接合・実装
建築現場の生産性向上
大阪府
株式会社神山鉄工所
2021年2月17日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 作業時間を1/2にする新型ドリルねじの研究開発 |
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基盤技術分野 | 接合・実装 |
対象となる産業分野 | 建築物・構造物 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮) |
キーワード | 作業効率化、作業者負担軽減 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成29年度~令和1年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
住宅建築産業では作業員の確保が重大問題である。近年防災意識の高まりとともに、軽量・重量鉄骨造住宅の着工が増加している。建築現場での生産性を向上させるために、下穴なしで鉄骨と木材等の内外装材を締結するドリルネジが開発されている。本提案ではさらにこの作業時間を半減し、その品質を安定させことを目的に、これまでの独自事業で明らかとなった刃先形状の革新を行い、これを正確に再現し続ける生産技術の開発を行う。
開発した技術のポイント
・ドリルの進行速度、トルク、スラスト等を個別評価できるドリルねじ切れ味評価装置を開発。
・評価装置とAbaqusによる先端形状最適化並びに5軸加工機による試作品(試作品加工プロセス確立)確認により、最適なドリルねじ先端形状を導出。
・大型ドリルねじにおいて、従来品と比較しドリリングタイムが1/2以下の作業時間となる効果を得た。
具体的な成果
・切れ味評価法の確立
-従来の試験機に比べ測定項目を増やした切れ味評価装置を開発
-同時に、上記装置より得られた評価結果の判定基準を確立し、定量的評価につなげた
・新しい先端部形状の開発
-CAEによる刃先性能評価および、5軸加工機による試作製作によって、最適形状を模索。
-形状決定後、実際に試作品を制作し、量産にも問題がないか検証。
・先端部強靭性最適化
-刃先の鋭さと折損のリスクを最小にする最適熱処理条件を導出した。
・量産時のセンタ部形状管理法の確立
-従来のねじ頭、ねじ山を検査する選別機に、ドリル刃先も検査する機構を加えたものを製作した。
知財出願や広報活動等の状況
2019年4月18日の日刊工業新聞にて、神山鉄工所のねじ込み試験装置SCR-19Sの記事が掲載された。
研究開発成果の利用シーン
住宅建築現場、とくに軽量、重量鉄骨住宅での耐震性向上のために、より大型のねじを必要とする場面。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
設備投資により、今回開発に成功した8mm径ドリルねじの量産体制を確立。同時に品質保証体制も構築。ユーザへの認知を促すとともに、従来品との差別化のため高付加価値ブランドの設定を計画。
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
従来品と比較しドリリングタイムが1/2以下の作業時間となる効果を得たことにより、人材の不足が叫ばれる建設業界において強く望まれている作業時間短縮に応えることが出来る。
今後の実用化・事業化の見通し
本プロジェクトの研究開発成果の事業化については神山鉄工所では以下の方針で進める考えである。
・社内体制構築
-追加設備投資により作業時間1/2化に成功した8mm径ドリルねじの量産体制を構築する。
-画像検査装置による刃先管理法の精度を高め品質保証体制を構築する。
・販売促進
-これまで作業時間の長さを理由として置き換えが進まなかった溶接からドリルねじへの工法変更を本プロジェクトの成果を紹介してユーザーに促す。
-従来品との差別化のため作業性が高い高付加価値品ブランドを立ち上げ市場投入する。
実用化・事業化にあたっての課題
・試作数量が5,000本であり、通常生産量の数万本から数10万本における生産上の問題の確認、対応。
・鍛造試作時に確認したへこみ疵対策。
・6mm径ドリルねじを含む他サイズへの展開。
事業化に向けた提携や連携の希望
ユーザーが求める形でのねじ性能データのエビデンスを大阪府立大学と大阪産業技術研究所との連携をもとに作成し事業化を促進したい。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社神山鉄工所 |
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事業管理機関 | 公立大学法人大阪(大阪府立大学) |
研究等実施機関 | 株式会社 神山鉄工所 地方独立行政法人大阪産業技術研究所 加工成形研究部 公立大学法人大阪(大阪府立大学) 工学研究科 |
アドバイザー | 株式会社関西リベットサービス 株式会社野畑建設 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社神山鉄工所(法人番号:3122001001615) |
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事業内容 | ねじの製造販売 |
社員数 | 50 名 |
生産拠点 | 桜井工場 |
本社所在地 | 〒577-0067 大阪府東大阪市高井田西5-4-8 |
ホームページ | http://www.kamiyama-tekkosho.co.jp/ |
連絡先窓口 | 株式会社 神山鉄工所 代表取締役社長 神山貴至 |
メールアドレス | ta.kamiyama@kamiyama-tekkosho.co.jp |
電話番号 | 06-6782-2255 |
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