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立体造形

革新的な金型低圧鋳造技術の開発により、複雑・中空・大型部材の一体成形に成功

神奈川県

株式会社コイワイ

2020年3月26日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 自動車車体駆動系&家電用、超大型中空Al合金LPD鋳物の開発
基盤技術分野 立体造形
対象となる産業分野 自動車、産業機械、スマート家電、工作機械
事業化状況 実用化に成功し事業化間近
事業実施年度 平成20年度~平成22年度

プロジェクトの詳細

事業概要

自動車・二輪の大型強度部品であるタンクフレーム、サスペンションメンバー等の複雑な曲面形状を有した中空構造品を、プレスや溶接無く一体成形する技術のニーズがある。大型ディスプレイに代表される家電品にも同様のニーズがあるが、適切な加工技術がない。当該研究開発では(株)コイワイの有する独自の試作鋳造技術、カーメーカの要素技術と産総研、理研、早大の解析技術・特許を結集し、革新的金型低圧鋳造技術を確立する

開発した技術のポイント

革新的金型低圧鋳造技術の確立
・複雑形状を実現するための鋳造技術の開発
→複雑形状の薄肉の中子を安定して製造し、かつ精度よく金型にセットするための要素技術の開発
→平均肉厚3mm以下の大型中空複雑形状品を実現する
・一体成形を実現するための鋳造技術の開発
→長尺1mを超える大型サイズを溶接で継ぎ合わせることなく一体で鋳造するための革新的技術を開発する
(新技術)
<大型薄肉・複雑かつ一体中空閉殻構造部品の鋳造技術の確立>
・高精度・大型中子製造技術
・金型内、中子内減圧プロセス
・高断熱粉体離型技術
・プラズマCVD法による焼き付け防止技術
(新技術の特徴)
・長尺1m以上、平均肉厚3mm以下
・溶接なし

具体的な成果

・独自工法を実現するための鋳造機の作製
‐中子の分解発生ガスを効果的に排出でき、金型を一定の温度以下に保持するための温度調節機構を有し、かつ、独自の粉体離型剤を静電塗布する機構を備えた独自の低圧鋳造機を設計製造した
・熱変形問題を解決した大型金型の作製
‐通常、低圧鋳造は400℃前後の金型温度で実施される。メートルサイズの金型では必然的に数mm程度に及ぶ熱変形が発生するが、平均肉厚3mm以下の鋳物を実現する上で致命的な問題となる
‐本研究開発では鋳造時に発生する金型の熱応力変形を、鋳造条件、金型の初期温度を系統的に変量した流動凝固・熱応力連成解析を実施して予測するとともに、温度調節技術を導入して熱変形問題を解決した大型金型を作成した
・メートルサイズ・平均肉厚3mm以下の中空アルミニウム合金鋳物
‐従来の溶接車体重量が約11kgに対し、新開発の低圧鋳造機では5.6kgあたり約50%の軽量化を実現した
‐この実現のために、あらかじめCAEを用いた流動凝固解析を、方案、型温、注湯条件を系統的に変えて最適条件を絞り込んだ
‐実際の鋳造においても製造プロセス条件を系統的に変えることで湯境やガスの巻き込みのない健全な鋳物を作製し、良品を得るための離型剤の塗布条件、金型温度分布、注湯速度の最適値に関する知見が得られた

知財出願や広報活動等の状況

・出展:EVEX2011(H23.10、横浜パシフィコ)
・新聞:日刊工業新聞(H23.6.23)
・特許:低温金型・低圧鋳造法(2011-040436)

研究開発成果の利用シーン

自動車及び二輪車のボディ、大型足回り部品に用いられ、30%以上の軽量化と剛性向上を実現する

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・H25年度頃に実用化を予定
・試作装置を保有。サンプル作成を受託可能(有償)

製品・サービスのPRポイント

・小型化、省スペース化、軽量化、微細化:開発した大型車体部品は最大60%の軽量化を実現
・複雑形状化:中空薄肉のアルミニウム合金鋳物で長寸1メートル前後の自由曲面を有する部品の製造が可能
・強度・剛性向上:ダイカストでは実現困難な閉断面形状で強度と剛性の向上と、軽量化が同時に達成可能

今後の実用化・事業化の見通し

川下産業との連携により海外展開も模索
・川下産業と新たな試作品を開発すると同時に、国内はもとより欧州へ事業化に向けた展開を開始している
・川下産業の要求を満たす性能試験の実施と同時に、川下産業のニーズがある新たな試作品の共同開発を実施中
・H25年度をめどに一部の事業化を開始する予定

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社コイワイ
事業管理機関 学校法人早稲田大学
研究等実施機関 学校法人早稲田大学
国立研究開発法人産業技術総合研究所
国立研究開発法人理化学研究所

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社コイワイ
事業内容 アルミニウム合金鋳物、鋳鉄・鋳鋼鋳物の試作と量産
本社所在地 〒257-0031 神奈川県秦野市曽屋60-1
ホームページ http://www.tc-koiwai.co.jp
連絡先窓口 営業技術部 小岩井修二
メールアドレス s.koiwai@tc-koiwai.co.jp
電話番号 0463‐83‐8140