精密加工
大型セラミックス加工の限界を超える汎用機での高能率・高精度なSiC加工技術を開発
宮城県
日本ファインセラミックス株式会社
2020年3月18日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 衛星搭載用大型SiC製非球面ミラーの高精度研削加工技術の開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 航空・宇宙、半導体 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化間近 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成21年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
衛星搭載用大型非球面ミラーは、これまでガラス製であったが、軽量化の要求が高く、高強度で薄肉化が可能なセラミックスへの転換が要望されている。しかし、非常に硬いセラミックスを高精度・高能率に加工する方法が無く、最終仕上げの研磨工程が膨大となり、加工時間とコストの増大が課題となっている。従って本研究開発では高機能SIC製ミラーの高能率・高精度研削加工技術を開発する
開発した技術のポイント
短い加工時間、高い精度を実現するSiC非球面ミラー加工技術を確立する
・加工時間の短縮
→従来の汎用加工機でのSiCミラー加工比1/2
・形状精度の向上
→従来の汎用加工機でのSiCミラー加工比5倍以上
(新技術)
新たに開発する汎用機での加工技術
・粗加工、中仕上げ、仕上げ加工に最適な碇石の選択と、その加工条件の開発
・安価かつ容易に高精度な機上測定システム及びそれを利用した補正加工技術を開発
↓
・加工時間の大幅短縮:加工時間1ヶ月
・形状精度の向上:形状精度10μm以下
↓
高額な費用をかけずに高能率・高精度なSiC製大型非球面ミラーの加工を実現させる
具体的な成果
・高精度SiCセラミックスミラーの加工条件を確立
‐中仕上げ加工において、現状よりも大きい先端R形状の砥石選定でツルーイング・ドレッシング間の研削量(砥石の持ち)が向上
‐砥石の最適選定、加工条件の最適化により、砥石の送り速度を1.5倍まで早められることを実証
‐中仕上げ加工における砥石の送り速度1.5倍速での加工テストでワーク表面の凹凸は計算上では1.5μmとなり、段差の問題はないことを確認
‐仕上げ加工において、砥石の最適選定により加工面の表面粗さRz0.4を達成
・加工時間の短縮化を実現
‐非球面プログラム作成ソフトとドレッシングを行うサブプログラムを組み合わせた自動加工プログラムにより、粗・中仕上げで加工時間16日間を実現
‐形状誤差入力・補正研削実行プログラム作成ソフトと機上形状計測システムの活用による加工で、形状精度4μm、表面粗さRz0.3、加工期間16日間を達成
・汎用加工機による高精度SiCミラーの加工を実証
‐加工機のスライドと測長器を組み合わせた高精度オンマシン形状計測システムを開発
‐コンピュータによる測長器コントローラ制御を用いた自動計測を実現
‐機上形状計測システムで得たデータをもとに補正研削加工を行い、形状誤差4μmを達成
‐仕上げ加工において補正研削を行うことにより、形状誤差を2μmまで低減
知財出願や広報活動等の状況
・特許:「スピンドルを用いた計測システムにおけるプローブの高精度芯出し法」(特願2010-263995)
・論文:後藤成晶他「衛星用大型ミラーの加工機上高精度形状測定に関する研究-形状測定システムの構築とアライメント手法の開発-」(H23.9)
研究開発成果の利用シーン
重量が大きく、強度にも難がある従来のガラス製非球面ミラーに代わり、軽量・高強度・高精度なSiCミラーとして、人工衛星に搭載
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H23年度に実用化予定・試作品・サンプルなし
製品・サービスのPRポイント
・精度向上:曲面加工における形状精度は従来のセラミックス加工精度比5倍(形状精度10μm以下)になり、最終研磨時間が大幅に短縮できる
・新製法の実現:ポアのない高強度反応焼結SiCの高能率、高精度加工技術を実現し、衛星開発において軽量なSiCセラミックスへの転換が実現する
・製作時間短縮:2ヶ月を要した加工時間が1ヶ月となり、納期短縮化により衛星開発の促進につながる
今後の実用化・事業化の見通し
加工技術の更なる高度化を進めつつ、川下産業の新規プロジェクトに参画
・砥石の選定とツルーイング・ドレッシング技術の開発、加工条件の最適化に関する検討はワークの形状に合わせて行う必要があり、都度検討を行いながらデータを蓄積し、技術の向上を図る
・H23年度から川下産業が行う新規プロジェクト案件の引合いがあり、調整を進めている
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 川崎ダイス工業株式会社 |
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事業管理機関 | 株式会社インテリジェント・コスモス研究機構 |
研究等実施機関 | 日本ファインセラミックス株式会社 国立大学法人東北大学 工学研究科ナノメカニクス専攻 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 日本ファインセラミックス株式会社 |
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事業内容 | ファインセラミックスの製造及び販売 |
本社所在地 | 〒981-3206 宮城県仙台市泉区明通3-10 |
ホームページ | http://www.japan-fc.co.jp |
連絡先窓口 | 構造材料事業部主任 大宮恭平 |
メールアドレス | ohmiya@japan-fc.co.jp |
電話番号 | 022-378-7825 |
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