPaでの精密制御焼結により、ダイヤモンドとボンド材の分離を防止

・厚み管理技術
-エンボス加工とメッキ法により0.5mm以下の超薄型砥石を実現

・パターニング技術
-レーザー加工による±10%の位置精度でセグメント化を実現し、研削抵抗を大幅削減

・セラミックスセッター技術
-焼成時の反り抑制のための専用治具を開発

具体的な成果

・安全化技術の開発
-焼成温度900度でダイヤモンド砥粒の劣化割合を数パーセントに抑制し、目標達成
-ニッケルボンドダイヤモンドチップ単体のヤング率180GPaを達成し、目標の90%に到達

・環境負荷及び騒音低減技術
-ステンレスメッシュ#80とダイヤモンド砥粒#80の組合せで0.5mm以下の切断砥石を作製
-市販砥石1.5mmに対して50~70%の薄型化を実現

・加工エネルギー効率改善技術
-パターニング精度でCADデータを用いて±10%以下の位置精度を達成
-セグメント化により研削抵抗を市販砥石の1/2から1/10まで削減
-騒音レベルを市販砥石より10dB低減

知財出願や広報活動等の状況

製造委託会社との技術提携と海外での模倣の防御として、「メッシュ素材へのダイヤモンドチップのアンカー結合技術」の基本特許を出願し、令和5年度に優先権主張を行い、PCT出願を実施した。また、「砥石及びその製造方法」(切り起こしメッシュ砥石)特願2023-094518(2023H193)と積層砥石「砥石」(特願2023-071223(2023H131))の2つの特許出願を行った。派生技術のスパイラル特許の新規特許出願も実施し、基本特許並びに周辺特許を充実させている。将来的には海外企業との生産・販売ライセンス契約を行い、生産・販売拠点を海外に移行することも視野に入れた知的財産戦略を展開している。

研究開発成果の利用シーン

・建設・解体業界
-鉄筋コンクリートの同時切断による工期短縮と作業効率向上
-粉塵量30~50%削減による作業環境改善

・原子力発電所廃炉事業
-高線量区域内での長時間作業における火花発生抑制と騒音低減

・鉄道保線業務
-レール切断作業における騒音10dB低減による住環境への配慮

・自動車製造業・造船業
-ステンレス鋼材の精密切断による品質向上

・半導体産業
-シリコンウエハ等の精密材料切断

従来の一般切断砥石では加工困難な材料に対しても、研削抵抗を大幅に削減することで高効率な切断加工を実現し、作業安全性と環境負荷低減を両立させた新たな切断ソリューションを提供する。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

事業終了後3年後までに市場規模の約3%(10万枚/年)のシェア獲得を目指している。川下企業として株式会社福田組等の建設現場や原子力発電所高線量区域内の廃炉作業からのニーズに応えるため、成果物のサンプル出荷・評価を計画している。工程認証取得を販売促進戦略に位置づけ、国土交通省認証の新技術情報提供システム(NETIS)や新潟県の技術認証制度「Made in 新潟 新技術普及・活用制度」等での新工程認証取得を2年後を目途に目指す。NETIS取得後、3社程度のユーザーを選定し実証テストを実施予定である。5社を目途に国内の販促パートナー(物流商社)との提携を目指し、海外での販売も研究開発終了3年目には開始する計画である。

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、素材・部品製造、製品製造、試験・分析・評価

製品・サービスのPRポイント

従来の切断砥石と比較して圧倒的な性能優位性を実現している。研削抵抗を市販砥石の1/2から1/10まで削減し、騒音レベルを10dB低減、粉塵量を30~50%削減することで作業環境を大幅に改善する。砥石厚みを従来の1.5mmから0.5mm以下まで薄型化することで材料ロスを削減し、寿命は一般砥石の100倍以上を目標としている。火花の発生を大幅に抑制し、鉄筋コンクリートの同時切断を可能にする多材料対応能力を持つ。ステンレスメッシュ基材により軽量化を実現し、作業者の負担軽減にも寄与する。これらの特徴により、建設現場から原子力廃炉事業まで幅広い分野で革新的な切断ソリューションを提供する次世代砥石として位置づけられる。

今後の実用化・事業化の見通し

令和7年度からサンプル出荷・評価を開始し、令和8年度に本格的な製品生産・販売を予定している。売上高は令和7年度60,000千円から始まり、令和11年度には600,000千円の売上を目標としている。販売数量は初年度12,000枚から最終的に120,000枚への拡大を計画している。国内市場での実績構築後、令和10年度以降は海外市場への展開を図り、国内1社、海外1社とのライセンス付与契約を予定している。建設・鉄道・造船業界を中心に、原子力廃炉事業での特殊用途需要も見込んでおり、従来技術の見直しをキーワードとした早期の事業化実現が可能である。30%以上の販売減に苦慮する国内砥石商社をサプライチェーンに取り込むことで市場参入を加速する戦略である。

実用化・事業化にあたっての課題

回転試験が対外的な機関で対応できておらず、安全回転強度試験をクリアする必要がある。特に回転円盤の場合、使用周速度の2倍以上の速度での試験成績が必須となり、これがクリアできなければ市販品としての販売は困難である。切断砥石の反りが焼結・メッキ方法ともに目標値に到達しておらず、焼結・メッキまでの前段階での反り防止、焼結メッキ中の反り防止を継続して検討する必要がある。シートレベラーの条件等最適化も必要となっている。製造コストの最適化と大量生産時の品質安定性確保も課題である。また、市場認知度向上のため、各種展示会での技術PR活動と建設業界での実績構築が重要となる。

事業化に向けた提携や連携の希望

当初目的の切断砥石のニーズだけでなく、次世代パワー半導体業界のニーズにも本研究はマッチしており、大手電子部品メーカとの連携が開始できている。ほかのウエハ製造メーカら並び、電子部品製造メーカとの提携を期待している

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社ナノテム 本社
事業管理機関 公益財団法人にいがた産業創造機構
研究等実施機関 株式会社ナノテム
日本核燃料開発株式会社
株式会社福田組
独立行政法人国立高等専門学校機構長岡工業高等専門学校
新潟県工業技術総合研究所
アドバイザー 新潟県工業技術総合研究所
日本核燃料開発株式会社
株式会社福田組
樋口徹

参考情報

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社ナノテム(法人番号:9110001023204)
事業内容 製造業 多孔質セラミックスの開発製造販売
社員数 18 名
生産拠点 新潟県長岡市
本社所在地 〒940-0021 新潟県長岡市城岡3-2-10
ホームページ http://www.nano-tem.com
連絡先窓口 株式会社ナノテム・代表取締役 髙田 篤
メールアドレス a-takata@nano-tem.com
電話番号 0258-22-6725