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研究開発された技術紹介

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複合・新機能材料

自動車部品の軽量化

栃木県

株式会社白金

2023年5月31日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 均一分散を可能にする炭素添加技術を用いた高強度・高伸び率とコストを両立したAC2Aをベースとする鋼化アルミ合金の開発
基盤技術分野 複合・新機能材料
対象となる産業分野 自動車
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、環境配慮、低コスト化
キーワード アルミ、炭素、軽量化、高強度
事業化状況 研究実施中
事業実施年度 平成27年度~平成29年度

プロジェクトの詳細

事業概要

自動車産業では燃費向上を目的とした車体の軽量化が進められているが、アルミニウム鋳造部品の更なる薄肉化のために、高強度・高伸び率を実現しつつもコスト増を抑えた新材料が求められている。そこで、非鉄金属に炭素を均一分散できる当社独自の炭素添加技術を自動車のエンジン部品等に使われているAC2Aに適用し、AC2Aに対し、引張強さ1.5倍、伸び1.5倍かつコスト1.2倍以下を実現する鋼化アルミ合金を開発する

開発した技術のポイント

アルミ専用の鋳造炉を開発し、合金の性能と生産効率の向上を目指し、AC2A合金に対する炭素の添加量を0.01%~0.4%まで変化させ、AC2A生材に対し、引張強さ・伸び共1.5倍以上を目指す
(新技術)
・アルミニウム銅合金に炭素を添加することで物性が向上することが分かっていたため、アルミ専用の鋳造炉を開発し、AC2A合金の性能と生産効率の向上を目指す
(新技術のポイント)
・AC2A生材に対し、引張強さ・伸び共に1.5倍以上(引張強さ270MPa以上、伸び3%以上)

具体的な成果

・一体化炉の開発、ガス抜き装置の導入、新鋳造用金型の製造により、引張強さの誤差が36%から5.4%まで減少し、試作段階での製造コストは195円/kgとなった
‐引張強さは鋳造で216MPa(目標値270MPa)、熱処理で308MPa(目標値405MPa)となり、どちらも当初の目標値には届かなかった
‐川下企業の要望である熱処理後300MPa以上という値は達成でき、伸びについては鋳造で3.7%(目標値3%)、熱処理で伸び3.76%(目標値1.5%)となり、目標値以上の結果となった
‐腐食試験で確認を行ったが、炭素添加によって腐食性が大きく変化することはなく、ほぼ同等の結果を示し、炭素の定量については手分析、機械分析ともに炭素は検出されなかった

知財出願や広報活動等の状況

サポイン事業前から進めている鋼化アルミ合金の製造特許【Cu及びCを含むAl合金及びその製造方法:wo2016/039380】については現在も進行中である。

研究開発成果の利用シーン

・自動車の軽量化と低コスト化
・自動車部品に使用するアルミニウム
・自動車のシリンダーヘッドなどのエンジン部品類
・炭素を添加していないアルミニウム銅合金

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

サポイン事業で得た知見をもとに、川下企業か必要としている基礎データの構築を筑波大学とともに進めている。
また、自動車業界以外の分野にもこの技術を使用したアルミを広めるため、純アルミに炭素を添加することによる高度化についても研究を行っている。

提携可能な製品・サービス内容

素材・部品製造

製品・サービスのPRポイント

・炭素添加アルミ合金の安定生産
・引張試験による物性の評価
・炭素を添加したアルミニウム銅合金は引張強さが約2.7倍、伸びが約2.3倍

今後の実用化・事業化の見通し

・自動車メーカーからの要望が多く、車向けアルミ材料の半数以上を占めるダイキャスト材(ADC12など)にも本特定研究開発を応用し、鋳造で10%ほど物性を改善することができたため、適用できる部品が増え、さらなる営業展開が期待できる
・音響メーカーからスピーカーに使用したいとの要望が来ており、現在試作品を作成中

実用化・事業化にあたっての課題

鋼化アルミの基礎データの構築を最優先で進める必要がある

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社白金
事業管理機関 公益財団法人栃木県産業振興センター
研究等実施機関 メタル・アンド・テクノロジー株式会社
栃木県産業技術センター
国立大学法人筑波大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社白金(法人番号:2060001008076)
事業内容 非鉄金属精錬
社員数 4 名
生産拠点 栃木県那須烏山市中央1-5-32
本社所在地 〒321-0621 栃木県那須烏山市中央1丁目5-32
ホームページ http://metal-techno.jp (メタル・アンド・テクノロジー株式会社HP)
連絡先窓口 研究開発 田島匠
メールアドレス t.tajima@metal-techno.jp
電話番号 0287-84-1687