立体造形
生体に極めて近い高機能病的血管モデルの構築により、医師の技術向上、新たな治療法・医療機器の確立が可能に
宮城県
有限会社テクノ・キャスト
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 三次元造形技術による極限疑似血管モデルの開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護 |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成22年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
医療事故防止対策として血管系疾患の医療技術教育の充実は喫緊の課題であり、現場では高機能トレーニング用血管が求められている。本提案では、造形材に軟質で造形に高度なノウハウを必要とするポリビニルアルコールゲルを使用し、独自の造形サポート・造形プログラム等を開発し、高度な三次元積層技術による内・外膜の多層構造化、物性の多様変化、形状の複雑化により高機能病的血管モデル化を実現する
開発した技術のポイント
造形材に軟質で造形に高度なノウハウを必要とするポリビニルアルコールハイドロゲル(PVA-H)を使用し、高度な三次元積層技術による内・外膜の多層構造化、物性の多様変化、形状の複雑化により高機能病的血管モデル化を実現する
(新技術)
PVA-Hによる品質及び造形技術の高度化による疑似血管モデルを構築する
(新技術の特徴)
臨床に即したスキルや、顕微鏡下血管吻合やカテーテルによる血管内治療を再現したトレーニングが可能となる
具体的な成果
・三次元積層造形装置の構造設計・部品の調達・造形装置の開発
‐インジェクションノズルの形状、温度制御、PVA-H溶液の射出速度等を検討・改善し、試作実験を行った
・血管モデルの高機能化に資する材料適正化・物性適正化
‐PVA-H血管モデルは血管構成細胞との親和性が極めて高く、細胞を生着する機能を有することを確認した
研究開発成果の利用シーン
・PVA-H材料の特性を活かした血管モデルを造形する血管造形ソフト
・PVA-H血管モデル試作品
・血管構成細胞との親和性が極めて高い、PVA-H材料
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・脳神経外科、形成外科からのコメントより、血管モデルの優位性を確認するとともに、各科の手術のシミュレーションを行う場合に要求される血管モデルの仕様を明らかにした
・医師のトレーニング用としてだけではなく、医療機器メーカーにおける製品開発時の臨床前試験や、発売後のハンズオンワークショップ等に使用するニーズが高いことを確認、医療機器メーカーにおける潜在市場の存在を把握した
製品・サービスのPRポイント
・人体に極めて近い高機能病的血管モデルの構築により、医療機器の新規市場が創出
‐高度な三次元積層技術による内・外膜の多層構造化、物性の多様変化、形状の複雑化により高機能病的血管モデル化を実現した
‐PVA-Hの物性を最適化し、血管構成細胞との親和性を高め、細胞を生着する機能を付与することに成功した
・技術習得機会の増加
‐高機能血管の構築により、医師の術前のトレーニングの環境が簡易になり、技術習得の機会が増えた
今後の実用化・事業化の見通し
コンソーシアムメンバー(医師、研究者)や製品を評価している医師らに、学会で同社の製品を発表し、製品の性能の良さをアピールし、専門の販路を持っている商社が、展示会やワークショップなどで拡販し販売することを予定している
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 有限会社テクノ・キャスト |
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事業管理機関 | 株式会社インテリジェント・コスモス研究機構 |
研究等実施機関 | 国立大学法人神戸大学 医学部附属病院 学校法人日本大学 歯学部 国立大学法人東北大学 流体科学研究所 宮城県産業技術総合センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 有限会社テクノ・キャスト |
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事業内容 | 義歯製造全般サージカルトレーニングモデルEXSURGの開発および製造 |
本社所在地 | 宮城県大崎市古川稲葉字前田3-10 |
ホームページ | http://www.tecno-cast.jp |
連絡先窓口 | 柴田幸彦 |
メールアドレス | t-cast@ic-net.or.jp |
電話番号 | 0229-22-3141 |
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