精密加工
本研究開発では、アルミダイカストと切削加工により生産されていたケースを、深絞り技術と背圧成形技術及び切削鍛造技術を連動させたプレス加工用の複合成形金型システムを確立して生産性・効率化の向上、コスト低減を実現することで、車の軽量化、コスト低減を実現する
愛知県
株式会社加藤製作所
2025年1月28日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 背圧成形技術と切削鍛造技術を連動させた複合成形金型システムの研究開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 自動車、電池 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(使用機器削減)、高効率化(生産性増加)、低コスト化 |
キーワード | 背圧成形、切削鍛造、ポンプケース、モーターハウジング、バッテリーケース |
事業化状況 | 実用化間近 |
事業実施年度 | 令和2年度~令和4年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
本事業では、複合成形金型システムを開発し、自動車用バキュームポンプのアルミケースを効率よく生産することを目指している。これまでのダイカスト加工と切削加工の組み合わせでは、製品のコストが高く、製造時間も長かった。本研究では、深絞り技術、背圧成形技術、切削鍛造技術を組み合わせたプレス加工による複合成形金型システムを確立することで、製品の品質を維持しつつコスト削減と生産効率の向上を図る。
開発した技術のポイント
・深絞り技術を活用し、複雑な形状を一体成形する技術を確立
・背圧成形技術を用いて、成形時の肉厚減少を防ぎ、精度の高い製品を実現
・切削鍛造技術を適用し、パンチ形状の最適化を行い、低荷重での高精度成形を可能とした
・CAE解析により、強度や耐摩耗性を考慮した金型設計を実施し、最適な成形条件を確立
具体的な成果
・プレス加工によるアルミケースの生産性向上を実現
・従来のダイカスト加工に比べ、コスト削減を達成(1個あたり400円から150円に削減)
・重量を28%削減し、280gから200gへと軽量化
・生産時間を大幅に短縮し、10分/個から0.3分/個へと改善 ・高精度な成形により、直角度や平面度など厳しい要求を満たす製品を開発
知財出願や広報活動等の状況
年4回のカーメーカーおよび、その部品メーカーをターゲットとした展示会(オートモーティブワールド、人とくるまのテクノロジー展など)に、サポインの成果物を積極的に展示し、新規受注をめざしている。
研究開発成果の利用シーン
複合成形金型システムを利用することで、燃費向上や低コスト化を重視する自動車業界での活用が期待される。また、成形品の高精度化により、バキュームポンプ以外にも、オイルポンプやウォーターポンプなど、他の自動車部品製造に応用可能である。さらに、軽量化が要求される航空宇宙分野などでも、広く利用されることが見込まれる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
現在、複合成形金型システムを使用した製品は自動車関連企業で試験的に使用されており、プレス加工による製品のコスト削減と生産効率の向上が確認されている。これにより、今後の量産体制の整備と事業展開が進められている。自動車産業における部品製造の新たな標準となることを目指しており、技術の普及に向けた取り組みが行われている。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、加工・組立・処理、素材・部品製造、製品製造
製品・サービスのPRポイント
開発された複合成形金型システムは、低コストかつ高精度なプレス加工を実現し、特に自動車部品の製造において大きな優位性を持っている。また、背圧成形技術と切削鍛造技術の組み合わせにより、従来の加工技術では不可能であった複雑な形状の部品も、低荷重で成形可能である点が大きな特徴である。
今後の実用化・事業化の見通し
既に自動車関連企業での試験運用が進行しており、今後の量産体制の整備により、さらなるコスト削減と生産効率向上が期待されている。技術の普及に伴い、自動車産業のみならず、航空機や鉄道など、幅広い分野での利用が見込まれる。事業化が進むにつれて、新たな市場開拓が可能となる見通しである。
実用化・事業化にあたっての課題
製品コストの削減や生産性の向上は実現しているが、背圧成形技術のさらなる精度向上が求められている。また、設備導入コストの負担を軽減するため、金型システムのコストダウンを図る必要がある。さらに、複雑形状部品の成形における材料特性の最適化も課題として残っている。
事業化に向けた提携や連携の希望
切削鍛造の特許を取得した、岐阜大学の王副学長や、岐阜県産業技術総合センターと協力し、事業化に向け、各方面にPR活動を積極的に行っている。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社加藤製作所 |
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事業管理機関 | 国立大学法人岐阜大学 地域連携スマート金型技術研究センター |
研究等実施機関 | 国立大学法人岐阜大学 地域連携スマート金型技術研究センター 岐阜県産業技術総合センター |
アドバイザー | 自動車関連企業 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社加藤製作所(法人番号:7180001047727) |
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事業内容 | 金属プレス加工業、金型設計製作、組み立て |
社員数 | 81 名 |
生産拠点 | 日本、韓国、アメリカ |
本社所在地 | 〒461-0026 愛知県名古屋市東区赤塚町1番20号 |
ホームページ | http://www.ksj-group.com/ |
連絡先窓口 | 営業部 部長 正村 崇英 |
メールアドレス | takahide@ksjapan.co.jp |
電話番号 | 0574-60-0006 |
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