機械制御
走行状態にある車両のタイヤ及びその周辺を確実に洗浄できる技術と実用化、高度化を見据えた開発
北海道
株式会社北土開発
2023年2月4日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 精密水流制御と画像処理技術を統合した農産物運搬用車輌洗浄装置の開発 |
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基盤技術分野 | 機械制御 |
対象となる産業分野 | 農業、産業機械 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加)、環境配慮、低コスト化 |
キーワード | シストセンチュウ、病害虫、車両洗浄装置、画像処理 |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成30年度~令和1年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
我が国の食料生産に甚大な被害をもたらす病害虫の蔓延防止策に、近年関心が高まっている。本研究では、流体工学的な観点による精密水流制御と高速画像処理技術を統合し、病害虫除去性能を極限まで高めた農作物運搬用車両洗浄装置を開発する。また、小型化技術による交換部品のモジュール化やIoTを活用した遠隔診断機能を付加することにより、エンドユーザが抱える可用性への懸念を解消する。
開発した技術のポイント
・洗浄精度の対応
-流体解析シミュレーションと実機評価を元に大型車両のダブルタイヤ間の洗浄に有効な手法を開発し、
試験装置に反映
-均一洗浄のためのノズル配置、タイヤに追従可能なタイミング調整可能シーケンスを構築し試験装置に反映
・小型化、高速化、可用性の向上
-Linuxカーネルをベースとした画像処理プラットプラットホームを開発。
-画像検出が困難なスチールホイルの検出に対して、動体検知技術(フレーム差分法)を導入して解決
-285mm×260mm×1.6mm、質量830gの画像処理ボードを製作。
・可搬化
-20トントレーラー1台で可搬可能な構造の洗浄装置を設計製作
具体的な成果
・洗浄精度の対応
-配管配置、電磁弁配置の調整によりダブルタイヤ、3軸目のタイヤを含め十分な洗浄能力の実現
-ビデオ撮影、圧力、流量の制御を0.1秒の精度で記録可能なデジタル記録計を用いたデータ解析
・小型化、高速化、可用性の向上
-画像処理や電子制御を1枚の処理ボードに集約することで、制御盤で実装するよりも体積比10分の1を実現
・可搬化
-20トントレーラー1台、もしくは4トンのユニック車2台で搬送可能な洗浄装置を設計、製作
-積み下ろし時間は概ね1~1.5時間、セッティング含めても半日で可能
知財出願や広報活動等の状況
・画像処理技術を活用し、タイヤだけをピンポイントで洗浄する技術(特許6303058号)
・精密水流制御に係る技術(特許6656699)
・てん菜研究会及び農業食料工学会北海道支部での発表と研究論文掲載 ・農業関連の展示会やビジネス商談を目的とした展示会で車両洗浄装置をPR
研究開発成果の利用シーン
・北海道で課題となっているセンチュウ対策として効果の高い車両洗浄の実現
・石炭ヤードの汚れ防止、産業廃棄物処分場の運搬車両洗浄、塩カル洗浄
・突発の家畜感染病や農産物の病害虫対策への対応
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
定置型については、センチュウ対策として、北海道内の製糖会社や農協への販売が想定される。また、展示会において新たなニーズがあることが判明している。令和2年4月に販売開始するが、農業関係の関係者への宣伝活動が今後必要。可搬型は製品化のニーズが強いが、市場調査を行いながらその方向性を見定め、さらなる小型化やコスト削減を実施して製品化を進めていく。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作
製品・サービスのPRポイント
・新技術によるダブルタイヤ洗浄技術
・追随制御による走行面の洗浄改善
・車両の通過速度の表示が可能
・画像処理部を基板化(モジュール化)による大幅な小型化と現地での交換作業が容易
(令和3年度納入分に反映見込み)
・中小・大型車を区別した洗浄ノズルの自動選択
・北海道新技術・新製品開開発賞ものづくり部門で大賞を受賞(令和2年11月)
今後の実用化・事業化の見通し
■定置型:令和2年4月より販売開始
・道内8か所の製糖会社及び道内108か所の農協へシロシストセンチュウ、シストセンチュウ対策としての需要
・石炭ヤードの汚れ防止、産業廃棄物処分場の出入り口での運搬車両の洗浄、塩カル除去といった
新たなニーズも判明
・農業関係者への宣伝活動、ユーザーの意識調査、ホームページの新規作成、洗浄装置用パンフレットの作成(済み)
■可搬型
・多くのアドバイザーから早期完成を要望され、全国の自治体への導入も期待されているが、
現在、市場性を調査中である
・4トンユニック車2台で運搬可能なところまで小型化と容易化が進んでいるが、さらに小型化の余地がある
・電源供給がないところでの運用が可能な機種も開発中。
・販売及びメンテナンスを共に進めていけるビジネスパートナーの確保
実用化・事業化にあたっての課題
・定置型の農業関係者への周知
・小型化・コスト低減のための新型ポンプを使った動力部の再設計と試作
・ビジネスパートナーの確保
・小型化のための再試作にかかる費用の捻出
事業化に向けた提携や連携の希望
小型化を進めるにあたり機械構造等に詳しい方のアドバイスまたは連携
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社北土開発 |
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事業管理機関 | 公益財団法人とかち財団 |
研究等実施機関 | 国立大学法人帯広畜産大学 株式会社共成 株式会社カムイ電子 |
アドバイザー | 北海道糖業株式会社 北見製糖所、本別製糖所 ホクレン 清水製糖工場 日本甜菜製糖株式会社 芽室製糖所 北海道立総合研究機構 農業研究本部 十勝農業試験場 株式会社 共成レンテム 本別町、本別町農協、芽室町農協、農家 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社北土開発(法人番号:1460101001569) |
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事業内容 | 総合建設業、産業廃棄物処理(中間・最終)、肥料製造販売、車両洗浄装置開発、メタン発酵システム開発 |
社員数 | 56 名 |
本社所在地 | 〒082-0016 北海道河西郡芽室町東6条10丁目1番1 |
ホームページ | https://www.hokudo-kaihatsu.co.jp |
連絡先窓口 | 株式会社北土開発 事業本部 河村泰彦 |
メールアドレス | y.kawamura@hokudo-kaihatsu.co.jp |
電話番号 | 0155-62-3121 |
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