立体造形
生産効率が高く、環境保全に役立つ生分解性ポリ乳酸製のミツ蜂の巣箱
大阪府
株式会社クニムネ
2020年4月10日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 植物由来樹脂製ハニカム構造体の超臨界性流体使用による低粘度射出成形技術の研究開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、農業 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成21年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
クニムネでは平成19年~平成20年度の2年間貴局の支援を得て「生産性に優れた耐熱性生分解性樹脂使用プラスチック製品の製造方法の開発」を行った。この成果の中で得られた「超臨界性不活性ガスを生分解性樹脂に注入し、当該樹脂を低粘度成形する技術」をさらに進化させ、超極薄射出成形により「ハニカム構造体の低粘度射出成形技術」を開発し、環境保全に役立つ植物由来樹脂製のミツ蜂の巣箱を開発する
開発した技術のポイント
植物由来の生分解樹脂(ポリ乳酸)製のミツ蜂の巣箱を開発
・ハニカム形状の薄肉成形金型と最適成形条件の確立→厚み約0.1mm、長さ約10mm、正六角の一辺約6mm、ハニカム個数約1500個
・天然巣脾と同等な成形材料と同等以上の性能を有する巣脾の開発→ミツ蜂が嫌わないポリ乳酸材料の開発
(新技術)
<ポリ乳酸製の巣脾>
(特徴)
・生産効率高い
・長期使用に耐える
・廃棄問題が発生しない
具体的な成果
・ハニカム製品金型流動シミュレーションを実施
-ハニカム製品金型流動シミュレーションを実施、ホットランナー2点ゲートでハニカム400個構成で流動可能と推定
-この結果を本金型設計に織り込んでハニカム800個にゲート4個の金型とすることを決定
-超臨界性流体と流動性については、大差なく、N2よりCO2の方がやや流動改良効果が低いことを明らかにした
・壁の厚さ0.2mm、ハニカム800個の巣脾を作製
-ハニカムを形成するピン基部のクリアランスから流動フロントのガス吸引を考慮した構造とし、ハニカム製品金型を開発
-これを用いて、ハニカム壁の厚さ0.2mm、ハニカム800個構成の構造体を片面4個、両面で8個を別途成形したハチ巣枠に組み込んで1枚の巣脾を作製
・蜜蝋を練り込んだポリ乳酸でハチ巣を成形
-天然巣脾はミツバチが蜜蝋から作成しているため、タンザニア産蜜蝋を使用してポリ乳酸に練りこんだ
-練りこまれたチップも着色もなくポリ乳酸と蜜蝋は相性のいい組み合わせであり、匂いも良好でいわゆる樹脂臭は感じない
-このポリ乳酸/蜜蝋の材料で、蜜蝋1%まで希釈しハチ巣を成形
知財出願や広報活動等の状況
・特許:「人工巣脾」(PCT/JP2011/056062)
・出展:InternationalPlasticsFair(西日本プラスチック製品工業会ブース)(H23.10)
研究開発成果の利用シーン
養蜂およびポリネーション用のミツバチ用巣脾として従来の天然巣脾に比べ生産効率高く、長期使用に耐え、かつ廃棄問題が発生しない
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・実用化に成功、H25年度の事業化にむけ活動中
・サンプルあり(有償)
製品・サービスのPRポイント
・強度・剛性向上:天然巣脾の強度を大きく上回る
・耐久性向上:天然巣脾に比較して耐久性があることをフィールドテスト中
・新素材の実現:養蜂、ポリネーション用の新素材
今後の実用化・事業化の見通し
H25年の販売を目指し、フィールドテストを実施中
・事業後、養蜂用としてのテスト(基本性能問題なし)、養蜂およびポリネーション用としてフィールドテストを実施
・H24年には、上記テストの規模拡大しフィールドテスト予定
・問題なければ、H25年販売開始
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社クニムネ |
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事業管理機関 | 関西ティー・エル・オー株式会社 |
研究等実施機関 | 国立大学法人京都工芸繊維大学 学校法人近畿大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社クニムネ |
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事業内容 | プラスチック成形品の製造 |
本社所在地 | 大阪府東大阪市高井田14-8 |
ホームページ | http://www.kunimune.co.jp |
連絡先窓口 | 開発・技術部部長 長澤次男 |
メールアドレス | nagasawa@kunimune.co.jp |
電話番号 | 06-6782-4777 |
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