研究開発された技術紹介

巨大地震が頻発する日本では有力な地震対策として免震装置の優位性が認識されており、なかでも巨大地震や長周期地震動に対応できる高減衰免震装置の需要は大きい。しかしながら、高減衰ゴムと金属とを強固に接着可能な専用の接着剤がないため、市場の要求に応えられる性能の免震装置を供給できていない。そこで、高減衰ゴムと金属とを強固に接着し、高減衰免震装置を低コストで製造可能とする接着シート及び接着剤を開発する。

・最新の免震装置用として用いられる高減衰ゴムと金属との接着力を飛躍的に向上させる接着剤・プライマーの開発に成功した。
・接着剤だけでなく、接着シートという形にすることでコスト削減や不良率の低減を達成する技術開発を完了できた。
・接着工程でVOCが発生しないため作業者や環境に優しい製品としての優位点も付与できた。

・高減衰ゴム用接着剤の開発
*目標値：25MPaまたは材料破壊
*結果：目標の材料破壊を達成
・高減衰ゴム用接着シートの開発
-基布の表面処理技術の確立
*プラズマ・コロナ処理、およびRFL処理を適用。目標値：接着力8MPa以上向上
*結果：接着力8MPa以上向上を達成
-プライマーの分散性・強度向上
*目標値：25MPaまたは材料破壊
*結果：目標の材料破壊を達成
-シート化技術の確立
*3,000m塗工時にて、シート製造条件確立。目標値：膜厚誤差+/-15%
*結果：膜厚誤差+/-3.5%以内を達成。
・接着シートの性能評価と加熱成形条件の確立
*目標値：高減衰ゴム標準5種との加熱成形条件検討
*結果：試作した積層体で減衰性能の目標値を達成。

出願予定。

最新の免震装置用高減衰ゴムと金属との接着。波及効果により、自動車用防振ゴム、建機、航空機部品メーカにも展開する可能性あり。

開発した「接着剤・プライマー」、およびこれらの薬剤を取扱いし易くシート化した「接着シート」を有望な潜在顧客に対して順次供給を開始する。続いて各々のユーザー側から得られる性能評価結果を、ユーザー毎に異なる詳細仕様への改良にフィードバックし、さらに顧客にとって使い勝手が良く魅力的な製品展開へ導く。

最新の免震装置用として用いられる高減衰ゴムと金属との接着力を飛躍的に向上させる接着剤である。また接着シートという形にすることでコスト削減や不良率の低減を達成できる。また、接着工程でVOCが発生しないため作業者や環境に優しい製品としての優位点もある。

2021年度までに生産体制の構築とサンプル出荷によるユーザー評価に注力し、2022年度より本格的な製品販売へ移行する予定である。想定するスケジュールが順調に進めば2024年度に売上高2億円の生産規模への拡大を目指して市場開拓を進めていく計画である。

特になし。将来的なターゲット向上に備えて、継続して技術向上に努める。