測定計測
銅亜鉛還元法による硝酸態窒素および全窒素の測定
大阪府
ビーエルテック株式会社
2026年2月9日更新
プロジェクトの基本情報
| プロジェクト名 | 有害物質を使用しない連続流れ分析法による硝酸及び全窒素分析装置の開発 |
|---|---|
| 基盤技術分野 | 測定計測 |
| 対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、農業、食品、化学品製造 |
| 産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、環境配慮、低コスト化 |
| キーワード | 窒素化合物,連続流れ分析,自動,銅亜鉛還元,CFA法 |
| 事業化状況 | 事業化に成功 |
| 事業実施年度 | 令和4年度~令和6年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
本研究開発は、毒物であるカドミウムを使用しない連続流れ分析法による硝酸及び全窒素分析装置の開発を目的とした。具体的には、ビーエルテック株式会社が得意とする連続流れ分析法と銅-亜鉛還元法を組み合わせ、硝酸イオンや亜硝酸イオンを100%アンモニアにまで還元できる技術を開発した。さらに、従来フェノールを用いたインドフェノール法によって検出されるアンモニアを、毒性の高いフェノールに替えて毒性の低いサリチル酸を用いて安定的に検出できる方法を開発し、硝酸、亜硝酸、アンモニアの各々が個別に含まれている試料を分析する技術の確立を目指した。
開発した技術のポイント
・銅-亜鉛還元法と連続流れ分析法の組み合わせによる硝酸イオンや亜硝酸イオンの100%アンモニア還元技術
・毒性の高いフェノールから毒性の低いサリチル酸への変更によるアンモニア検出の安全性向上
・ガス透過膜を用いたアンモニア分離機構の付与による夾雑物の影響低減
・有機態窒素を分解・分析するための機能付加による全窒素分析の実現
・pH調整とEDTA・2Na濃度変更による高塩濃度サンプルの沈殿生成抑制技術
・銅-亜鉛還元コイルの外部委託による安定供給体制の確立
具体的な成果
開発した分析技術により、硝酸、亜硝酸及びアンモニアの3成分を1試料当たり5分以内で測定できるようになり、全窒素を1試料当たり10分以内で測定できるようになった。妥当性評価の結果、添加回収率100±5%以内、真度100±5%以内、併行精度5%未満、室内精度5%未満、室間精度10%未満と良好な精度が得られた。検量線の決定係数は0.999以上を達成し、定量下限値も法規制値に対して十分に低い値を実現した。また、分析廃液に含まれるカドミウム濃度は水質汚濁防止法の一般排水基準である0.03mg/L未満となり、毒物の排出量ゼロを達成した。環境負荷評価では従来法より環境負荷が低減されることが示された。
知財出願や広報活動等の状況
・特許出願
-特願2023-054268「アンモニア態窒素の分析方法」
-特願2023-124739「分析装置、および分析方法(全窒素の分析方法)」
-PCT出願(書類記号BLT22074)
・学協会発表: 13件(最優秀賞2回受賞)
・論文投稿: 4件(分析分野で著名なTalanta誌への掲載を含む)
・展示会出展: JASIS2024、土壌・地下水浄化技術展、JASIS関西2025、InterAquaなど
・動画制作: Youtube公開による技術解説動画の制作
・シンポジウム開催: 成果セミナーを実施し約80名が参加
・JIS規格への収載: JIS K 0170-1、JIS K 0170-2、JIS K 0170-3の3つのJIS原案に開発技術が収載された
研究開発成果の利用シーン
環境分析を行っている公的研究機関、各都道府県における衛生研究所(67研究所)や水産研究所(57研究所)、環境関連の研究を行っている大学、計量証明事業所(約650事業所)及び自社の排水管理を行う製造業での利用が想定される。海水や汽水域のような塩濃度の高い試料や夾雑物質が多い排水の分析において、従来の銅-カドミウム還元法に替わる分析手法として活用される。特に、工場排水試験法や環境庁告示に準じた分析、国際標準化機構や米国環境保護庁、大陸間縦断高精度観測などの規格による分析において、カドミウムを使用しない環境負荷の低い分析手法として利用される。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
