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機械制御

世界最高水準の性能を誇る超高精度歯車測定機の開発

大阪府

大阪精密機械株式会社

2020年3月20日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 高精度歯車測定機の研究開発及び歯車校正システムへの組み込み
基盤技術分野 機械制御
対象となる産業分野 自動車、ロボット、産業機械
事業実施年度 平成19年度~平成21年度

プロジェクトの詳細

事業概要

自動車、建設機械、ロボットなど多くの分野の基盤技術である動力伝達技術では、歯車が最も多く使われ、歯車の品質向上のための高精度化が強く求められている。それに伴い、歯車の評価技術(精度測定など)の一層の向上が不可欠になってきた。そこで、歯車の精度を左右する最も重要な歯形の形状測定技術を飛躍的(従来の精度を1桁上げる)に向上させるため、従来機の誤差因子を削減する新しい方式の高精度歯車測定機を開発する

開発した技術のポイント

従来の歯車測定機が有する誤差要因を除去し、10倍の精度を目指す
・日本で独自に開発された電子創成式歯車測定機(特開2002-107142)を基本とし、その誤差要因を除去するための構造改良を行う
・精度:従来の高精度歯車測定機の10倍の測定の再現性、測定値の温度依存性
・測定の再現性:0.3µm以下
・測定の温度依存性:0.1µm/℃以下
(新技術)
<誤差削減の手法>
・直接駆動方式の採用等
・ロータリーエンコーダの自己校正法の適用、高分解能・高精度レーザー測長器の採用等
・データ処理手法の適用等
・温度変化の検出とモデル規範補正法の採用等

具体的な成果

・超高精度歯車測定機の試作機の設計・製作
・直接駆動系では、Y-Zステージにエアスライドとリニアモーターを採用し、運動伝達機構に起因する誤差を削減
・レーザー測長器、ロータリーエンコーダの自己校正装置等の導入により、計測センサーに生じる誤差を削減
・高速サンプリングを実現する制御・計測システムの構築、フィルタ処理方法の変更による測定値のばらつき抑制等により、デジタル計測に起因する誤差を削減
・センサーが感知する温度変化に応じて計測値を補正するソフトウェアの導入により、温度変化に伴う測定機の歪みに起因する誤差を削減
・試作機の性能評価により、測定の再現性に関する目標をクリア
・基準器を用いた歯形・歯すじ測定の繰り返し性と再現性の評価において目標の「測定速度10mm/secで、測定の再現性0.3μm以下」を達成
・温度と測定機の精度の相関を解明し、「測定値の温度依存性0.1µm/℃以下」を見込める温度補正方法の組み込みを完了
・校正システムへの適用評価
・試作機を歯車の校正システムに組み込む場合を想定したF/Sを実施
・歯車校正システムへの適用見極めとして試作機の最高測定能力を決定
・試作機(DAT-1)の能力は、現行測定機比で相当の改善が図られており、現状で最高の能力(社内比)を持つ歯車測定機と言える

知財出願や広報活動等の状況

出展:The JSME International Conference on Motion and Power Transmissions

研究開発成果の利用シーン

従来の高精度歯車測定機と比較しても格段の精度を持つ本測定機を、歯車校正システムに組み込むことで、川下産業で用いられる歯車の高精度化と、品質管理能力の向上に貢献する

実用化・事業化の状況

今後の実用化・事業化の見通し

平成23年度中に、歯車校正への使用、校正システムへの組み込みが予定される
・超高精度歯車測定機を歯車校正システムに組み込み、より不確かさの小さな歯車校正サービスの実現を目指す
・現在は開発機の性能評価中
・平成23年度に大阪精密機械の歯車校正機関にて歯車校正に使用予定。また、平成23年4月頃、歯車校正システムへの組み込みを実施予定

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 大阪精密機械株式会社
事業管理機関 株式会社キャンパスクリエイト

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 大阪精密機械株式会社
事業内容 歯車測定機の製造販売
本社所在地 〒577-0032 大阪府東大阪市御厨6-5-16
ホームページ http://www.osk-corp.co.jp
連絡先窓口 技術本部技術部 田口哲也
メールアドレス host@osk-corp.co.jp
電話番号 06-6782-0646