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バイオ

バイオガスの都市ガス導管注入を可能とする高性能除去剤及び自動熱量調整装置の開発

愛媛県

萩尾高圧容器株式会社

2020年4月9日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 バイオガスの高度精製・熱量調整設備の開発
基盤技術分野 バイオ
対象となる産業分野 環境・エネルギー、食品
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、低コスト化
キーワード 脱硫、熱量調整、バイオガス
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 平成22年度~平成22年度

プロジェクトの詳細

事業概要

下水汚泥や食品廃棄物などから生産されるバイオガスはカーボンニュートラルの面から高度利用が求められている。全国の下水道処理場では年間3億M3生産されているが、その殆どが製造工場での場内消費である。このバイオガスの高度利用として都市ガス会社の導管注入が義務付けられた。高度利用を行う為には、バイオガス中の硫化水素除去及び自動熱量調整装置の設置が必要である。更に、熱量調整用LPG中の脱硫剤の開発を実施する

開発した技術のポイント

高性能除去剤及び自動熱量調整装置の開発により、バイオガスの都市ガス導管注入を可能とする
・硫化水素除去、LPG脱硫、自動熱量調整装置をパッケージとし、コンパクトで低コストな装置開発を行う
(新技術)
(特徴)
・バイオガスの都市ガス利用が可能
・バイオガス中の硫化水素20~60mg/Nm3を1.0mg/Nm3以下に除去
・バイオガスの熱量39mJ/Nm3をLPG添加で44.2~46.0mJ/Nm3に調整
・熱量調整用LPG中の硫黄25~250mg/Nm3を5.0mg/Nm3以下に脱硫

具体的な成果

・硫化水素除去剤、LPG脱硫剤の研究・試作
-バイオガス中の硫化水素を1mg/Nm3まで除去できる除去剤の開発において、銅が硫黄を吸着する能力が高いことを見出し、硫酸銅、硝酸銅、塩化銅等で性能比較した結果、硫酸銅の性能が高いことを確認
-LPG中の全硫黄分5mg/Nm3まで除去できる脱硫剤の開発において、硫酸銅、硝酸銅、塩化銅、硫酸ニッケル、硫酸亜鉛等で性能比較した結果、硫酸銅の性能が高いことを確認
-実機生産を考慮に入れ、硫化水素除去剤、LPG脱硫剤のサンプルを試作。バイオガス脱硫、LPG脱硫のいずれにも有効な、添着活性炭を見出した
・自動熱量調整装置の開発
-硫化水素除去剤、LPG脱硫剤の除去性能を基に実機を設計した。バイオガスの処理量が年間200万Nm3の実機において、硫化水素除去塔は直径1.5m、LPG脱硫塔は直径0.8mの設計結果が得られた
-自動熱量調整装置の開発では、PID制御を導入してバイオガスの流量と発熱量の変動に対応しつつ、発熱調整後の発熱量を44.2~46.0mJ/Nm3に制御できる手法を確立

知財出願や広報活動等の状況

特許:「バイオガスに増熱剤として添加するLPGの脱硫剤及びバイオガス中の硫化水素の除去剤」(特願2012-016563)

研究開発成果の利用シーン

下水汚泥や食品廃棄物などから生産されるバイオガスの精製に用いられる。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・実用化に成功。H27年度の事業化を目指す
・硫化水素除去剤、LPG脱硫剤の有償サンプルあり

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、素材・部品製造、製品製造

製品・サービスのPRポイント

・環境負荷削減→バイオガス中の硫化水素を1mg/Nm3以下に、カロリー調整用のLPGの硫黄濃度を5mg/Nm3以下に除去し、バイオガス熱量を45mJ/Nm3に調整する
・低コスト化→各装置を低コストとした上、装置をパッケージ化することで、設置工事費用を削減し、30%以上コストを低減

今後の実用化・事業化の見通し

補完研究を継続しつつ、川下企業への実機導入を展開中
・吸着剤の性能向上のため、添着金属の高分散化の補完研究を実施中。また、吸着剤のさらなる小型化、コストダウンを目指す
・川下企業に対し、装置設計及び費用見積を提出済。実機プロジェクトの進捗待ちの状況である
・H27年度の事業化を目指す。大阪ガス株式会社向けの実機導入を足がかりに、下水処理場のバイオガス設備の販路開拓を狙う

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 萩尾高圧容器株式会社
事業管理機関 公益財団法人えひめ産業振興財団
研究等実施機関 国立大学法人愛媛大学
クラレケミカル株式会社
愛媛県産業技術研究所

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 萩尾高圧容器株式会社(法人番号:3500001010218)
事業内容 金属製品製造業
社員数 59 名
本社所在地 〒792-0893 愛媛県新居浜市多喜浜三丁目5番50号
ホームページ http://www.hagio.co.jp/
連絡先窓口 製造部技術課
メールアドレス info@hagio.co.jp
電話番号 0897-46-3111