研究開発された技術紹介

交通インフラ(鉄道・道路の盛り土)及び農地には多くの斜面が存在し、その重要な維持管理作業である除草に大きな労力が必要であり、また作業に危険を伴う場合も少なくない。そこで建設機械や農機の販売・レンタル会社には、高効率で安全な斜面用草刈機の商品化という大きなニーズがある。本研究開発では、独自の車輪、姿勢制御機構、障害物センサ及び四輪駆動操舵機構を研究・実用化し、安全で高効率な斜面専用草刈機を開発する

四輪操舵駆動車両技術、バランスウェイト技術、ダブルワイヤドラム技術、障害物検出技術を確立し、低価格、高効率で安全な斜面専用草刈機を開発する
(新技術)
・四輪操舵駆動車両技術、バランスウェイト技術、ダブルワイヤドラム技術、障害物検出技術
(新技術の特徴)
斜面での操作性が高く、安全な遠隔操作方式の半自動走行斜面用草刈機

・「四輪操舵駆動車両Ⅲ型」は、屋外での走行、登坂テストにて、35°斜面の登坂が可能であることを確認し、車体の総重量が目標値の「570kg以下」であることを確認した(ダブルワイヤドラムユニット搭載時)
・「バランスウェイトユニット」は、屋外での走行テストの結果、目標値とした35°斜面での登坂、横移動が可能であることを確認した
・「ダブルワイヤドラムユニット」は屋外テストにて、50°斜面での登坂、横移動が可能であることを確認した
・外力検出センサとして加速度センサを用い、耐久性の高い先端部機構を開発、障害物検出アルゴリズムを構築し、「障害物検出ユニット」を完成させ、模擬テストと同様の判別結果が得られることを確認した
・屋外の登坂評価などを実施し、四輪操舵駆動車両、バランスウェイト、障害物検出に関する技術目標値を達成した

・斜面専用草刈機
‐斜面での操作性が高く、安全な遠隔操作方式の半自動走行斜面用草刈機
‐バランスウェイト方式草刈機(斜度35°まで対応)
‐ダブルワイヤドラム方式草刈機(斜度60°まで対応)
‐安価な機器構成による姿勢制御技術

事業化に向けた構想設計段階までは進められているが、以降の当該業務への開発リソースが確保できていないため、進捗が停滞気味である。市場では傾斜での草刈りが可能な作業車両への関心は高いため、今後も市場調査は続け、よりニーズに沿った車両の開発を進める予定。

・低価格、高効率、安全
‐安価な機器構成
‐効率的な走行軌跡を得られる
‐急斜面での安定した走行により、安全に作業が行える
‐走路上の金属や石などの障害物を検出する

アドバイザーの意見や、農地や緑化事業関連等の関連分野における独自のニーズ調査を基に、斜面用草刈機の機能について絞り込みを行い、研究開発事業で確立した技術やノウハウを活用して「40°の斜面を安全に走行、草刈作業が可能な実用的で低コストな車両」の事業化に向けた取組みをおこなっている