立体造形
汎用エンジン用シリンダーの軽量化に挑戦 半凝固鋳造技術によりマグネシウム合金での軽量化を実現
岩手県
水沢工業株式会社
2020年3月26日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 優れた耐摩耗性と放熱特性を有する軽量化エンジン用シリンダーの開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 農業、産業機械、工作機械 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成21年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
自動車やチェーンソー・芝刈り機等の機材は、環境問題・安全問題への対応から、軽量化が求められている。とくに高品質を要求する汎用エンジンは、アルミ化までは出来ているが、それ以上の軽量化は出来ていない。今回、半凝固鋳造技術を用いて、新たなマグネシウム合金の開発を行い、耐クリープ特性、耐摩耗性を有する低コストな汎用エンジンを国内初の製品開発を行う
開発した技術のポイント
アルミニウムよりも30%軽く、耐熱・耐摩耗性の高いダイカスト技術を開発
・軽量化
→Mg半凝固ダイカスト法によりAl一般ダイカスト比30%の軽量化
・耐熱クリープ特性・耐摩耗性
→耐熱クリープ特性はADC12以上、耐摩耗性はADC14以上
(新技術)
半凝固ダイカスト法
(特徴)
・低温の凝固スラリーを金型へ鋳込む
→空気の巻き込み巣とひけ巣が少ない
・金型の抜き勾配が小さくて良いため、加工代が少なく、加工時間が短い
→コストが安くなる
・溶融金属ではなく固液共存・セミソリッド状態でかつ低温鋳込みのため金型寿命が長くなる
→コストが安くなる
・半凝固ダイカストによるマグネシウム化を実現
具体的な成果
・草刈り機エンジン用シリンダー製作に適したMg合金を開発
‐新開発の水沢規格Mg合金はゆるやかに固相率が増加し、かつ半凝固スラリーが容易であることを確認
・Mg合金の品質向上のための製造条件を確立
‐半凝固スラリーの最適条件として、固相率を30%、40%、50%に設定
‐湯流れ・凝固特性を考慮した最適な金型設計及び金型製作技術を確立
‐外観品質は射出速度2.5m/s以上で良好となることを確認
‐金型温度200℃、250℃それぞれにおいて湯じわがなく良好な仕上がりを確認
‐ゲート断面積拡大により、湯回りが良好(速度50m/s)となり、シリンダー内壁先端やフィン先端まで溶湯が流れていることを確認
・良好な品質水準を確認
‐30%の軽量化、25℃、100℃、230℃での高温引っ張り試験で機能上のバラツキがなく良好な結果が得られた
知財出願や広報活動等の状況
・出展:日本ダイカスト会議(H22.11、横浜)、ユーロモールド展示会(H22.12、ドイツ)
研究開発成果の利用シーン
チェーンソーや草刈り機等の汎用エンジン用シリンダーに導入することで軽量化を図り、作業者の負担を軽減
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H25年度の実用化を目指して現在補完研究を進行中
・Mgシリンダーのサンプルを提供(無償)
製品・サービスのPRポイント
・強度向上:アルミニウムに準じた強度が保たれる
・耐摩耗性向上:アルミニウムに準じたクリープ特性が得られる
・軽量化:現在の重量比で30%軽量化
今後の実用化・事業化の見通し
H25年度の実用化を目指し、
更なる技術向上を推進
・補完研究を続けつつ、川下企業へ試作品を提供し、性能試験・耐久試験を経てH25年度の実用化を目指している
・実用化後は、釘打ちメーカーをターゲットに新たな販路開拓を行う
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 水沢工業株式会社 |
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事業管理機関 | 一般財団法人青葉工学振興会 |
研究等実施機関 | 国立大学法人東北大学 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 水沢工業株式会社 |
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事業内容 | 非鉄金属製品製造業 |
本社所在地 | 岩手県奥州市水沢区桜屋敷西93-4 |
ホームページ | http://www.micin.co.jp |
連絡先窓口 | 代表取締役 千葉徳男 |
メールアドレス | t_chiba@micin.co.jp |
電話番号 | 0197-24-2250 |
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