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接合・実装

光接続技術でシリコンフォトニクス分野を牽引

茨城県

株式会社中原光電子研究所

2023年2月8日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 次世代光通信(5G/Beyond5G用)を先導する超薄型光入出力部品“S-LPC”の開発
基盤技術分野 接合・実装
対象となる産業分野 医療・健康・介護、環境・エネルギー、航空・宇宙、情報通信、エレクトロニクス、光学機器
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、高性能化(光送受信モジュール、超小型光接続部品、光入出力部品)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(使用機器削減)、高効率化(生産性増加)、環境配慮、低コスト化
キーワード シリコンフォトニクス、光送受信モジュール、光導波路との接続、GRINレンズ、LPC
事業化状況 事業化に成功
事業実施年度 令和2年度~令和3年度

プロジェクトの詳細

事業概要

本研究開発では、実用的と考えられる表面結合方式でキーとなっている光入出力部品の低背化に取り組む。具体的には、新たに集積型GRIN レンズ、マイクロプリズムを開発し、さらに各要素部品を組み立てる実装技術を改良する。高度化した光入出力部品 S-LPC(Straight-type Low Profile Coupler)の創生により、「薄型化」「高密度化」「集積化」を図る。開発にあたってのキー技術は、当社が独自に開発した熱延伸加工技術である。

開発した技術のポイント

・薄型化
シミュレーションと製造技術の改善により、目標の4mmを上回る2mm以下の低背S-LPCを実現した。

・GRINレンズ長の高精度制御
独自に公転自転機能を合わせ持つ研磨機を考案、試作し、研磨長精度±1μm以下を達成した。

・製造技術
高精度大型母材延伸炉導入により、1x8ch, 4x4chのGRINレンズを作製した。

・実装技術
調心精度1μm以下、無反射膜-40dB、反射膜95%以上、S-LPCの損失0.5dB以下を実現した。

具体的な成果

・ 薄型化
電磁界解析を用いてシミュレーションを実施。シミュレーションと製造技術の改善により、1.8mmの低背S-LPCを実現した。

・GRINレンズ長の高精度制御
研磨量をオンラインでモニターできる研磨機の開発。それにより研磨長精度±1μm以下を達成した。

・製造技術
高精度大型母材延伸炉導入により、1x8ch, 4x4chのGRINレンズを作製した。

・実装技術
以下の3つの技術について開発を行った。
1. GRIN レンズ長の高精度研磨技術GRIN レンズ
2. マイクロプリズムの反射率を制御するための表面蒸着膜設計・形成技術
3. S-LPC の組立て実装装置・技術
その結果、調心精度1μm以下、無反射膜-40dB、反射膜95%以上、S-LPCの損失0.5dB以下を実現した。

知財出願や広報活動等の状況

・知財出願
当社単独で5件を出願した。そのうち、PCT出願が1件(米国移行済)。
これらの出願により、将来のビジネス展開には十分な技術的優位性を確保できたと考えている。また、今後とも、ビジネス展開に重要と思われる知的財産については、積極的に取得する。

・広報活動
集積型GRINレンズ(i-GRIN)とS-LPCについて、事業化につなげるため国内外にPRを行った。
YouTubeを活用した日本語及び英語でプロモーション映像を作成し、ホームページ上に公開した。
その結果、国内外の企業や大学等から問い合わせをいただくに至った。

研究開発成果の利用シーン

5G/Beyond5G等の進展に対応するためには、データセンタでは部品の小型化、省エネ化の対応が必要である。
開発成果を活かし、部品の「薄型化」「高密度化」「集積化」を図る。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

シリコンフォトニクスの入出力用光部品市場規模は 3,500億円に向けて好調な伸びを示している。
今回の開発品の信頼性について主張し、2022年度にサンプル出荷、2023年度に本格参入をする予定である。
しかし、歩留まりの面でまだ課題が残されているため、治具の改良及び作り込みによって、改善を図る。

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、加工・組立・処理

製品・サービスのPRポイント

より実用的と考えられる表面結合方式でキーとなっている、光入出力部品の低背化に取り組んでいる。
新たに集積型GRIN レンズ、マイクロプリズムを開発し、さらに各要素部品を組み立てる実装技術を改良。
高度化した光入出力部品 S-LPC(Straight-type Low Profile Coupler)を創生する。
また、開発にあたってのキー技術は当社が独自に開発した熱延伸加工技術である。

今後の実用化・事業化の見通し

MarketsandMarkets社および富士キメラの最新の市場調査結果によれば、2027年度のCWDM(Coarse Wavelength Division and Multiplexing)分野でのシリコンフォトニクスの入出力用光部品市場規模は 3,500億円に向けて好調な伸びを示している。
今回の開発品の信頼性について主張し、市場参入する予定である。
時期としては、2022年度にサンプル出荷、2023年度に本格参入をする予定である。

実用化・事業化にあたっての課題

レンズ間ピッチ精度や、マイクロプリズムの角度精度等については目標値は達成できている。
しかし、歩留まりの面でまだ課題が残されているため、治具の改良及び作り込みによって向上させる。

事業化に向けた提携や連携の希望

川下製造事業者のニーズを的確に把握し、次世代の光通信の進展に貢献したい。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社中原光電子研究所
事業管理機関 公益財団法人いわて産業振興センター ものづくり振興部 産学連携室
研究等実施機関 国立大学法人岩手大学 ものづくり技術研究センター 生産技術研究部門
アドバイザー 伊澤 達夫(千歳科学技術大学)
佐藤 昌仙(リコーインダストリアルソリューションズ株式会社)
蔵田 和彦(アイオーコア株式会社)
佐藤 裕三(ミレーヌ)

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社中原光電子研究所(法人番号:5050001005542)
事業内容 ガラスキャピラリーの設計、製造。GRINレンズの設計製造、他。
社員数 16 名
本社所在地 〒310-0841 茨城県水戸市酒門町4282-3
ホームページ https://noel-sekiei.co.jp/
連絡先窓口 株式会社中原光電子研究所 技術部長 有島 功一
メールアドレス arishima-koichi@noel-sekiei.co.jp
電話番号 029-229-3381