立体造形
ミリ波通信モジュールの小型・低価格化に対応したLTCC基板の開発に成功!
岐阜県
平井精密工業株式会社
2020年3月24日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 高Q・低誘電率高密度実装用LTCC基板の開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、航空・宇宙、自動車、ロボット、農業、産業機械、情報通信、スマート家電、半導体、工作機械 |
事業化状況 | 実用化間近 |
事業実施年度 | 平成23年度~平成25年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
液相焼結で低温焼成を実現した従来のLTCCは、ガラスを混入した事によりミリ波帯でQ値が著しく劣化する。ガラスを混入せずQ値の高い珪酸塩系の誘電体材料の低共融温度フィラー融液の界面反応と結晶種の高度な制御技術を確立し、焼結低温化とQ値低下、比誘電率増加との最適トレードオフを行う。更に、新グリーンシートのバインダー等を選定し、焼結シミュレーションにより導体ペースト、焼成温度プロファイルの最適化を行う
開発した技術のポイント
低損失かつ低誘電率の新規材料を開発し、グリーンシート成形及びLTCC基板の低温同時焼成技術を確立し、ミリ波帯で、「高Q・低誘電率高密度実装用LTCC基板」の開発を目指す
(新技術)
ミリ波帯で高Q値を維持するLTCC新規材料を開発する
(新技術の特徴)
従来と比較し、LTCCの低損失低消費電力、小型化の実現が可能になる
具体的な成果
・低温焼成誘電体材料の開発
‐珪酸塩材料の高Q・低誘電率、低温同時焼成化を実現するとともに、合成・試作、開発材料の物理的特性評価を実施した
・グリーンシート成形技術の確立
‐積層接着可能なバインダの選定、シート成形を実施し、シートの物理・電気的特性を評価した
・低温同時焼成技術の確立(新LTCC基板開発)
‐焼結のシミュレーション、LTCC基板の同時焼成温度プロファイルの決定、ミリ波帯特性の評価を実施した
研究開発成果の利用シーン
・ミリ波低損失LTCC基板
・LTCC基板用グリーンシート
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・ミリ波帯用LTCC基板は世界最少の線路ロスを実現し、反響も非常に大きいが、積み残した部品実装性、即ち半導体用金メッキ(厚金メッキ)の問題解決が事業化の最重要課題である
・積み残した課題は半年後の解決を目途に、開発を継続する予定である
製品・サービスのPRポイント
・ミリ波で高Qを維持するLTCC基板により、モジュールの小型・低価格化が実現出来、用途の拡大へと寄与
‐今まで不可能とされてきたミリ波帯での高Q維持を達成し、誘電体損失を抑えたLTCC基板を開発したことにより、無線通信用モジュールの小型・低価格化が初めて可能になる
‐既存用途の代替や新規用途への拡大が可能であり、製品の売上拡大へとつながる
・世界最小の伝送線路ロスが、製品の性能向上に寄与
‐新たに開発したLTCC基板上の伝送線路ロスは世界最小となる目標値の0.5dB/cmを達成した
‐LTCC基板の低損失性が無線通信用モジュールの性能向上に貢献し、新規市場の創出・拡大が可能である
今後の実用化・事業化の見通し
・開発の低損失LTCC基板は、通信用としてはバッテリー駆動で特に低電力を要求されるポータブル機器用にWiGig
integrationの形で重用され、又新たに介護ロボット、目のセンサー、ウェアラブル機器等の販路を見出し、繋ぎとしてはニッチな市場(backhaul、衛星通信、防衛等)も考えられる
・新マーケットへのLTCCの付加価値性、需要、市場性、市場動向や戦略を見極めつつ、LTCC基板の優位性・付加価値性をアピールし、サンプル提供・デザインインを目指して行く予定である
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 平井精密工業株式会社 |
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事業管理機関 | 一般財団法人ファインセラミックスセンター |
研究等実施機関 | 株式会社ヤスフクセラミックス 丸ス釉薬合資会社 国立大学法人名古屋工業大学 学校法人名城大学 国立大学法人東京工業大学 一般財団法人ファインセラミックスセンター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 平井精密工業株式会社 |
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事業内容 | メタルシート等のエッチング加工、LTCC基板の製販 |
本社所在地 | 〒503-0944 岐阜県大垣市横曽根5-145 |
ホームページ | http://www.hirai.co.jp/ |
連絡先窓口 | LTCC技術室 藤本 |
メールアドレス | fujimoto@hirai.co.jp |
電話番号 | 0584-89-2394 |
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