立体造形
鋳造部品を固体単位で管理製造データの計測による品質保証を実現
京都府
武蔵キャスティング株式会社(旧:浅田可鍛鋳鉄所)
2020年4月10日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 個体マーキングによる鋳鉄の革新的品質保証システム開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 自動車、産業機械、物流・流通 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(信頼性・安全性向上) |
キーワード | 鋳鉄、トレーサビリティ、マーキング |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成19年度~平成22年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
自動車業界では迅速な不具合対応のために、部品レベルで製造データのトレーサビリティを確保した品質保証が求められている。本研究開発では他に例をみない「砂型鋳造量産ラインにおける全自動個体マーキング装置」を開発し、個々の鋳造部品とその製造データが量産レベルで確実に紐付けできる品質保証システムを構築する。とくに、粉塵や振動など過酷な環境である鋳造現場でハード、ソフトが充分に機能を発揮することを目指す
開発した技術のポイント
固体管理により、個別生産品の速やかな不良特定を実現する
・鋳造部品の全数管理が可能なマーキング手法の開発
・メンテナンスフリーの連続稼働時間の目標は80時間
・計測精度の確保・システム化、耐久性確保
・部品固体番号と生産データの紐付け
・個別生産品についての鋳造条件等のトレース時間は5分以下
(新技術)
・品質管理:部品単位⇒鍛鉄部品の個体マーキング装置
‐鍛鉄砂型造型ラインですべての部品に対し、個別に明確なマーキングが可能
‐小型・省スペースかつ鍛鉄工場の塵埃、揺動にも耐える
・製造データ・検査データ:網羅的に計測⇒鍛造条件自動計測システム
‐非接触注湯温度測定システムにより、枠ごとに全数自動計測
‐鋳物砂特性計測システムにより、水分・砂温度・圧縮強度を管理
・不具合対応:迅速かつ科学的対応⇒統合された鉄部品品質保証システム
‐製造・品質データベース、データマイニングの実現
‐品質改善PDCAの実現
具体的な成果
・鋳造固体マーキング装置を開発
‐4軸水平多関節ロボットによるマーキングの全自動化で、速度は15秒/6ヶ所を達成
‐ロボット位置決め精度は±0.02mmを実現
‐ドットパターンは5mm/パターン×(3桁)を実現
‐移動・掃除・刻印準備時間を含むマーキングサイクルタイムは15秒を達成
‐メンテナンスフリー稼働時間は1ヶ月を達成
・自動計測システムにより注湯温度や鋳物特性を高精度に計測
‐温度測定装置、位置決め用密閉カメラケースで測定の安定性を維持
‐注湯中期・最終期のいずれにおいても、カメラのフォーカス追随性が向上
‐注湯測定温度の誤差は±10%以下であり、目標をクリア
‐従来の人手と自動計測との誤差は±4%であり、目標を大きく上回る
・品質保証システムの確立により、不良率を大幅に低減
‐鋳造品質保証システムにより、不良品ロットの特定を3分で完結
‐品質保証システムの開発により、不良品率3%以下の達成は目前
知財出願や広報活動等の状況
・機関紙:鋳造工学第156回全国講演大会講演概要集「個体マーキングによる鋳鉄品質トレーサビリティ・ソリューション」(H22.5)
・論文:浅田康史ら「個体マーキングによる鋳鉄品質トレーサビリティの改善事例」、日本鋳造工学会誌、Vol.83/No3(H23.3)
研究開発成果の利用シーン
・万一の部品不具合発生においても、直ちに不良原因となったロットを特定
・該当部品群の特定の上で、速やかに回収指示を行うことが可能
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・事業化に成功
・開発技術によりシリアルNoを刻印した部品を提示可能(無償)
提携可能な製品・サービス内容
技術ライセンス
製品・サービスのPRポイント
・トレーサビリティ:部品固体での品質管理による品質保証の強化
・ロス削減:鋳造不良を低減する
今後の実用化・事業化の見通し
品質保証レベルの更なるレベルアップを図る
・今後はシリアルNo刻印部品点数を増やす等で品質保証のレベルを上げ、更なる売上アップを目指す
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社浅田可鍛鋳鉄所 |
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事業管理機関 | 一般財団法人素形材センター |
研究等実施機関 | 学校法人甲南学園甲南大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 武蔵キャスティング株式会社(旧:浅田可鍛鋳鉄所)(法人番号:1130001040915) |
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事業内容 | 自動車、建設機械、産業機械向けの球状黒鉛鋳鉄(ダクタイル)鋳鉄素材及び機械加工 |
社員数 | 127 名 |
本社所在地 | 〒620-0853 京都府福知山市長田野町1-29 |
ホームページ | http://www.asada-katan.co.jp |
連絡先窓口 | 管理部営業課課長 滝本昭文 |
メールアドレス | akifumi_takimoto@musashi.co.jp |
電話番号 | 0773-27-2058 |
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