立体造形
アルミ金型を用いた射出成形技術により、自動車ヘッドランプ用レンズの薄肉化を低コストで実現
愛知県
名古屋精密金型株式会社
2020年4月10日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 自動車ヘッドランプ等大型薄肉プラスチック成形品製造を可能とする射出成形技術の開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 自動車 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(小型化・軽量化)、高効率化(使用機器削減)、高効率化(生産性増加)、環境配慮、低コスト化、デザイン性・意匠性の向上 |
キーワード | ヘッドランプ、アルミ金型、薄肉射出成形、ポリカーボネート、流動解析・構造解析 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成24年度~平成30年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
ヘッドランプ用薄肉大型プラスチックレンズは、流動長を伸ばすため高温高圧射出成形の不安定な条件下で行なわれている。これを解決する安定成形可能な金型を提供する目的で1ゼロ点ゲート研究による意匠面ゲート自由設定金型の開発2振動及び金型急冷急加熱法研究による高流動機能金型の開発3大型アルミ金型の量産型適応研究を同時進行させる。最後に目標寸法の研究金型で1万ショットの試作を行い、大型薄肉成形技術を確立する
開発した技術のポイント
自動車ヘッドランプ等大型薄肉プラスチック成形品用金型により、肉厚1.5mm、投影面積600cm2、高さ150mmの成形品を生産できる技術を開発する
(新技術)
・特殊バルブゲートを検討する
・超音波法・ヒート&クール法などで樹脂流動長を伸ばす
・鏡面アルミ金型を創成する
(新技術の特徴)
・射出成形温度を下げ、不良品率を低減できる
・鏡面処理のコストを30%削減できる
具体的な成果
・高流動機能金型の開発
‐特殊バルブゲート・ヒート&クール法・超音波成形法など、あらゆる高流動機能を検討、最終的に特殊アルミ金型による、高流動機能金型を完成させた
・大型アルミ金型の試作型適用
‐アルミにて鏡面金型製作にトライし、50種類以上の表面処理法を検討した。その結果、アルミ材A5052にてRa0.02の面荒さ、HV700の鏡面を得た
・実用化確認試験
‐投影面積600cm2、高さ150mm、平均肉厚1.7mmの成形品を得た。平板小型成形品であれば、300ショットの連続成形可能を確認。
研究開発成果の利用シーン
・自動車ヘッドランプ用プラスチックレンズ向け鏡面アルミ金型
・ブロー成形用鏡面アルミ金型
・樹脂プレス用鏡面アルミ金型
・テールランプ用鏡面アルミ金型
・その他耐熱鏡面アルミ表面を必要とする分野
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・従来のヘッドランプレンズ用鏡面鋼材金型に代わるアルミ製ヘッドランプレンズ用鏡面金型の開発を行った
・アルミ表面を特殊表面処理で、表面硬度HV700・表面粗さRa0.02以下の鏡面を得ることに成功した
・同金型で量産用のポリカーボネート樹脂を用いて通常成形条件にてほぼ目標成形品を得る事を確認した
・同技術はあらゆる成形分野への転用が可能であり、具体的にはアクリルレンズ用射出成形金型・他低圧成形金型への活用を精力的に検討中である
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、加工・組立・処理、素材・部品製造、製品製造、試験・分析・評価
製品・サービスのPRポイント
・自動車ヘッドランプ用プラスチックレンズの薄肉・大型化を実現
‐薄肉の自動車ヘッドランプ用プラスチックレンズを安定的に量産するため、特殊バルブゲートやヒート&クール法、超音波振動法など、各種新技術の検討を行った
‐その結果、特殊鏡面アルミ金型の製造法およびこれを用いた射出成形法を開発した
‐一定温度の高温アルミ金型で、ポリカーボネート透明品の射出成形が可能となった
・射出成形品質の安定化とコストダウンに寄与
‐成形樹脂温度が下げられるため、ガス焼けや熱分解を削減する
‐本体価格の16%コストダウンと、鏡面処理の30%コストダウンが見込める
<問題点>
成形樹脂温度:330℃量産肉厚:2.5mm
投影面積:450cm2高さ:120mm
表面硬度:HV350(防錆必要)
<問題解決>
成形樹脂温度:310℃平均肉厚:1.7mm
投影面積:600cm2高さ:150mm
表面硬度:HV700(防錆不要)
今後の実用化・事業化の見通し
・自動車ヘッドランプ用鏡面アルミ金型として、限界を見極め、量産金型での安全領域を明確化する
・設計変更に確実に対応できる方法の検討を継続する
・確立できた鏡面アルミ金型の技術を応用し、他方法金型への適用展開・事業化を図る
・鏡面アルミ金型表面の損傷時補修方法を確立する
・A5052以外のジュラルミン系アルミに関しての鏡面製作方法を確立する
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社名古屋精密金型 |
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事業管理機関 | 公益財団法人中部科学技術センター |
研究等実施機関 | 国立大学法人岐阜大学 名古屋市工業研究所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 名古屋精密金型株式会社(法人番号:118001092844) |
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事業内容 | 大型射出成型金型製作(自動車ヘッドランプなど) |
社員数 | 136 名 |
生産拠点 | 本社、宮崎工場、熊本工場 |
本社所在地 | 〒470-2102 愛知県知多郡東浦町大字緒川北鶴根66-5 |
ホームページ | http://www.nagoya-sk.co.jp/ |
連絡先窓口 | 研究開発室 近藤浩子 |
メールアドレス | hiroko-kondo@nagoya-sk.co.jp |
電話番号 | 0562-84-7600 |
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