バイオ
バイオプロセス新技術で環境問題解決に大きく貢献
神奈川県
株式会社ジナリス
2020年3月23日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 機能性化成品を生産する微生物の高速育種法の開発 |
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基盤技術分野 | バイオ |
事業実施年度 | 平成18年度~平成20年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
菌類・放線菌の独自微生物資源、ゲノム・メタボローム解析技術、コンピュータを用いた酵素の立体構造解析技術、新しい進化理論に基づく微生物育種技術および代謝工学技術を活用して、有用芳香族化合物、カロチノイド、有機酸などの機能性化成品を効率よく生産する微生物を高速に育種する技術を開発する
開発した技術のポイント
・フタル酸を原料とする有用芳香族化合物の新規製造法の開発
テレフタル酸からプロトカテク酸を生成する酵素群と没食子酸生成酵素をもとに代謝経路を再構成することにより、テレフタル酸から没食子酸とプロトカテク酸を大量に生産する大腸菌を育種することができた。
・酒石酸生産微生物の育種
グルコースから5-ケトグルコン酸を発酵生産し、さらにL-酒石酸への酸化反応を組み合わせることにより酒石酸の高効率生産プロセスの開発に成功した。
具体的な成果
開発したフタル酸を原料とする有用芳香族化合物の新規製造法とグルコースを原料とする酒石酸の高効率生産プロセスは以下の特徴を有する。
・テレフタル酸からの没食子酸(+プロトカテク酸)の生産性は17.8g/L(注:濃度の単位1リットル中のグラム)
・テレフタル酸からのプロトカテク酸の生産性は17.6g/L
・198g/Lグルコースから61.1g/Lの酒石酸を生産
知財出願や広報活動等の状況
特許出願数:3件
実用化・事業化の状況
今後の実用化・事業化の見通し
1.フタル酸を原料とする有用芳香族化合物の新規製造法の開発
・2009年度「イノベーション推進事業・研究開発型ベンチャー技術開発助成事業」のもと、大手化学企業2社に対して製造委託することにより、工業生産の実証と試作品の製造を行う。
・展示会やニュース発表などを行い、これら成果を広くアピールし、製品の拡販を図る。
2.酒石酸生産微生物の育種
スケールアップ研究を行い、酒石酸・グリコール酸の試作を行ってから、事業化を検討する(現段階では売上見通しを立てていない)
実用化・事業化にあたっての課題
さらなるコストダウンを図るために、生産量を向上させた菌株を育種するとともに、培養液からの精製法の開発・改良を進める必要がある。また確立した培養法と精製法を用いて数百L規模の発酵槽を用いて試験製造を実施する必要がある。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ジナリス |
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事業管理機関 | 株式会社トランスサイエンス |
研究等実施機関 | 株式会社ハイファジェネシス 株式会社ネオ・モルガン研究所 株式会社インレテクチャラル・プロパティ・コンサルティング 国立大学法人東京大学 農学生命科学研究科 国立大学法人長岡技術科学大学 学校法人玉川学園玉川大学 |
アドバイザー | 大手化学企業A社、大手発酵企業B社、大手食品企業C社 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ジナリス |
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本社所在地 | 〒230-0046 神奈川県横浜市鶴見区小野町75-1 リーディングベンチャープラザ内 |
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