複合・新機能材料
高性能有機TFTを実装した超大型サイネージ技術の開発
千葉県
株式会社オルガノサーキット
2021年2月21日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 高性能有機TFTを実装した超大型サイネージ技術の開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 情報通信、半導体、エレクトロニクス |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、低コスト化 |
キーワード | 有機半導体、サイネージディスプレイ、超大型ディスプレイ、超薄型ディスプレイ、軽量ディスプレイ |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成29年度~令和1年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
社会インフラにおいて大画面ディスプレイのニーズは増してきているが、現在の製造技術において、軽量化と低コスト化を両立させることは困難である。そこで、提案者らの高移動度かつ低ばらつきの有機半導体塗布技術と、有機トランジスタ集積回路技術により、画像を表示するためのアクティブマトリックス回路を作製し、その上にLED素子を実装することで、軽量化とフレキシブル性を兼ね備えた大面積LEDディスプレイを実現する。
開発した技術のポイント
・印刷法によるシート状の高密度有機TFTアレイ作製プロセスを確立
有機半導体材料および有機トランジスタ集積化回路をアクティブマトリックス回路に適用し、30cmフィルム基板に0.15mm 角のTFTアレイを作成した。
・大型フレキシブルLEDパネル作製プロセスの開発
有機TFTアレイを実装した50cm角のディスプレイモジュールを作成、点灯を成功させた。連続画像表示できるよう、モジュール間をシームレスに接続する技術を開発。
・フィルム上周辺回路技術の開発
低コストのLED駆動用回路を設計し、フレキシブル基板上に実装した。
具体的な成果
・高密度有機TFTアレイ作製プロセスを確立
30cmフィルム基板に0.15mm 角の TFT アレイを作成。30cm角に100,000個の有機TFTを集積し、歩留まり 95%、オン電流ばらつきの低減を実現した。
・大型フレキシブルLEDパネル作製プロセスの開発
有機 TFT アレイを実装した50cm 角ディスプレイモジュールを試作、点灯に成功した。有機 TFT アレイは、 50cm 角モジュール上に実装する方法と配線手法を開発している。また、ラミネーション実装プロセスを最適化し、量産に必要な 1 時間程度のタクトタイムを実現した。LEDディスプレイは40cm角エリアに3mmピッチの高密度ディスプレイを作製した。モジュール接続については、モジュール間接続不良を 1%以下にするモジュール接続技術を開発した。
・フィルム上周辺回路技術の開発
20MHz 級高速有機 CMOS ディスプレイドライバ用集積回路プロセスを開発、ドライバ回路をディスプレイモジュール内に実装した試作品を作成し、表示に成功した。
研究開発成果の利用シーン
本開発技術を活用することにより、大型ショッピングセンターや駅構内などの多種多様な場所に、大画面のディスプレイをフレキシブルに設置できる。設置コストを低く抑えられるだけでなく、形状の制約を受けにくいデザイン性の高い製品開発が可能となる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
共同研究実施企業にて、ディスプレイ製造を行う大手映像機器メーカ企業に対して、有機 TFT のサンプルを提供し、共同生産体制の構築・技術移転を進めている。また、製品開発・販売だけでなく、普及のためのサイネージ設置場所となるビルや店舗に対する広告事業も計画している。
提携可能な製品・サービス内容
共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
本開発技術を活用することにより、以下4点のメリットがある。
・ディスプレイパネル自体の製造コストの削減
・ 軽量化に伴う筐体を含めた製品コストの削減
・ 軽量化とフレキシブル化による設置コストの削減
・ 設置場所の自由度の拡大
これにより、デジタルサイネージディスプレイの一般普及を促進することが可能となる。
今後の実用化・事業化の見通し
共同研究実施企業にて、来年度中には、少量の生産が可能になる見込みである。また、製品ラインナップの増加も図っており、現在、高精細(1mm 画素)の次世代機の計画中である。商品化は数年以内にめどをたてる見通しをたてている。
大型サイネージデバイスについては、広告事業者から幅広いニーズがあることを確認しており、関係企業の協力し、量産体制を拡大していく計画である。具
体的には、2025 年に 10000 ㎡を超える生産能力を得て、国内市場の需要に対応する計画である。
る。
実用化・事業化にあたっての課題
事業化に向けては、量産技術の高度化が必要になる。そのために、共同研究実施企業にて、量産装置メーカーとの協力関係を構築し、量産技術の開発を進める予定である。
事業化に向けた提携や連携の希望
ディジタルサイネージ事業会社との提携。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社オルガノサーキット |
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事業管理機関 | 国立大学法人東京大学 新領域創成科学研究科 |
研究等実施機関 | 国立大学法人東京大学 新領域創成科学研究科・物質系専攻・竹谷研究室 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社オルガノサーキット(法人番号:4010401118915) |
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事業内容 | 大画面スクリーンディスプレイを中心としたフレキシブルな電子デバイス製品を開発、製造、販売 |
社員数 | 4 名 |
生産拠点 | 主に協業先に製造委託 |
本社所在地 | 〒411-8520 千葉県柏市若柴178番地4 柏の葉キャンパス148街区2 ショップ&オフィス棟6階 |
ホームページ | http://organo-circuit.com/ |
連絡先窓口 | 国立大学法人東京大学新領域創成科学研究科研究交流係 浦田雅子 |
メールアドレス | k-kenkyu@adm.k.u-tokyo.ac.jp |
電話番号 | 080-3695-5797 |
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