測定計測
従来の医療データに加え,シミュレーションを活用した新たな医療データ群と術中計測デバイス群による,術中診断・治療支援システムの開発
東京都
第一医科株式会社
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 術中計測デバイスと新医療データ群に基づく聴覚障害の診断・治療支援システムの開発 |
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基盤技術分野 | 測定計測 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加) |
キーワード | 低侵襲、データベース、中耳、耳小骨、シミュレーション |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成29年度~令和1年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
耳科領域の診断・治療は、医師の感覚と経験に依存しており、安全でより高い治療効果を得るためには、定量的な計測結果と臨床データおよび理論に基づいた判断を行うとが重要である.本申請研究では、新たに開発する術中計測デバイスと臨床および理論に基づいたデータベースとを組み合わせることにより、診断・治療支援システムを構築し、高齢社会を見据えた新たな医療支援産業を創出する。
開発した技術のポイント
耳科手術における、手術の安全性確保、治療効果・予後成績の向上、および治療技術の継承に関する高度化において、下記事項を本研究開発の目的とする。
1.医療データのマネジメントとデータベース化
2.耳小骨可動性および中耳伝音特性の定量計測デバイスの開発
3.耳科手術用インテリジェント・オペレーティングルームの開発
4.治療技術継承システムの開発
具体的な成果
1.医療データのマネジメントとデータベース化
→200件の患者データを登録、シミュレーションによる新たな医療データの創出として有限要素中耳モデルを作成し、代表的疾患の程度と可動性低下量の関係を数値化。第25回日本耳科学会奨励賞受賞。
2.耳小骨可動性および中耳伝音特性の定量計測デバイスの開発
→耳小骨可動性計測装置を開発、第三者機関による計測システムの安全性(漏れ電流)の確認を行い、電磁両立性(EMC)予備試験、製品安全の予備試験を実施し、本開発装置の改良を行った。
3.耳科手術用インテリジェント・オペレーティングルームの開発
→診断・支援のためのシステムインターフェースの構築、手術の安全性監視・最適な処置方法の提示・処置結果の確認および予後成績予想を行えるシステムを構築
4.治療技術継承システムの開発
→病変による耳小骨の各部位における固着や離断を再現した力覚提示モデルを6基作成、開発した可動性計測プローブと力覚提示モデルを用いた計測練習が可能なe-learningコンテンツを開発
知財出願や広報活動等の状況
中耳伝音特性評価システム、中耳伝音特性評価方法、および計測プローブ(特許登録番号:特許第6596141号)
研究開発成果の利用シーン
耳科手術前および手術中
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
令和2年度は追加研究・評価を行い、令和3年度から薬事申請・認可、出願公開を行う。
令和4年度から設備投資を行い、令和5年度から製品の生産・販売を開始する予定。
提携可能な製品・サービス内容
共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
シミュレーション研究に対し、第25回日本耳科学会奨励賞受賞。
耳小骨可動性計測装置の開発において、「中耳伝音特性評価システム、中耳伝音特性評価方法、および計測プローブ(特許登録番号:特許第6596141号)」特許化。
今後の実用化・事業化の見通し
■スケジュール
追加研究:令和2年度~令和5年度
設備投資:令和4年度~令和5年度
製品などの生産・販売:令和2年度から外部資金(AMEDなど)申請、令和5年度から上市
出願公開:令和3年度~令和5年度
薬事申請・認可:令和3年度~令和5年度
実用化・事業化にあたっての課題
1.医療データのマネジメントとデータベース化
→計測者により可動性計測値が異なってしまう事例が見られており、対策検討中。そのため、他施設での計測は対策後に行う予定。
2.耳小骨可動性および中耳伝音特性の定量計測デバイスの開発
→計測者や装置の姿勢に関わる計測データの安定性向上のための試験・評価に工数がかかり、設計・製作に若干の遅れが生じている。
3.耳科手術用インテリジェント・オペレーティングルームの開発
→診断・支援プロブラムのアルゴリズム開発およびコード化は終えているものの、現状のデータベースは的確な診断・手術支援が行えない状況である。ヒトによる計測が実施可能となり次第、データを積み上げながら診断・支援の有用性を確認してゆく。
4.治療技術継承システムの開発
→3Dプリンタなどを活用した量産化の検討も行い、その方向性は定めたものの、実際に作成したモデルの均一性の評価までは行えていないため、今後、その評価を行い、現実的な量産化方法について検討を重ねてゆく。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 第一医科株式会社 |
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事業管理機関 | 国立大学法人電気通信大学 |
研究等実施機関 | 国立大学法人電気通信大学 株式会社リーデンス 学校法人慶應義塾 |
アドバイザー | 電気通信大学研究戦略統括室 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 第一医科株式会社(法人番号:1010001004353) |
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事業内容 | 耳鼻咽喉科分野に特化した医療機器の製造販売、製品開発及び輸出入業務 |
社員数 | 70 名 |
本社所在地 | 〒113-0033 東京都文京区本郷2-27-16 |
ホームページ | www.first-med.co.jp |
連絡先窓口 | 第一医科株式会社 池上 元 |
メールアドレス | 'hikegami@first-med.co.jp |
電話番号 | 03-3814-0111 |
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