測定計測
シリカモノリス搭載ピペットチップとペプチド核酸クロマトによる自動ウイルス濃縮・15分迅速蛍光高感度検出システム
大阪府
株式会社クオルテック
2025年3月13日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | ペプチド核酸を用いた高感度・オンサイト利用可能な家畜感染ウイルス検出システムの開発 |
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基盤技術分野 | 測定計測 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、環境・エネルギー、農業 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(生産性増加)、低コスト化 |
キーワード | 養豚農場、豚流行性下痢(PED)ウイルス、オンサイト検査装置、発症前検査、簡便低コスト |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成30年度~令和2年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
わが国の畜産現場では、近年家畜感染症の蔓延による大規模な生産被害が大きな問題となっている。しかし従来の家畜感染症の検査は、感染症発症後に検査・対策を実施するシステムであり、感染力の高い家畜感染症の大規模なパンデミック感染の予防ができない。本開発では、畜産現場でのオンサイト利用が可能で、専門技術が不要な簡便・迅速検査を実現させ、ユーザーである畜産生産者の利用性の高い家畜感染症検査システムを開発する。
開発した技術のポイント
・ペプチド核酸(PNA)クロマトの開発
-PED ウイルスを 95%以上の特異度で捕捉できる PNA プローブを設計し合成するこで、3倍高感度化した蛍光ビーズ修飾抗体を作成した。
・PNA クロマト用ハウジングケースの金型を設計し射出成型品を作成した。
・ウイルスをシリカモノリスカラム上で濃縮する技術の開発
-シリカモノリスのPEDウイルスに適したメソ細孔の構造最適化しウイルス捕捉能力向上、カテキン装飾により回収率の高度化を実施した。
・オンサイトでウイルスを抽出・検出をする自動化装置の開発
-目標 40cm 立方に対し、36cm(B)×21(D)×28(H)で容積 1/3 の装置を開発した。
・システムの臨床的信頼性立証
-検査システムの実際の動画(糞便採取/前処理/装置動作/判定)を撮影して、それに基づいた WEB アンケートを考えて畜産現場で検査を担っている獣医師に評価して頂いた
具体的な成果
・ペプチド核酸(PNA)クロマトの開発
-PEDV(豚流行性下痢ウイルス)の特異的なPNAプローブ、高感度の蛍光修飾抗体、PNAクロマト用ハウジングケースの構築を実施し、PNAクロマトキットを開発した。
・ウイルスをシリカモノリスカラム上で濃縮する技術の開発
-ピペットチップカラムを開発した。
・オンサイトでウイルスを抽出・検出をする自動化装置の開発
-15分で自動判定が可能な小型軽量安価な自動ウイルス濃縮検出装置を開発した。
-コンタミを防止する取り外し簡便なプリパックを開発した。
・システムの臨床的信頼性立証
-糞便検体中のPEDウイルスを使って検証を実施した。畜産関係者に検査システムの動画でのWEBアンケート実施して事業化においての課題抽出を行った。
研究開発成果の利用シーン
畜産現場で生産者が日常の飼養作業の中で簡便且つ高感度に感染状況を知ることで、潜伏期間が短く感染力が強いウイルスであったとしても急拡大を抑えることが可能になる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
令和3年度に大規模農場へのサンプル出荷を実施する予定だったが、WEBアンケートの結果などから、装置のマルチ化やビジネスモデルの変更を検討する。
提携可能な製品・サービス内容
試験・分析・評価
製品・サービスのPRポイント
短時間で検査可能であり、発症前のウイルスを検出できるため、子豚(肥育豚)の入荷段階で即日判定を行い、適切に隔離処置を行うことが可能。また、オンサイト検査で簡便、低コストを実現しているため、日常検査及び出荷全頭検査を行うことが可能である。
今後の実用化・事業化の見通し
WEBアンケートの結果より、取り組んでいたPEDからPRRS(豚繁殖・呼吸障害症候群)へ流行が移行しているおり、判定できる感染症のマルチ化ニーズが高まっていることから、PRRS のキット開発、装置のマルチ化対応への改良などを優先して進める。並行して、商品化のための補完研究や商流の検討なども進める。ユーザーとしては、初期投資を抑えるために、販売よりもレンタルのニーズが高いことが判明したため、多くの農場・獣医に幅広く拡販できるよう各種のビジネス形態も検討を進める。
実用化・事業化にあたっての課題
・PRRS のキット開発、装置のマルチ化対応への改良
・補完研究や商流の検討
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社クオルテック バイオ事業部 |
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事業管理機関 | 一般財団法人大阪科学技術センター 技術振興部 |
研究等実施機関 | 北斗機械株式会社 株式会社ビズジーン 共栄産業株式会社 国立大学法人神戸大学 人間発達環境学研究科 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社クオルテック(法人番号:5120101021226) |
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事業内容 | 製造業(レーザ加工・研磨・パワーサイクル試験等) |
社員数 | 220 名 |
本社所在地 | 〒590-0906 大阪府大阪府堺市堺区三宝町4丁230番地 |
ホームページ | http://www.qualtec.co.jp |
連絡先窓口 | 齋藤 博之 |
メールアドレス | saitouh@qualtec.co.jp |
電話番号 | 072-226-7175 |
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