ビーエルテック株式会社の全窒素又は硝酸分析用の流れ分析装置の納入実績は335機関に及び、環境分析市場で大きなシェアを占めている。2025年度に行われる委員会での承認を経て、2026年度初旬にJIS K 0170シリーズの改定が予定されており、公定法への採用が見込まれる。アンケート調査では回答者の86%がカドミウムの使用を避けたいと回答し、58%が公定法化後の購入を希望している。既存顧客の装置更新需要(10~15年周期)と新規顧客の開拓により、市場拡大を目指している。海外展開についてはSeal Analytical Limitedとのパートナーシップを活用し、ISO規格やEPA規格への採用を通じて国際市場への展開を図る。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、加工・組立・処理、製品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
・毒物であるカドミウムを使用しない環境負荷の低い分析技術
・従来法と比較して測定誤差を大幅に低減し、分析時間を大幅に短縮(硝酸、亜硝酸、アンモニアの3成分を5分以内、全窒素を10分以内)
・分析技術者や測定環境によらず安定した測定結果を提供
・海水や汽水域などの高塩濃度試料や夾雑物質が多い排水にも対応
・JIS規格に収載された信頼性の高い分析手法
・カドミウム廃棄物の処理に関する懸念を解消
・従来法と同等以上の分析精度を実現
・有害物質規制やSDGsへの対応に貢献
今後の実用化・事業化の見通し
技術的には上市に耐える状態に達しており、2026年度初旬にはJIS規格の改定により公定法として採用される見通しである。環境庁告示への収載についても環境省との協議により必要データの確定と検証が完了し、委員会への働きかけを行っている。既存顧客335機関の装置更新需要と新規市場開拓により、国内市場での更なるシェア向上が見込まれる。海外展開についてはSeal Analytical Limitedとのパートナーシップを活用し、ISO規格やEPA規格への採用を通じて国際標準化を目指す。今後は小型装置への展開により薬品使用量削減と運用コスト削減、さらなる環境負荷低減を図る予定である。
実用化・事業化にあたっての課題
現時点で技術的課題は概ね解決されているが、より広範な市場展開のためには以下の課題がある。JIS規格や環境庁告示への正式収載完了による公定法としての地位確立、ISO規格やEPA規格への国際標準としての採用推進、既存のカドミウム使用装置からの更新促進のための啓発活動、新規顧客への技術認知度向上のための継続的なPR活動が必要である。また、海外展開においては各国の規格や基準への対応、現地パートナーとの連携強化、技術供与契約の最適化が求められる。さらに、装置の小型化や薬品使用量削減による運用コスト低減、競合他社との差別化要素の強化も重要な課題として挙げられる。
プロジェクトの実施体制
| 主たる研究等実施機関 | ビーエルテック株式会社 |
|---|---|
| 事業管理機関 | 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター |
| 研究等実施機関 | ビーエルテック株式会社 国立大学法人鹿児島大学 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター |
| アドバイザー | 株式会社東海テクノ 一般社団法人日本分析機器工業会 産業技術総合研究所環境創生部門 |
参考情報
- ビーエルテック 銅亜鉛還元法開発への道
- https://www.youtube.com/watch?v=8s9P4MY6Pw8
- 銅ー亜鉛還元法による窒素成分測定
- https://www.youtube.com/watch?v=XJgadREMjyE
主たる研究等実施機関 企業情報
| 企業名 | ビーエルテック株式会社(法人番号:3120001102012) |
|---|---|
| 事業内容 | 自動分析装置の設計開発及び製造販売、自動分析装置の輸入販売、分析メソッドの開発 |
| 社員数 | 41 名 |
| 本社所在地 | 〒550-0002 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目25番7号 |
| ホームページ | https://www.bl-tec.co.jp/ |
| 連絡先窓口 | ビーエルテック株式会社 R&Dセンター |
| メールアドレス | t.nishimura@bl-tec.co.jp |
| 電話番号 | 03-5847-0252 |
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