測定計測
介護者にとって取扱いが簡便で介護者の日常作業に負担をかけない離床センサーを提供
奈良県
日本電子精機株式会社
2023年2月13日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 医療・介護従事者および対象者の負担を軽減する印刷法を基軸とした電極作製技術を用いた使い捨て可能な離床センサーの開発 |
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基盤技術分野 | 測定計測 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、情報通信 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加) |
キーワード | 転倒転落防止、離床センサー、AI、使い捨て、プリンテッドエレクトロニクス |
事業化状況 | 実用化間近 |
事業実施年度 | 令和1年度~令和3年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
現行の離床センサーには、製品形態に起因した対象者へのストレスがあり、また設置・運用に掛かる医療・介護スタッフへの業務負担や、報知タイミングが遅いなど様々な課題が挙げられる。これらの課題を解決するため、印刷方法を基軸とした電極作製技術を用いて、使い捨て可能な離床センサーを開発する。
開発した技術のポイント
・電極部の開発
-印刷による大面積の電極部の作製。
-薄く柔軟性のあるフィルム基材に印刷で電極を形成することによる使い捨て可能な電極部の作製。
・ユーザビリティの高い機器の開発
-電極部を使い捨てにする際に容易に脱着できるコネクタの作製及び使い方が簡便な中継器の作製。
・離床事前動作の検出アルゴリズムの開発
-測定した静電容量のデータを機械学習で判定し、対象者が設定した状態になった際に発報信号を出力するアルゴリズムの作成。
具体的な成果
・電極部の開発
-大型印刷機を導入し、ベッドに設置できるサイズの電極部(基材サイズ:1350mm×1000mm、印刷範囲:950mm×840mm)を作製。
-電極部の構造を当初想定していた防水シーツと一体化する構造から、防水シーツと分離する構造へ変更し、さらに電極パターン、原材料の見直しを行うことで、機能、生産性が向上。
・ユーザビリティの高い機器の開発
-コネクタ、電極部の接続部を容易に脱着できるように設計。コネクタのプラスチック筐体の簡易金型を作製し、量産試作を実施。
-発報タイミングの切り替え、ロギング機能を追加した中継器の試作品を作製し、そこから必要最小限の機能に抑えて省コスト化した量産試作品を作製。
・離床事前動作の検出アルゴリズムの開発
-測定した静電容量のデータから機械学習で対象者のベッド上の姿勢や離床事前動作の有無を判定し、予め設定した発報タイミング(離床・端座位・離床事前動作)でナースコールシステムに発報信号を出力するアルゴリズムを作成。
・その他
-病院・介護施設の対象者に対して実証実験を実施。
-製品名の決定、ロゴの作成、販売促進用のチラシやプロモーション用の動画の作成。
知財出願や広報活動等の状況
・特許
-離床検出装置と離床検出方法(特願2020-044851、特開2021-146183)
-離床センサ用中継器取り付け具(特願2020-044203、特開2021-145092)
-離床検出装置と離床検出方法(特願2020-145142、特開2021-146183)
・学会
-第38回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウム
研究開発成果の利用シーン
・転倒転落のリスクが高い対象者に対して本離床センサーを設置することで、そのリスクを低減することができる。
・本離床センサーの電極部が汚染された場合には、容易に使い捨てることができる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・病院・介護施設にて、アルゴリズムの精度確認のための試験を実施中。
・医療介護関連の商材を取り扱っている商社と販売について協議中、また上市の前段階としてサンプル出荷についても併せて協議中。
・2023年10月に上市予定。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、素材・部品製造、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
・電極部が使い捨てることができるので、洗浄作業の負担や感染リスクを低減できる。
・電極部が薄く柔軟性があるため対象者が違和感を感じにくく、上にシーツを被せるため目立たず心的拘束感も少ない。
・電極部を容易に交換できるため、施設職員の作業負担が少ない。
・発報のタイミングを3段階に設定できるため、対象者の転倒転落のリスクに合わせた発報のタイミングに設定が可能である。
今後の実用化・事業化の見通し
・想定する市場は介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院、介護療養型医療施設であり、事業化当初の販売先は中国、四国地方を想定。
・事業化後3年程度には全国展開の予定。
実用化・事業化にあたっての課題
・電極部は使い捨てであるため原価を抑える必要があるが、現状生産速度が十分でなく人件費が原価の大きな割合を占めているため、生産性の更なる向上が課題となっている。
・発報のタイミングの3段階の内、精度が目標値に達していないものがあるため、継続してアルゴリズムの検証が必要となっている。
事業化に向けた提携や連携の希望
本離床センサーの発報信号を受信するナイスコールシステムのメーカー、本離床センサーを設置する医療介護施設向けのベッドのメーカーとの連携を希望。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 日本電子精機株式会社 島根事業所 |
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事業管理機関 | 公益財団法人しまね産業振興財団 企業振興部 新事業支援課 |
研究等実施機関 | 島根県 島根県産業技術センター高機能センシング応用製品開発プロジェクトチーム 大阪電気通信大学 大学院 医療福祉工学研究科 医療福祉工学専攻 中村英夫准教授 森ノ宮医療大学 医療技術学部 臨床工学科 藤江建朗准教授 |
アドバイザー | オルバヘルスケアホールディングス株式会社 本田佳範執行役員 社会福祉法人隠岐共生学園 名越英貴事務局長 一般財団法人医療・介護・教育研究開発財団 柳川病院 井上由美子看護部長 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 日本電子精機株式会社(法人番号:8150001013219) |
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事業内容 | 生活関連産業用機械製造業(印刷関連装置製造)、製版業(感光性樹脂版製造) |
社員数 | 40 名 |
生産拠点 | 本社、葛城工場、島根事業所 |
本社所在地 | 〒639-0235 奈良県香芝市良福寺46番地の1 |
ホームページ | https://jemflex.co.jp/ |
連絡先窓口 | 日本電子精機株式会社 安部 聡一郎 |
メールアドレス | s.abe@jemflex.co.jp |
電話番号 | 080-4015-6952 |
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