測定計測
医療現場で安全、迅速簡易、低コスト処理を可能とする小型免疫能検査装置
埼玉県
モディアシステムズ株式会社
2020年4月20日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 迅速簡易に免疫能を検査する免疫蛍光分析装置の研究開発 |
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基盤技術分野 | 測定計測 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護 |
事業化状況 | 実用化間近 |
事業実施年度 | 平成26年度~平成28年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
感染症を発症している患者は、定期的に免疫能を検査し薬剤の適正な使用を処方する必要がある。現状では、大型機器であるフローサイトメーターを使用し、熟練した技術者が作業を行っているが、日数を要し、迅速かつ安価に検査することが出来ない。本研究開発では、通常の血液検査や生化学検査と同様に、ディスク法で遠心分離技術を高度化した、医療現場で行える迅速簡易な小型免疫能検査装置(以下、本装置という)の開発を目標にしている
開発した技術のポイント
医療現場で求められている迅速簡易に結果が得られ、安全に扱うことができ、さらに低コストで利用可能な免疫検査装置を開発する
(新技術)
・遠心分離の2つの比重液槽をマイクロ流路で連結した構造
・レーザー励起光で蛍光検出
・ディスポーザブル化した分離媒体のディスクまたはチップ
(新技術の特徴)
・簡便、迅速かつ安定した検査結果を得ることができる
・完全閉鎖系で完了することができるため、感染のリスクがないため安全性が高く、安価
具体的な成果
・検査デバイス
‐ディスク型からチップ型に変更することで、開発費および開発期間を削減し、細胞の蛍光画像分析による免疫検査が可能であることを実証できた
‐チップ型に変更し、ディスク型では難しい機械的な細胞回収も可能となり、回収後の細胞の品質評価も完了した
・測定装置
‐回転を一定の条件で停止させれば分離後の状態も安定していることが確認でき、自作の制御基板により低コスト化およびコンパクト化を予定通り完了することができた
‐蛍光検出に必要な3次元駆動系を低価格3Dプリンターの駆動系を自作のソフトウェアで制御できた
‐チップを固定するホルダーを高精度な金属加工で製作し、蛍光撮影に必要な形状精度の確保が容易になった
‐PDMS製チップを試作し、3Dプリンターの駆動系を応用することで、細胞回収機構を短期間に実現できた
研究開発成果の利用シーン
・医療現場で迅速簡易に検査を行うことができる小型免疫能検査装置
‐採血後1時間以内に結果を出力し、患者の免疫能の把握と感染症への対処に科学的に判断できるシステム
・分離チップ
・細胞回収装置
実用化・事業化の状況
製品・サービスのPRポイント
・医療現場で求められている迅速簡易に結果が得られ、安全に扱うことができる
‐血液を導入後は分離媒体の廃棄まで完全閉鎖系で完了することができるため、感染のリスクがなく、高い安全性を実現
‐コストについても分離に必要な部分のみを消耗品にできるため、非常に安価に抑えることができる
・フローサイトメーターよりも大幅なコストダウンとコンパクト化を実現した
今後の実用化・事業化の見通し
・本研究開発の成果発表として平成28年12月に日本分子生物学会年会への出展を行ったところ、免疫分析そのものよりも、細胞の回収についての関心の方が高かったという結果が得られている
・医療機器として必要な臨床評価を少なくとも1年程度かけて行い、その後製造販売のための認証を得ることなどを想定すれば、製品化は早くとも平成30年の後半になる
・本製品は基本的には分離チップを中心とした消耗品ビジネスの形になると想定している
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | モディアシステムズ株式会社 |
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事業管理機関 | 株式会社キャンパスクリエイト |
研究等実施機関 | 株式会社エターナス テクダイヤ株式会社 ビフレステック株式会社 株式会社リプス・ワークス |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | モディアシステムズ株式会社 |
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本社所在地 | 〒343-0023 埼玉県越谷市東越谷4-6-12 |
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