接合・実装
新たな高耐熱接合技術が次世代パワー半導体の歩留まり向上を実現し、様々な分野で電力制御を実現
長野県
アルファーデザイン株式会社
2020年4月8日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 次世代パワー半導体のための金属微粉末を用いた低温焼結接合技術と製造装置の開発 |
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基盤技術分野 | 接合・実装 |
対象となる産業分野 | 航空・宇宙、ロボット、産業機械、情報通信、スマート家電、電池、半導体、工作機械、光学機器 |
事業化状況 | 研究中止または停滞中 |
事業実施年度 | 平成24年度~平成26年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
銀・錫微粉末ペーストに圧力と温度を加えながら低温で焼結し、良好な耐熱・電気・熱特性を持つ接続技術とその製造技術を確立する
開発した技術のポイント
ミクロンサイズの銀、錫等の金属微粉末ペーストに圧力と温度を加えながら焼結することにより、耐熱性・信頼性の高い接続技術とその技術を実現する製造装置を確立する
(新技術)
耐熱性・信頼性の高いAg3Sn合金の焼結体による接続技術を確立する
(新技術の特徴)
SiC等の次世代パワー半導体が使用可能となり、高温で動作し、電流密度を大きくでき、スイッチングが高速になり、オン抵抗が小さくなる
具体的な成果
シングル加圧・加熱装置の開発とAg・Sn微粉末ペーストの焼結条件、及び簡易信頼評価の検討
・マルチチップ接合装置の開発とフィルムを用いた焼結条件の検討
・可搬加圧・加熱装置の開発と焼結条件の検討
‐数10分の加圧・加熱による焼結を想定し、高温化環境において所定の圧力をデバイスに印加し続けられる、可搬可能でコンパクトなユニットを開発した
・最適プロセスデザインの検討
研究開発成果の利用シーン
・シングルチップ対応加圧・加熱接合装置
・マルチチップ対応加圧・加熱接合装置
・次世代パワー半導体製造サービス
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・Ag・Sn金属微粉末ペーストを用いた「動的焼結」により得られたAg3Sn合金は、融点が約480℃と高耐熱であり、開発した装置は、1,000N~5,000Nと従来の装置に比べ、10倍以上の加圧を可能にすることができた
・特許を5件出願し、国内で1件・米国で2件の権利化が完了した
製品・サービスのPRポイント
・新たな高耐熱接合技術により、次世代パワー半導体の歩留まり向上、コスト低減に寄与
‐従来の複合技術では、高温時に熱歪や金属間化合物に起因する損傷が生成され、良好な電気電導性と熱伝導性が得られないことが課題となっていた
・接続信頼性の高いAgSn焼結では、次世代パワー半導体の高温動作時に接合部が劣化せず、製品の歩留まりが向上することでコスト低減が実現する
・次世代パワー半導体が電気自動車や再生エネルギー発電装置等、様々な製品の売上拡大に貢献
‐従来のSi半導体に比べて、次世代パワー半導体は、(1)耐圧性が高い、(2)高温で動作する、(3)電気密度を大きくする、(4)スイッチングが高速である、など多くの優れた性能を有している
‐次世代パワー半導体により、様々な製品において電力制御が実現し、半導体の用途と製品売上の拡大に貢献する
今後の実用化・事業化の見通し
・見出したAgSn焼結に関しての信頼性評価を行い、200℃~250℃の高温下で使用される次世代パワー半導体での使用に問題ないかを検証するべく、川下企業と協力し、要求される信頼性を明確にすると共に、実用化に向けた取り組みを行っていく予定である
・凹凸吸収フィルムについては、高加圧接合時に半導体チップの厚さバラつきを吸収する手法として、同様に川下企業と協力し応用の仕方を検討していく
・可搬可能なオイルを用いた加圧加熱ユニットについては、今回の研究開発より課題を抽出して、実用化に向けて検討していく
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | アルファーデザイン株式会社 |
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事業管理機関 | アルファーデザイン株式会社 |
研究等実施機関 | 国立大学法人東京大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | アルファーデザイン株式会社 |
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事業内容 | FA装置の開発・製造・販売・半導体高精度実装装置の開発・製造・販売 |
本社所在地 | 〒389-0511 長野県東御市滋野甲2211番地3 |
ホームページ | http://www.alpha-design.co.jp/ |
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